チープに極楽。生きててよかった!
| 関西の名銭湯 【その他の奈良盆地諸市】 |
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| 大門湯 ★(大和郡山市) 畝傍温泉 ★(橿原市) 敷島湯 (桜井市) 宝湯 (御所市) 新産湯温泉 (御所市) |
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| 奈良市/大和高田市/五條・吉野 | |||
大門湯 ★
古い城下町のメインストリート「柳町」の南端に、さりげなくたたずむ郡山唯一の銭湯。周囲の街並みに見事に溶け込む日本旅館ぽい建物に、柳の木が素敵です。 しかし、けっこう大きいぞ。ウナギの寝床が並ぶ城下町で、こんなに道路に面した間口が広いのも珍しい。壁なんかも新しいようだし、2軒分を合体させて改装したのか。 入口の看板もしゃれてますおっと、風情ある格子戸は自動ドアだ。 広い下駄箱スペースの床は情緒ある板張りで、どこがどうなのかわからんが上品さが漂う。ただならぬセンスのよさに、小学生の息子も「あれ? ここ、なんかいいね」と思わずつぶやいている。 中へ入る戸も自動ドア。ロビーは広くてテレビや新聞雑誌があり、左手フロントにおばちゃんが座っている。その脇の廊下を進んで男女分かれるという、普通の銭湯では見られない間取りだ。随所に見られる飾りつけもなんとなく旅館チックで、センスがいい。というか、下町銭湯クオリティではない。 脱衣所は明るく新しい。古い銭湯テイストは皆無。 と、ここまでなら、立地や外観が渋いとはいえ、いにしえ度に重きを置く当HPがわざわざ取り上げることはなかっただろう。 浴室へ入ると、懐かしい光景が広がる。改装されてはいるが、湯舟のフチや周囲の座り段には分厚い白御影石がどっしりと据えられ、内側には細かな丸い豆タイルがびっしり張られていたりする。 浴槽は多彩で、中央に深い主浴槽、男女隔壁ぞいに手前から浅風呂、ジェット&気泡風呂、電気風呂が並ぶ。向かい側にはカランが並び、手前に水風呂、奥に別料金サウナ。出口横には立ちシャワーもある。 設備は揃っているが、材質はスー銭ぽくなく、本来の伝統的銭湯素材が活躍しているのが嬉しい。男女壁には、見るからに高級そうな天然石が豪快に張られていて、並の銭湯との違いを感じさせられる。 湯の温度が、熱めの深から浅、気泡と順に低くなっていく点も素晴らしい。 そして最も驚愕したのは、露天風呂。これはたまげた。めちゃくちゃカネがかかっているぞこれは。 まず周囲の庭が本格的日本庭園。京都の船岡温泉もケシ飛ぶね。露天風呂の背景としてではなく、ちゃんとした「庭」なのだ。 そしてその中央に4〜5人サイズの岩風呂。そこに使われている岩たちの立派なこと。しかもその周囲をツギハギのないロング御影石が手抜きなく固める。その頭上を覆う東屋がまた、磨き丸太を使った本物でございます。 完全に採算度外視。店主のこだわりとセンスが織り成すリッチな演出に酔いしれるしかない。庭が立派すぎるため蚊が多いのは仕方ないだろう。 と、贅をつくした改装は一見スー銭ふうにも見えるが、じつは下町イニシエ銭湯保守本流の硬派進化系であるということに銭湯好きならば気づくはずだ。とにかくセンスが渋い。 唯一の難点を挙げれば、水風呂が冷却されていないことだろうか。でも地下水特有のいい香りがほのかに漂ってて満足。 土曜日の夕方、さほどお客も多くなく、ゆっくりと楽しめた。 (05.8.6) |
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畝傍温泉★
近鉄八木西口駅の西出口から徒歩1分、建売新築住宅群の中にポツネンと残る古〜い銭湯。おニューな街並みにまったく不釣り合いなオーラを、頑固に強烈に放出し続けております。 大和高田の日の本湯とたいへんよく似た外観だ。平屋建ての軒の中央に入母屋破風っぽい2段式の立派な玄関が取り付けられた威風堂々系。 違いといえば、こっちは破風に反り(てり)が入ってること。日の本湯は直線。反ってるほうがシャープで洒落者だな。 塀から玄関庇へ瓦がナナメに連なるのも日の本湯と同じさらにこっちは破風の先端にえべっさんの鬼瓦(というのだろうかこの場合?)が乗っている。そして両すそには、この界隈でよく見かけるかわいらしい桃みたいな鬼瓦。宝珠かな? ![]() (左)鯛を抱えて大笑いのえべっさん (右)ピーチだよん 暖簾をくぐると新旧合体空間暖簾をくぐって下足室、正面や上がりがまちには古〜い木が健在だ。 アルミ戸を開けると、低い木の番台におやじ。おぉー、脱衣所はコンパクトだが、建物外観にふさわしい木造いにしえ空間ですなあ。 格天井に3枚羽プロペラがぶら下がっているが回っていない。男女仕切りの上には神棚があり、前栽の一角に外便所というレトロの王道。 ロッカーはケヤキ一枚板の上等もん、しかも浮き彫り漢数字。このタイプは古くても美しさがほとんど損なわれない。昔のもののほうが今のものより優れているという顕著な例だな。 タナ上に常連の桶が賑々しく並んでいる。浴室入口には細かい角タイルびっしり。 浴室へ。カマボコ天井に大きな湯気抜きが開いており、なかなかの開放感。地元のおやじ客が4〜5人入っている(午後5時ごろ)。 床と壁は新しいタイルで改装されている。床のタイルはあまり見かけないものだが、ざらっとしてすべりにくく、なかなかよろすい。 湯舟は壁に沿って深浅2槽。ふちに紺色の細かい角タイルがびっしり張られた古いタイプで、外側を大阪式座り段がぐるっと取り囲む。 深い湯舟の湯温は42度くらい。おっ、腰痛持ちのラブリーパートナーこと電気風呂ちゃんがあるぞ。 浅い湯舟も深いほうと同じ広さがあり、こちらはややぬるめ。ジェット2連&気泡がゴキゲンで、常連客はここでくつろいでいる。しかも湯舟の内側にはくすんだ渋緑の丸い豆タイルが張られていて嬉しいな〜っと。 入口脇には新しく設置されたとおぼしき水の立ちシャワーもある。 タイムスリップ丸出しの外観と脱衣所、適度に改装されて清潔な浴室、古いが電気も気泡もある湯舟・・・と、ひたりまくれる絶好球。もしこれで冷水風呂があればホームランなんやけどな。 上がりはドリンク販売もあり。渋い脱衣所でのさらなるくつろぎタイムが保証される。 (04.8.21) 並びはすべて新築の建売住宅。がんばれ! |
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敷島湯
JR桜井線に乗るたび、桜井駅の少し北の線路そばに見える煙突が気になっていた。 で、この日は山之辺の道を歩く前に、まずはこの銭湯探索に直行だ。 桜井駅から北東に歩いて10分たらず。古い商店などが並ぶ狭い通りをゆくと、あの煙突がチラリと見える。かなり痛んでいる感じ。 近づくと、通りから10m近く奥まったところに銭湯発見。まだ昼前なので当然暖簾は下りていないが、青瓦の玄関小屋根の下に田舎情緒爆発系の渋い木の戸が少し開いていて、そこで柴犬が番をしている。 そのようすがもうたまらない。近寄ると、柴が元気よく吠えかかってくる。よしよし、あとでまた来てやるからなと約束して、とりあえず山之辺の道へ向かう。 これ見て入らずにおれますか、あなた?そして夕方。たっぷり汗をかいて戻ってきた。今度は暖簾がさわやかに揺れている。柴は左奥の犬小屋につながれている。 暖簾をくぐると、玄関スペースは小さなお寺のような渋い木の空間。下駄箱は新しいが、脱衣所への戸や上がりがまちの風情がたまらない。瞬時に”ほっこりオーラ”に包まれる。 使い込まれた木の引き戸をなめらかに開けると、これまた使い込まれた木の番台がお出迎え。誰も座っていなかったが、すぐに表からじいさんが来た。 ![]() (左)郷愁オーラがオーレ♪の玄関スペース (右)脱衣ロッカー 脱衣所のいにしえ度も高い。さすがはまほろばの地。前栽、木のロッカー、そして男女仕切り壁がまた泣くしかないような激渋の年代もの。 めずらしいのは天井で、ゆるいカマボコ型のコンクリ天井になっている。こういうのは初めて見た。 浴室は飾り気のないシンプル空間。 湯舟は中央にタイル張りの深風呂、その男女壁側にL字型の浅風呂がある。ジェットもなにもなし。湯舟のフチには濃抹茶色の1×2cmの細かい長方形タイルがびっしり張られている。 歩いてくたびれた体をゆったりと沈める。あぁ〜むぅ〜、・・・どうしても声が出てしまうのぉ。 湯温は深が42度くらい、浅は40度くらい。深の底面はちょっとデコボコしていて、年季を感じさせられる。 首まで浸かりながら壁に目をやると、低い位置に普通の民家的な格子窓がある。開け放たれて外気が吹き込み、なんとも気持ちいい。 カランの水はかなり冷たく、湯は思い切り熱湯が出る。これも古銭湯の味わい。シャワーもあるが湯圧弱い。 出入り口横に男女壁をぶち抜く共用の水鉢あり。お湯で茹だってはその水を浴びまくる。 水鉢の横の男女壁の下にくり貫かれた共用の排水口があり、使った湯は湯舟周りの溝からその穴に吸い込まれていく。これも古いスタイルだ。 上がりはサイダーなどの販売あり。奈良から続く山之辺の道の終点にある、素朴な味わいの銭湯だ。 (05.9.17) 外へ出ると、とっぷり日が暮れていた |
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宝湯
葛城古道を歩いて足くたくた。やっとたどりついた旧市街地の静かなまちなかにたたずむ銭湯。JR御所駅から南へ徒歩5分ほど。 渋い千鳥破風の平屋建てだが、暖簾をくぐると下駄箱などは新しいものに換えられている。 ![]() 昭和初期のクラシックな造り 戸を開けたら番台におばちゃんが座る。古い木のものだが外側はベニヤが張られている。 脱衣所は格天井がけっこうな高さで気持ちいい。木のプロペラが男女一つずつぶら下がっている。だが壁はベニヤで改装、ロッカーも合板モノ。 前栽部分は脱衣所を広げてマッサージ機を2台設置してあるが、ここの窓が開けっ放しで、表の通りから俺の尻が丸見えだ。開放的ですわ。 古い建物に逐次手を入れてあり、その経営努力は素晴らしい。でも、いにしえファンとしては残念・・・という皮肉なねじれ現象。 おっ、浴室の出入り口の横が山水画のエッチングガラスになっている。いいねえ、僕はこれが大好き。 浴室内部も改装済み。天井はカマボコ型だが、湯気抜きがない。改装で取っ払ったのか? 奥壁のタイルには白樺の絵が入っているが、これは既製品だな。 湯舟は男女隔壁に沿って大きな深浅主浴槽、浅いほうはジェット2連。やや熱めの湯が、くたびれた足腰にまことに気持ちよろしい。手前には電気風呂もあり、ちょうどいいぐらいの電撃。フクラハギと腰を徹底的に癒しまくる。 湯舟のフチには青竹風タイル、外側座り段やカランまわりなどには小さめ正方形の柄入り青タイルが張られている。いずれも初めて見るタイプだがじつに僕好み。でも湯のカルシウム成分なのか、水際部分に白いものがかなりこびりついている。 一見新しそうだが、後で聞くと改装後20年ほど経っているとのこと。毎日磨いておられるのだろう。 田舎の古銭湯らしくシャワーは弱めで、湯温安定せず。 宵の7時前、お客は僕を含めて3名ほどだった。 上がりは飲み物いろいろあり。 おばちゃんは神戸の灘出身とのことで、しばし神戸の話題に花が咲く。 細部は改装されているが、昔ながらの雰囲気がぼよよーんと漂う、のんびりくつろげる銭湯だ。 ちなみに、ここから東へ5分ほど歩いたところに葛城湯という激渋銭湯があるのだが、行ってみたら「しばらく休業します」との張り紙があった。宝湯のおかみさんに聞くと、この3月末に廃業されたとのこと。狂おしく残念だ。 (05.5.21) 廃業した葛城湯 |
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新産湯温泉
JR御所駅から東へ数分歩くと葛城川にぶつかる。左手に見える橋を渡ると、こんな看板が見える。 「信号を右へ100m」とある昔ながらの銭湯で、こういう案内板を出しているところは極めて珍しい。書かれたとおりに曲がると、4〜5台停められる駐車場の奥にこの銭湯が現われる。 おおっと、これは! なんと申せばよいのかこのチープな田舎風情。元は瓦屋根だったのだろうが、今やトタン葺き。暖簾は洗濯しすぎて隅っこが千切れている。 そしてなんといっても手書きの看板がたまらない。屋号も渋いねえ。まさに産湯のごとき郷愁爆発系だ。 手作り感が最高です手前の駐車場内に外便所があり、建物の右奥には釜場が見えている。素朴にして筒抜け、蘇る3丁目の夕日。 玄関部分はあとから増設されたようだ。暖簾をくぐると、土間に続いて下足室があり、年季の入った大きな下駄箱が2つ向き合っている。入口は右側。これも古い銭湯では珍しいパターンだ。 ![]() 番台にばあちゃん、前栽にヤツデ、の最強懐古セット。床は板張りに竹敷き。 でも脱衣所の天井やロッカーは新しいものに取り替えられ、あまり古さはない。神棚の位置にはテレビが据えられている。 浴室は中型の広さで、カマボコ天井に小さめの湯気抜きが開いている。 湯舟は男女仕切り壁に沿って、深、浅ジェット3連、浅気泡の3槽が一列に並ぶ。どこも昭和的な小さめのタイルで覆われていて、随所に白セメント修理が見られるものの、ジェットも気泡も豪快に景気よく噴出しており、ボロい感じはない。浴槽面積が広くて、のびのび感が味わえる。 そして奥壁一面に、クラッシュタイルで描かれた湖水&白鳥のモザイク絵あり。 湯温は41度強、ややぬるめ。今日もよく歩いたから気泡風呂がメチャクチャ気持ちええわ。カランもシャワーも快調。隅に水鉢あり、頭から冷水をかぶりまくる。 いやー、外観は濃いけど中はかなり快適だ。 上がりは飲み物販売あり。 日曜日の夕方、お客が次から次へとクルマでやってくる。それぞれ家族揃って5〜6人ずつ。6時すぎには駐車場は満車で、路停まで出ている。この地域の手ごろな憩いの場として根付いているんだな。 案内看板、手書きの屋号、快適な浴室。ふしぎな魅力の産湯だ。 (06.3.5) 帰りしな、靴を履きながら外を見る |
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