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関東の名銭湯 【東京都下】
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鶴の湯 ★(武蔵野市)05.2.9

鶴の湯

武蔵野市吉祥寺北町3−1−21
0422-51-6939
【営業時間】16:00〜24:00
【定休日】金曜日

 まったくもってエクセレント。「東京で最も感激した銭湯は?」と聞かれたら、ここを挙げるかもしれないな、今のところ。

 井の頭公園に行った帰り。駅から五日市街道へ出て北西へ10分ほど歩くと、北側に煙突が見えてくる。
 これこれこれ、きましたよこれですね。問答無用に説明不要な「これぞ」の構え。

 
(左)懸魚もりりしく   (右)黄色の彩色が目立つ

 まだ開店の数分前だったが、玄関を開けに出てきたばあさんが「中でお待ち」と入れてくれた。
 脱衣所に入る。と、見事なまでのイニシエ風情が隅々まで充満している! 高〜い折り上げ格天井はもちろん、床から窓から壁から、銭湯ファン感涙の麗しくも重厚なる木造空間。浴室入口のみアルミサッシに替えられているが、あとは全部昔のまんまだ。
 それでいてボロさはない。よく手入れされている。吐息が漏れちゃうよ。
 これが東京の銭湯だよ、と関西のみんなに教えたくなるねぇ。

 
(左)すぅーっと深呼吸したくなる   (右)左のテーブルには組合機関紙「1010」など陳列

 番台のばあさんがまた人当たり柔らかで感じいい。
 「女湯はまだお客さんがいませんからどうぞこっちもご覧ください」と言ってくださるので、お言葉に甘えて禁断のカーテンをくぐる。
 うひょひょひょ〜、これが鶴の湯の女湯浴室だっ!

 正面の壁に早川師の富士山ペンキ絵

 
(左)富士山の下には鯉のタイル絵、その下に湯舟  (右)男女隔壁には3枚のタイル絵

 誰もいないとはいえ、女湯はやはりなんとなく緊張するな〜。
 しかしまー正面に富士山、その下に鯉、仕切り壁に名所タイル絵と、クラシックな3点ビジュアルが完璧に揃った黄金セット。しかもそれぞれ保存状態が最高。じつに美しい。

 男湯へ戻り、パンツを脱いで浴室へ。
 男湯のペンキ絵は富士山ではなく「和歌山」とある。瀞峡っぽいな。平成16年4月30日か、描かれて1年たってない。
 湯舟は奥壁に深浅2槽の東京伝統スタイル。なんともまあ渋い色のタイルが張られているわい(上の女湯写真)。外側には角の丸い菱形のもの、内側は2cm角。長年の味わいが深々とにじみ出ている。
 深風呂にはお約束の気泡。おや、湯温は41〜42度弱と東京にしてはぬるめだ。じゃ、ゆっくり浸かりながら絵でも鑑賞しましょうか。

 ペンキ絵の下、章仙師のタイル絵には鯉のほか、おしどり、鶴、鴨などの精密な絵が描き込まれている。毎日見てても飽きないでしょう、これは。
 タイル絵の一部が檻のようになっており、中に石がゴロゴロ詰まっている。湯はそこから出てくる仕組みになっている(これも女湯写真)。壁にある説明によると「ガリウム石浴泉」、この石によってラジウム温泉と同じような湯になるんだと。ほんま?

 こちらは男湯

 お次は男女仕切り壁のタイル絵。これも女湯とは違うようだが、奥から松島、筏流し、富士山と並んでいる。真ん中の筏流しには章仙のサインがあるが、右端の松島には「T.N.」というサインがあった。

 手前の洗い場も東京らしく両側壁カラン列+島カラン2列のたっぷりサイズ。石鹸などを置く段には小さなブロック石状タイル、これも渋い。排水はステンレス溝。
 カランの湯はちょっとぬるいな。一番風呂だからか。

 上がりは飲み物販売あり。
 ばあさんによると今の建物は昭和32年に建てられ、その後カランなど改装。湯舟は「あれこれ設備を増やすと狭くなって家の風呂みたいになるからこのままがいい」とのお客の声に従って、シンプルなままにしているという。
 ばあさん自身は昭和15年からここの番台に座っているそうな。息子さんが西宮にいるとのことで、関西に親近感を持っておられる様子がまたうれしかった。

 というわけで文句なしの伝統的東京銭湯ロイヤルストレートフラッシュ。満ち足り無限大。  (05.1.22)

  
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