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主な書評を一挙掲載!
「名医」の実像に迫る
(1995.6.15/朝日新聞/大阪/家庭面)
著者は、慶応大学放射線科講師でがん専門医。臨床のかたわら医学界のタブーに挑戦する執筆活動を続けている。
この本では、日本のがん治療、特に手術の問題点を
分析し、著者自身が治療を受けるとしたら、どの治療法を選ぶかを臓器別に解説している。その多くが日本では標準とされている治療法とは異なるが、世界的にみると標準治療なのだという。
「名医」といわれる医師たちの実像に迫り、医師を信じて任せる医療から、患者自身が考える医療への転換を訴える。十分な情報を知らされないまま最期をとげた患者の無念を知る著者の、医療改革への思いは深い。
今月のおすすめBOOK
(1995.6.15/消費生活新報)
乳がんの乳房温存療法のパイオニアとして知られる近藤医師は、これまでも次々と「医学界のタブー」に挑戦してきた。本書でも「時代遅れの手術にしがみつく『名医』たち」など、一部関係者が読むと顔色を失いかねない興味深い内容が盛り込まれている。もちろんそれに終始しているわけではない。日本のがん治療の、特に手術にまつわる問題点をわかりやすく分析。その分析に基づき、どのような治療法が良いのかを、がんの種類別に考察した。「がんに関係ない人でも面白く読める」(著者の辞)という自信作。書物による「セカンドオピニオン」も可能だということを実感できる一冊だ。
見る・聞く・言う
治療法の選択自分で
(東京新聞 1995年4月8日)
転移しなければ放置も
「制がん剤はほとんどのがんにきかない」 などと、がん治療の問題点を厳しく追及している慶応大学医学部放射線科講師の近藤誠氏
が新たに「ぼくがうけたいがん治療」(さいろ社=大阪府茨木市)を出版した。
本書で近藤氏が訴えたかったのは、「医者
にまかせないで、患者が自分の頭で考えてほ
しい」ということ。
近藤氏はあとがきでこう述べている。
「がんと診断されたとき、治療のすべてを医師にまかせてしまう患者さんがなぜ多いの
か。医師の勧める治療をうけたことを後悔し、後遺症に苦しむ患者さんも多い。がん治療法の選択や決定は、そんなにむずかしいものではない。決められないと思っているのは、医師たちが怠慢で、考える筋道を教えてこなかったからだ」
第1章「昭和天皇はなぜ放射線をうけなかったのか?」では、昭和天皇が膵(すい)がんのバイパス手術を受けた後、がんの増大を防ぐ放射線照射が行なわれなかった疑問を投げかける。
理由として「昭和天皇にがんということを
悟らせないため」とともに日本のがん治療が
外科医による手術優先であることをあげる。
この結果、欧米であれば当然行なわれた放射
線治療を行なわずに延命の可能性を奪う一方
で、最期まで輸血を繰り返すという無意味な
延命治療を行なったと指摘する。
『必ず複数の治療法』
そして「がんには必ず複数の治療法が成り 立ち、そのなかで一番「お得な」方法がある
はず。医師のいいなりになる危険性を知って
、情報を吟味し自分の治療法を選択し、決定
すること」と強調する。
危険な『名医』の肩書
第2章の「『名医』という名の危険人物」 では「名医ほど並の医師と差をつけたいため
無謀な大手術に挑む場合」があること、また
欧米では無意味とされ、切除しても残しても
、転移の出現率や生存率に変わりがないリン
パ節を広く切除することの問題点を明らかに
している。
第4章「あなたが選ぶ治療法」では「一部
の臓器を除き、どういう治療を受けても、生
存率は変わらない」との記述も。
つまり「重要臓器に転移すれば死亡する。転移がなければ生き残れますが、転移が存在
しているかどうかは治療の前からあらかじめ 決まっている」というのだ。
抗がん剤9割は不要
その上で、手術について「胸やおなかを切 り開いて臓器を取ってしまう手術が不自然の
度合いが一番強い。合併症や後遺症が生じ、 術死の可能性もある」。抗がん剤治療について「9割の患者には不要。生存率が向上せず
、副作用が全員に生じるからだ」とする。
そして「そのままにしておく方法」という
、がん患者にとってはびっくりするような「
治療法」も紹介されている。
「発見されたがんが今、転移していない場
合、放置しても、転移が生じるという証明は
ない。そのままにしても転移が生じないのな
ら、手術で臓器を取られるのは無意味で、そ
のままにしておくことが、がんの性質にかな
っている」
話題の発掘 がん治療 患者も考えて 慶大講師が本出版
(中日新聞(夕) 1995年4月11日)
「医師まかせは危険」 後遺症に苦しむ例も
「制がん剤はほとんどのがんにきかない」 などと、がん治療の問題点を厳しく追及して
いる慶応大学医学部放射線科講師の近藤誠氏が新たに「ぼくがうけたいがん治療」(さいろ社=大阪府茨木市)を出版した。
本書で近藤氏が訴えたかったのは、「医者にまかせないで、患者が自分の頭で考えてほしい」ということ。
近藤氏はあとがきでこう述べている。
「がんと診断されたとき、治療のすべてを医師にまかせてしまう患者さんがなぜ多いの
か。医師の勧める治療をうけたことを後悔し、後遺症に苦しむ患者さんも多い。がん治療法の選択や決定は、そんなにむずかしいものではない。決められないと思っているのは、医師たちが怠慢で、考える筋道を教えてこな
かったからだ」
第1章「昭和天皇はなぜ放射線をうけなか
ったのか?」では、昭和天皇が膵(すい)が
んのバイパス手術を受けた後、がんの増大を
防ぐ放射線照射が行なわれなかった疑問を投
げかける。
理由として「昭和天皇にがんということを
悟らせないため」とともに日本のがん治療が
外科医による手術優先であることを挙げる。
この結果、欧米であれば当然行なわれた放射
線治療を行なわずに延命の可能性を奪う一方
で、最期まで輸血を繰り返すという無意味な
延命治療を行なったと指摘する。
そして「がんには必ず複数の治療法が成り
立ち、そのなかで一番「お得な」方法がある
はず。医師のいいなりになる危険性を知って
、情報を吟味し自分の治療法を選択し、決定
すること」と強調する。
2章の「『名医』という名の危険人物」で
は「名医ほど並の医師と差をつけたいため無
謀な大手術に挑む場合」があること、また欧
米では無意味とされ、切除しても残しても、
転移の出現率や生存率に変わりがないリンパ
節を広く切除することの問題点を明らかにし
ている。
4章「あなたが選ぶ治療法」では「一部の
臓器を除き、どういう治療を受けても、生存
率は変わらない」との記述も。
つまり「重要臓器に転移すれば死亡する。
転移がなければ生き残れますが、転移が存在
しているかどうかは、治療の前からあらかじ
め決まっている」というのだ。
そのうえで、手術について「胸やおなかを
切り開いて臓器を取ってしまう手術が不自然
の度合いが一番強い。合併症や後遺症が生じ
、術死の可能性もある」。抗がん剤治療につ
いて「9割の患者には不要。生存率が向上せ
ず、副作用が全員に生じるからだ」とする。
そして「そのままにしておく方法」という
、がん患者にとっては驚くような「治療法」
も紹介されている。「発見されたがんが今、
転移していない場合、放置しても、転移が生
じるという証明はない。そのままにしても転
移が生じないのなら、手術で臓器を取られる
のは無意味で、そのままにしておくことが、
がんの性質にかなっている」
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