チープに極楽。生きててよかった!
| 九州の名銭湯 【鹿児島県南部】 |
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| 竹迫温泉 (鹿児島市) 霧島温泉 ★(鹿児島市) 江ノ島温泉 ★(垂水市) 弥次ヶ湯 ★(指宿市) 村の湯 ★(指宿市) 東郷温泉 (指宿市) 殿様湯 (指宿市)2011.1.19 尾之間温泉 ★(熊毛郡屋久町) |
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竹迫温泉
鹿児島市内の銭湯はほとんどが温泉で、しかも設備などのレベルが高く、多くはビル銭になっている。その中でも珍しくここは瓦屋根に板壁と、昔ながらの味わいを残した温泉銭湯だ。 路面電車の「騎射場」停留所で下りて、北東へ3分ほど歩く。道路に面して間口が広く、前に6〜7台の駐車スペースがある。 なんとも素敵な外観暖簾はなく、男湯と書かれた戸を開けて入る。いきなりタタキに番台があり、バーサンがフネ漕いでいる。 目の前に広がる脱衣所は、外壁に合わせて青く塗られた木の柱に板張り天井などにイニシエ風情が感じられる。でも床はビニール製で、バス停みたいなプラスチックベンチ、ロッカーはアルミと、まあ素朴といえば素朴だが、くつろぎ感はいまいち。 浴室へ。おや、女風呂とは天井まで壁で完全に仕切られたセパレート浴室、これは珍しい。でも空間が広いので圧迫感はない。四角錘天井に四角い湯気抜きが開いている。 中央と横手に大きな湯舟が2つある。中央のはわりに新し目の湯舟で、気泡と電気に仕切られている。40〜41度とぬるめで、まずこれに浸かる。うほっ、やわらかい湯だな。 一方、横手にある大きな湯舟は心にキュンとくるようなレトロな逸品、茶色と白の小さな四角タイルが市松状に貼られている。いやー、これ、いいね! 片側に80cmくらいの石塔があり、そこから源泉がドバドバ投入されている。無色透明、さわると47度くらいありそう。湯はジェット2連の勢いで反対側からどんどん溢れ出る。湯舟の湯温は42〜43度かな。 その手前にはポリの水風呂があり、さらに無料の乾式サウナもある。これらを順ぐりに何度もまわる。これはメタメタぬくもるぞ。 常連おやじいわく、「ここは湯がいい、市内でこんなに源泉を垂れ流してるのはここだけちゃうか、遠くからも来るよ」(というようなことを鹿児島弁でおっしゃった) 舐めてみると、微妙に塩味。というか人間の体液に近いような、まったりと複雑な味がする。 カラン周りも問題なし。シャワーからも温泉が出る。 張り紙の説明書には「加水」と書いてあるが、レトロ槽のほうはほとんど源泉ママのような感じ。 みんなゆっくり入ってるなあ。椅子や桶はきちんと片付けて上がる人ばかり。俺も1時間ほど堪能した。 ただ、上がりは脱衣所の床がビニールなため、濡れた足裏がベタベタするのが残念。ヒソカに脱衣所の雰囲気を重視する当サイトでは、これで星付きを逸した。 建物やお湯・設備は俺にとって申し分ないだけに、惜しい! (05.12.6) |
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霧島温泉★
市電「高見馬場」から徒歩3分。鹿児島中央駅や天文館からもほど近い、ようするに鹿児島市街の中心部。 そのビルの谷間にアンタ、かわいらし〜い昔ながら系の銭湯ちゃんがちょこんといてるやおまへんかー。 ![]() (左)昭和レトロな切妻に木の板で屋号あり (右)湯気抜きが縦長 そんなにケナゲな面持ちで俺をじっと見つめないでくれ。照れるやん。すぐに入ってあげるからね。 玄関部分は3段ほど高くなっている。戸を開けるとタタキに木の番台。 そこで湯銭を払うや、おかみさんは「おおきに〜」って・・・? なんでも奈良は橿原のご出身だそうだ。 タタキにはフタのない下駄箱があるが、他客もおらんし脱ぎ捨てた。 で脱衣場へ上がると、そこは木の香ただよう正調の郷愁空間。天井の美しさがひときわ目立つ。タタキとの仕切りは障子貼りだ。 なにか京都あたりの銭湯テイストを感じる。ああ、鹿児島にこんな銭湯があったとは。 ![]() (左)男女壁上部のアーチカットが泣かせる (右)複雑な構成の天井 でも京都との違い・・・そう、ここは鹿児島、温泉天国なのよね! いざ浴室へ、と・・・! カラフルタイルな極楽空間うーむぅ〜、素敵。とっても。細かなタイル使いがまた京都を思わせる。 奥壁の女性のモザイクタイル画、男女壁のガラスブロックなどがいちいち俺の心の怪しい部分を刺激してきやがるぜ。 さてと、浸かろうか。深浅の中央湯船は奥端に2又の給湯口があり、そこから清澄なる源泉が注ぎ込まれている。 いよいしょお〜っとドップリドップリ。おぉ、この湯はまさしく本物温泉、まったりふわふわのツルスベ系、いわゆる美人の湯系統でんがな。あぁ〜、ヒフがぁ〜ヒフがぁ〜ハヒフヘホ〜と喜び勇んで嬉し涙を流してやがる。 深いほうにはジェットもあり。このまったりツルスベが背中直撃でハヒフヘホ〜。 給湯口のところにはひしゃくが置かれている。飲めとな。飲んだよ。まあるい感触、薄い塩味だ。 手前には無料サウナがある。2段になった乾式の本格派。 そして奥のこれまたタイル使いのニクイ小浴槽は水風呂になっている。この水がまたアンタ、只者やないね。こっちは塩味はないが、湯船の温泉に共通するヤワラカ系が掛け流しだ。 午後2時過ぎ、貸切状態。縦長の湯気抜きから差し込む光、ゆらめく湯。 都心の極楽ここにあり。 上がって聞くと、80年ほど前からやってるそうな。温泉は47度、地下800mから汲み上げているとのこと。カランの湯もすべて温泉だ。 鹿児島ってやつぁあ・・・。(2010.7.2) |
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江ノ島温泉★
もともと島だった桜島は、自分が噴き出した溶岩で海を埋め、大隈半島にくっついた。そのへんのちょい南。鹿児島市から見て桜島の対岸に当たる。 海潟温泉バス停を降りてすぐそばの川岸に、わりと新しいっぽい看板あり。それに従って進むや、飾り気のない素朴な湯小屋が忽然とあらわれる。 もうタダモノでないオーラばりばりでございます。 ![]() (左)普通の温泉施設かな、と思わせる看板 (右)土が黒いのは火山灰 誰もいない番台に小銭を置き、激素朴なる脱衣場で裸になる。 運命ね。宿命ともいう。そんなことを感じる。すでに呑み込まれた状態だ。 ![]() (左)黙って脱ぐのみ (右)これは女湯の成分表。男湯のは剥げていて読めない そして生まれたままの姿になったれば、お湯の香りに導かれて夢遊病者のようにこの聖空間へと運ばれる。 なされるがまま。もはや神を前にした無力な子羊でしかない。 湯の神、降臨 ![]() (左)熱く透き通った湯がザブザブ掛け流し (右)トド用の木枕もあり 熱めの湯だ。43〜4度くらいか。しかしアルカリ性単純泉らしくまったりと優しく、気高く香る。湯船のヘリを越えて、絶え間なく極上の湯が渋い床タイルを洗っている。 地中より惜しげもなく湧き出て、小さき者どもの事情には微塵も介錯せず滔々と与えられ続ける豊饒の光景だ。 湯に体を慣らしながら、浸かる。首まで沈みながらふんわりと包まれてゆく。しばらくして上がって休み、また浸かる。その繰り返しのみ。 ![]() (左)女湯は壁下部のタイルがピンク色だ (右)湯船の底タイルの神々しさよ 誰もいないので女湯もチョコッと拝見した。 タイルの色を違えて張った人間の愛らしさと、そこへ悠然と湯を供給し続ける神との妙なるコラボレーションである。 桜島の影にひっそりと湧く、愛すべき極上温泉だ。 (2010.7.3) 帰りは雨が強くなった |
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弥次ヶ湯★
指宿駅の北側、二月田駅との間の十町・大牟礼地区には小さな温泉が点在している。ガイドブックなどにはあまり載っていない、古くから地元民に愛されてきた温泉銭湯だ。 二月田周辺は、片田舎という言葉がピッタリの、町はずれの農村地帯。やしの木がたくさん並んだ指宿市役所の前を通り、10分ちょっと歩くと、バナナの大きな紫色の花が咲いているそばに看板が見えてくる。 看板に沿って地道を少し入ると、なんとも風情のある建物が現れる。 黒光りする太い柱や梁はハンパじゃなく年季が入っていて、まるで日本昔話の世界だ。 番台はなく、写真の向かって左側の建物の縁側にいるばあさんに料金を支払う。 愛想が良くて感じのいいそのばあさんによると、110年以上前に建ったまんまとのことだ。2階は休憩所になっているらしい。 「右側のお風呂がぬるいほうですから、子どもさんはそっちがええかな。左のお風呂は熱いよ」 中に入ると、脱衣室なんてものはなく、いきなり浴室。手前に木の棚があって、そこへ脱いだものを放り込んでおく。 で、目の前にはこんな湯船が。 6〜7人サイズこれは熱いほう。建物内部は適度に改装されているが、湯船はレトロなんていう生っちょろい言葉では追いつかないシブさ。古さを売り物にしようとするつもりなどなく、ただもう当たり前に明治初期のまんま、それがどうしたという感じ。先客はイレズミ者が一人だけで、限りなく静かだ。 おそるおそる入ってみると、45度くらいだろうか。ちょうどしじみのすまし汁くらいに白濁した、やや塩味のする湯。それが横のマスからどんどん自噴していて、加水もせず、流し込む量を調節して適温にさます仕組みになっている。 湯船や床は石でできており、温泉の成分が100年以上にわたってこびりついている。天井などの木造建築もワビサビミヤビイマソカリ。 ![]() で、こっちがぬるいほう。「大黒湯」という別泉源らしい。42度くらいか ぬるいほうの風呂は、泉源が異なるようだ。やはり石づくりで、そのきめ細かな感触がたまらない。しばし湯船のふちに寝そべって、桶で湯をすくって腹にダラダラと掛ける。聞こえるのは鳥の声と、湯の湧き出る音のみ。 これまで僕は人間として最高の死に方は腹上死と考えてきたが、それは間違いだった。人間たるもの、ここで腹に湯をかけながら死ぬべきではないのか。 途中で、地元民らしきおじさんが入ってきて、おもむろに湯船のそばにある木のフタをどけると、そこは飲泉専用の湯が満ちていた。おじさん、ひしゃくですくって飲んでいる。 僕も飲んでみた。塩とイオウの味、まったりとした舌ざわり。効きそうである。 (03.5.1) →南薩旅行記 |
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村の湯★
指宿駅から北へ徒歩15分ほどの、のんびりした住宅地の中にある。 温泉の隣の建物にいるばあさんに料金を払って入る。大人250円、小人100円。 やはり脱衣室はなく、浴室の隅に脱衣棚があるだけだ。建物の外側は改装されているが、中はこれでございます。明治15年モノだと。 手前がぬるめ、奥が熱め誰もいない。完全貸切状態。こんな小さな写真では、この味わいは十分に伝わらんな。ブロードバンドの方はこちらの大画面で堪能されよ。 湯は弥次ヶ湯に似ていて、わずかに白濁して薄い塩味。写真左側のフタをしてあるところを覗くと、湯がどんどん湧き出しているのがわかる。でもかなり熱いので、湯船への注ぎ口に栓をして、少しずつ流れ込ませることで湯加減を調節してある。栓を抜くと、熱い湯がドバー。 湯船の底に板が敷いてあって、その下からも湯が湧き出しているようだ。板と板のスキマは漆黒の闇。この下がどうなってるのか、実に神秘的である。弥次ヶ湯同様、汲み上げずとも勝手に湧いてくる自然湧出だ。 壁にはいわくありげないろんな紙が貼ってあって、それを見ているだけでも楽しい。こんなのもあった。 拡大写真はこちら。他の張り紙もあるよ明治時代のお墨付きのようだが、効能に「胃腸病」「神経痛」などと並んで「ローマチス」とある。腸チフスの親戚かとも思ったが、どうやらリウマチのことらしい。 でも、ローマチスというほうが何か気品というか威厳を感じさせられる。すべての道はローマに通じ、すべての温泉はマグマに通じるのである。 (03.5.1) →南薩旅行記 |
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東郷温泉
村之湯のすぐ隣にある温泉。温泉が2軒並んでる〜! 弥次ヶ湯とはまったく違うおもむきの、南国情緒ただよう明るい外観だ。ピースフル・イージー・フィーリングな脱力系オーラを発散している。 隣の建物に窓口のようなものがあるが誰もいない。そこにある料金箱に大人250円、小人110円を入れて中に入ると、ここはいちおう脱衣所と浴室とが戸で隔てられている。 さっそく服を脱いで浴室へ。 年季の入ったタイル張りの床が、温泉成分で真ッ茶色になっている。湯は熱めで、44〜45度くらいか。湯がすみっこからザバザバ流れ出ているが、どこから来ているのかなと思いつつとりあえず入ってみる。 すると、湯船の下は石敷きだった。んで、どうやらその下から湧き出しているようす。 他の指宿の湯と同様、薄い塩味で、村之湯より少し白濁ぎみ。 奥には、ややぬるめの浴槽がある。が、実際にはそっちも十分熱い。 よく見ると、温泉が流れ込む部分に木の栓をして、流れ込む量を調節することで自然に冷ます仕組みなのだが、その栓が古くなって緩み、熱いのがドクドクと湯船に流れ込んでいた。 (03.5.2) 奥にある「ぬるめ」の浴槽 追記:その後改装されているもようです。 |
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殿様湯
8年ぶりの再訪は大晦日、それも指宿とは思えぬ大雪の日となった。 JR指宿線の二月田駅を出て北西へ徒歩10分ほど。川沿いの道から左へ土手を下りたところにある古い温泉だ。 どんだけ古いかというと、ここには代々島津藩主の別荘が置かれていて、そのころからの風呂やというハナシ。 入浴料は向かいの家の玄関で払う指宿スタイル。 中庭で飲泉可それにしても寒くてかなわん。狭くて簡素な脱衣場で脱いだらソッコーで浴室へ。 浴室は古めかしくどっしりとした石造り。温泉成分によるものか全体的に茶色に染まっているのは他の指宿温泉と同じだ。 中央に楕円形の湯船がある。その手前部分が一段高くなっていて、島津の紋章が入っている。温泉はこの部分に湧き出して溜まり、それから湯船に流れ込んでいる。 湯船は深い。お湯は指宿らしい、しじみ汁くらいの濁りの塩化物泉でアッチッチ。最初はこんなもん入れるか、と思うけど、足先をもみながらじっくりならしていると、ゆっくり体を沈められるようになる。 あー、この湯だ。まぎれもなく指宿だよ、しびれるねえ…。 カランもいくつかあり、ジモティーは石鹸だらけになって銭湯使いしている。 しばらく浸かったり出たりまた浸かったりしていると、雪の日でも汗がひかないポッカポカボデーが完成する。 屋外には、本当に殿様が使っていた湯船がそのまま保存されているので、見て帰りましょう。 殿様用タイルが素敵(2010.12.31) |
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尾之間温泉★
屋久島といえば山、山に登ったあとは温泉と相場が決まっている。でこの日も山で大汗かいて、ここへたどり着いた。 モッチョム岳の大岩壁を望む尾之間集落に看板があり、少し坂を上ると現われる。古いものではなさそうだが、木造り瓦葺のなんともいい感じの建物。右のほうには足湯スペースがあるが、湯は張られていなかった。 あたりに漂う硫黄の香り。うほー、これは期待できますなあ。 内部もすべてウッディー空間、もちろん屋久島の杉でしょう。 フロントのおやじに200円払い、廊下右側の男湯脱衣所へと進む。ロッカーはなく木のタナのみ、横手に籠がある。 裸になって浴室へ。とたんにかぐわしき硫黄臭の湯気に包まれる。 戸を開けて4〜5段の階段を下りる半地下構造。木と石とコンクリで造られた、共同浴場的な素朴さに包まれたナイスな雰囲気だ。10人くらいが入れる長方形の湯舟が一つあり、無色透明な湯がへりからあふれて床を流れている。 どれ、さっそく・・・おぉっ、まろまろっ! そして43度くらいのやや熱め、マイベスト湯温じゃありませんか。さらに底には玉石が敷き詰められていて、足裏もじつに気持ちよか。しかもなんと、この石の下から源泉が直接湧いてきているらしい。 うひひ〜、いや、まじ最高。くたびれた筋肉が快感のあまりピクピクッと小躍りしやがるぜ。 男女仕切り壁には「尾之間音頭」の歌詞と、モッチョム岳や棒踊りやポンカンなどこの地方の風物の絵が描かれていて、これまたアットホームな雰囲気。尾之間と書いて「おのあいだ」と読むが、この音頭には「オネダ」とルビがふってある。 岩をあしらった壁際にはカランが2組と、水鉢がある。シャワーもあるが水しか出ないもよう。他客はほとんど湯舟からかい出して体を洗っている。 夕方5時すぎ、地元民が子どもからじいさんまで次々にやってきて大繁盛。そらこんな極楽風呂が近所にありゃあ行くわな。俺も通いたい〜。 (05.12.8) →モッチョム岳登山記 |
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