メ シ つ き 文 化 遺 産 | ||
神戸市(その他の区)の渋~い大衆食堂 (神戸市中央区の渋~い大衆食堂はこちら) (神戸市兵庫区の渋~い大衆食堂はこちら) |
||
|
||
かどや食堂
阪神電車の住吉駅から線路の南側を御影方面へ歩くと、5分ほどで高架下に見えてくる。 看板やテントのサビ色がディープなオーラを醸し出している。たぶんレールと車輪がこすれ合うときの鉄粉が付着したものだろう。でも紺地の暖簾は新しくてきちんと洗濯されている。 (左)阪神電車の高架下の角地だよ~ (右)テレビのニュースを見ながら ときわ湯へ行く時いつも閉まってるのでやってないんかなと思ってたら、早朝から昼過ぎまでの店だった。 店内はテーブル6席のみのこぢんまりサイズ。外観のわりに清潔感があるけど、照明はやや暗め。明るくて感じのいいおばちゃんが二人で切り盛りしている。 入ったところにおかずケースがあり、壁に各種麺類・丼・定食の短冊メニューが貼られている。めし小120円、中150円、大180円、汁80円、うどん200円……安っ! 朝9時前、夜勤明けのガテン系および近所の常連おやじが4組(5人)。そのうち4人が朝からビールを飲んでいる。ガテンの中年はすでにできあがっていて、バイトの学生にデカイ声で野球の話を繰り返している。 おかずケースから塩さば200円を選んでチンしてもろて、めし小120円と豚汁150円、合計470円。 よき朝食であった 店のおばちゃんは仕事が一段落したら、常連客の向かいに座って世間話。もう一人のおばちゃんは空いてる席で自分のメシを食い始める。家庭の延長系の、小さくてアットホームな食堂だ。 (2015.1.31) |
||
このページの頭/ 激渋食堂メモのトップ | ||
日の出
王子公園駅の西口から徒歩30秒、信号を南へ渡るだけの大衆食堂。 中に入ると、奥に長い空間。わりとこぎれいでシンプルな内装で、6人がけテーブルが3つか4つ。混んでるときは相席前提やな。 スキンヘッドのおやじさんと長身のおかみさんが迎えてくれる。 おかずケースには煮物・焼き物・フライもの・八宝菜みたいなんが入っている。 壁メニューは麺類・丼物が400~600円台のごく一般的な値段。 (左)静かな時間帯はじつに静か (右)おかずケースにトンカツも入っている おかずケースから焼サバ取ってチンしてもろて、めし小、味噌汁100円いっとこ。これで500円。 ワンコインの夕餉 とくにナニがナニっちゅうこともないが、ごく普通の食事を安心して食える、駅前の便利食堂だ。 (2015.7月) |
||
このページの頭/激渋食堂メモのトップ | ||
栄食堂
阪神電車の岩屋駅から徒歩3~4分、白地の暖簾がエエ感じ。間口が広い大型の大衆食堂だ。 (左)これで店の半分 (右)カレーチャンポンが有名 壁を埋め尽くすメニュー群に圧倒される。どんだけあんねん。よそではあまり目にしないものもある。もちろんおかずケースもあり。 値段はこの手の店にしては微妙に高めかも・・・でもここの最大の魅力は、営業時間の長さと無休営業と収容力、つまり、いつ行ってもメシが食えるという点だろう。 食いっぱぐれて腹ペコのときも、ちょっと小腹が減ったときも、安上がりに飲みたいときも、安心して足を運べるのがよろしいね。 粕汁250円 何人かいる店のおばちゃんが愛想よく注文を聞きに来てくれるのも嬉しい。 (2015.1.14) |
||
このページの頭/激渋食堂メモのトップ | ||
凡
神戸でいちばんレトロな文化遺産的銭湯・浜添湯の裏手、朝鮮初級学校の並びをブラブラ歩いてたら、ふとこの店を見つけた。 地味というか、飾り気がないというか、そっけないというか、じつにシンプルな外観。でも小さな黒板に「サービス定食」が手書きされているのに心臓がピクン!ときちゃう。 こういうのに弱いのよね~ 入ると、カウンターのみ12~13席、入口におかずケース、冷蔵ケースあり。70くらいの真面目そうなご夫婦でやっておられる。 まだ11時半ごろやのに、近所のゴム工場の工員さんらが早くも2~3人来てメシを食っている。昼休みをずらしてんのかな? 壁のメニューは、うどん類300~500円、丼物400~600円、定食類550円~いちばん高い焼肉定食で800円。じつに喜ばしいお値段だ。 表の看板にあったサービス定食580円、ごはん小で550円を注文。 この日のメインおかずは天ぷらで、それを目の前でおやじさんがジュワジュワと揚げてくれるのだが、それがなんと6品(えび、カラシ蓮根、ちーちく、カボチャ、じゃがいも、いかリング)も出てきた。海老プリプリ。カボチャも厚い。 そこに小鉢(切り干しor小松菜おひたし)、漬物、めし、味噌汁がついてくる。 サービス定食550円 いや~揚げたての天ぷらがとにかくウマイ。目の前で次々に揚げられるのを見てるのも楽しいし、この値段で考えたら非常によいぞ! 近所の工員さんらもどんどんやって来て静かに食ってる。 夜はサービス定食はないそうだが、安く飲み食いできるのは間違いないだろう。 この店は検索しても一切出てこない。穴場の小さな名店だ。(2016年4月) |
||
このページの頭/激渋食堂メモのトップ | ||
天よし ★ (閉店)
駅でいうと神鉄の丸山が最寄りではあるけど、キツイ坂道だらけなので神戸駅から市バスがおすすめ。丸山バス停で下りて少し先、急坂の途中に年季の入ったお店が見えてくる。 (左)逆方向から見たところ (右)こんなところにこんな店が! まず、外観に惹かれる。そして出窓状に突出した部分に盛られている天ぷらたちに惹かれる。これは素通りできまいて。 木戸を開けて入るや、断層のようなタイムスリップ現象に見舞われる。 (左)天ぷらの出窓を内側から (右)低いカウンターの調理場とおやじさん (左)いぶし銀 (右)床コレモン。カウンター中央が切れて出入口になっている (左)客席では猫が気持ちよさそ~に寝ている (右)客が来たのでこっちへ移動させられた 60代くらいの夫婦で営まれているようだ。 壁のメニューを見ると、うどん・そば300~500円台、丼物は一番高い上天丼でも630円。そしてひときわ大きく「天ぷら定食530円」と書かれている。 天よしというぐらいだから、それだろう。天ぷら定食と、同行者は天ぷらそばを注文した。 (左)天ぷら定食530円 (右)この豊かなる漬物ナイス! 天ぷら定食の天ぷらは、いんげんと川津えびとキス。すでに揚げてあったのをポンポンと皿に乗せるパターンだが、530円は安いなー。味噌汁がついてないからだとおやじは言うが、天つゆには大根おろしたっぷりだし、漬物は瓜やら太いきゅうりやらミョウガやら白菜やらいろいろ。 漬物を絶賛したら、茄子の漬物も出してくれた。 (左)天ぷらそば460円 (右)オマケで出してくれたナスビ漬物 おやじさんの親は花隈にも店を持っていて、この店は昭和29年創業とのこと。 急な坂道の古い店で、おだやかなご夫婦が作る素朴でチープな天ぷら定食をモソモソ食べるひととき。なんと平和なひとときだろう。 クレイジーケンバンドののっさんがこの店が好きで、神戸に来るとよく寄るらしい。 神戸駅前から4または40系統の市バス。“谷底銭湯”として一部銭湯ファンに人気の明泉寺湯に行くときは「大日寺前」で下車するが、そこをやり過ごして2つ先、丸山で下りたら近い。 バス代払ってわざわざ行っても、あとあと余韻に浸れるからオトクともいえる。 (2015年6月) |
||
このページの頭/激渋食堂メモのトップ | ||
松月
山電月見山から4分、JR須磨海浜公園から6分というところ。そっけない幹線通り沿いに黄色いテントの張り出しが目立つ。 外に書かれているメニューはいたって普通の丼物+うどん定食もの。ホワイトボードが出ているが何も書かれていない。たぶん「今日の日替り」か何かが書かれていたけど、もう終わってしまったのだろう。 入ると、小ぢんまりとしたスペースにテーブルがいくつかあるが、午後のランチタイム後のけだるい時間帯のためか、客か店の人か判然としないようなおばちゃんとおっちゃんが3人ほど客席で雑談しているのみ。 (左)ホワイトドード真っ白 (右)ここも… 正面の厨房窓口の上にメニューが書かれている。うどん・丼物500~600円、定食もの700~800円でとくに変哲なく、そう安いわけでもない。 ここにも真ん中にホワイトボードがあるが、やはり真っ白。全部終わったのね。 もう少し早い時間帯なら、このカウンター上にオカズ類が並んでいたのかもしれん。 壁メニューから豚生姜焼き定食800円を注文した。 豚生姜焼き定食800円 しゃべってたおばちゃんのうち一人が厨房に入って、生姜焼きをじゅんじゅん炒め始めると、店内にいい香りが漂う。 うむ、フツーの生姜焼きだが、ヒジキもついてなかなかよいではないか。みそ汁の豆腐もしっかり入っとるぞ。あーおいち。 ま、今度はもーちょい早い時間に来よう。(2015年1月) |
||
このページの頭/激渋食堂メモのトップ | ||
しろちゃん
山陽電車の塩屋駅改札の真ん前。JRやと山側に出て左へ20mほど。知る人ぞ知る西の名店、しろちゃんだ。 店内は手前にテーブル5つほどと、奥にカウンター。クラシカルな食堂風情よし。 多彩な定番メニューに、お好み焼き、一品もの、おかずケース、そして関東煮グツグツ…どれもこれも安いしボリューム満点やわぁ~。 店の人も丁寧で感じエエし。言うことないやん。 (左)手前テーブル、右におかずケース、奥にカウンター (右)店内の壁のメニュー (左)14時までサービスタイムでハンバーグ定食など550円! (右)豚汁200円 だいたい大衆食堂って、サッと食べてサッと出ていく感じがあるけど、ここは居心地がいいので、けっこう長居する客が多いな~。夜はほぼ居酒屋やね。カウンターでグズグズ飲み食いしながらグズグズしてまうがな。 塩屋は六甲山が海に没する場所ということで、週末の夜は山から下りてきた人たちや釣り帰りの人らでも賑わう。 山電の改札ド真ん前 (2015年2月) |
||
このページの頭/激渋食堂メモのトップ | ||
高丸食堂
舞子の高台は駅もないのに忽然と商業地が現れたりする不思議なところ。その道路沿いにポツンと古い食堂がある。 看板は肝心の屋号がとれてしもてるし、残る「食堂」の堂の字も傾いたまんま。 店内も予想通りの天然まんま系。だがここには独特のオーラが漂っている。 (左)2部屋をつなげたような間取り (右)緑の床にテーブルいくつか 薄暗く幻想的な雰囲気だ。そして緑の床が深い森を思わせる。 天井の蛍光灯は壊れたカバーがアルミホイルで代替補修され、そのアバウトさが見た目大変なことになっている。だがそれが結果的に間接照明効果をもたらし、さらに補助的に灯されたライトが店内のムードをより盛り上げている。 むろん意図されたものではないだろう。 (左)天井の蛍光灯、いったい何があったのか (右)死角の闇を照らす補助ライト 緑の床にはテーブルがいくつか置かれている。手前にひとつ、奥に二つか三つ。手前のテーブルには先客のおばさんが座っているので、奥の窓際席に座る。 窓の外は竹が生い茂っていて、その木漏れ日がさらに幻想に拍車をかける。涼しい風が吹き込んで心地よい。 そしてこの店の主のおばあさんがニッコリと迎えてくれる。 もはやグリム童話の世界である。 壁メニューを見ると、うどん・そば・丼物が200~400円。いちばん高い親子丼や肉丼が400円だ。ビール大瓶500円を除くすべてのメニューが400円以下とは! 台所の手前に、おかずケースがある。そこから玉子焼きを選んでチンしてもらい、めし小(80円!)と味噌汁(100円)をもらう。めしは大120、中100、小80円。過去最安値かもしれない。 この日の同行者は玉子とじうどん350円を注文。 (左)これで300円! (右)玉子とじうどん350円 おばあさんの作る料理はまさに家庭料理、いい意味で普通の味だ。 めしは小80円でも十分な量があった。味噌汁100円には豆腐や揚げやワカメ玉ねぎ、そして天かすが入って具だくさん。 料理を作り終えたおばあさんは、手前のテーブル席に座り込み、先客のおばさんと俗世間の話に夢中になっていた。おばあさんは客のおばさん以上の勢いでしゃべり続け、話が全然終わらない。 食べ終えてお勘定をしてもらうと、全部で650円だった。ということは玉子焼き120円の計算になる。 衝撃的な安さに打ちのめされながら、いろんな意味でキツネにつままれたような気分で店を出る、おとぎの国の物語であった。 (2015年5月) |
||
このページの頭/激渋食堂メモのトップ | ||
たからや
最寄駅は西明石、といっても2km近くあるかも。こんなとこまで歩いてくるやつはおらん。最寄りのバス停は神姫バスの「吉田」だが、ちょい離れてるし、わざわざバスに乗って来るやつもおらん。 ようは国道175沿いのロードサイド店。しかも隣はパチンコ屋、反対側は新幹線の高架というウルサイところ。 こういうった郊外の車でしか来れない店は基本除外してるのだが、この店は昔ながらの大衆食堂のよさを色濃く残してるので紹介しとこっと。 よき風景 外観はドギツく目立つ黄色だが、中はイニシエ色がええ具合に染みとるで。 入るとおかずケース、そして簡素なテーブルが並ぶ。 壁のメニューは麺類、丼物、洋食、ことごとく安い。300円台から500円ちょっと超える程度。 土地柄「かつめし」があり、かつ丼・カツカレーライスとともに730円と一番高い。 日替わり定食650円、ビール大瓶500円。 客はガテン系のお兄ちゃんから、家族連れ、若いお姉さん等、幅広い。 広い厨房でどんどん料理が作られ、おねえさんがせっせと運んでくる美しい光景だ。 めし小160円、味噌汁100円。これやね。汁は5種類くらいあるぞ。 おかずケースが充実してるので、もうこのさいどんどん取ってやれ。良心的な値段で安心や。お腹もいっぱいや。 安上がりな幸福の絶頂 あー、これがそのへんの駅の近くにあったらメッチャ通うなぁ~。(2016年8月) |
||
このページの頭/激渋食堂メモのトップ |