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| 沖縄本島・本部半島の西端にある海洋博記念公園は、世界一の「美ら海(ちゅらうみ)水族館」やエメラルドビーチなどがある楽しいところ。 だがそこを訪れた人の脳裏には、思いがけずこの風景が印象的に刻まれるに違いない。 エメラルドビーチより海洋博公園の真正面に見えるあの島、あの山はなんだろう・・・。ぺったんこの島の中央にチョビっと突き出た、まるで鍋のフタの持つところみたい。 あれは伊江島だ。山は沖縄本島では「伊江島タッチュー」、伊江島では「城山(ぐすくやま)」と呼ばれているらしい。沖縄の聖地「御嶽(うたき)」の一つであるという。 しかも、じつはこの山は普通の山ではない。 古い岩盤が新らしい岩盤に潜りこむとき、その一部がまるで逆ムケするように剥がれて新しい岩盤の上に乗る「オフスクレープ現象」というものが起こり得るという。これは地学上の机上の理論として語られていたそうだが、それが世界で唯一、実際に観察できるのがこの城山なんだと。 ふしぎ山ファンとして、これに登らずにいられようか。 伊江島へは本部港からフェリーに乗り、ラピスラズリ色の海を渡ること30分で到着する。 フェリーから見た城山島に着くと、どこからでもこの山が見える。見る角度によって形は微妙に変わる。 ![]() (左)南西から (右)南東から 山というか、まさにサカムケて立ち上がった岩盤である。そう思うとなにかちょっと痛々しくもある。 港から北へ1.5km、村役場の裏手の道路を登ってゆくと中腹に駐車場と土産物屋があり、そこが登山口になっている。 ![]() (左)登山口の少し下から見上げる (右)登山口の駐車場から 登山道はすべて段差の高いコンクリ階段になっている。最初は少し樹林を歩くが、すぐに見晴らしがよくなってくる。 ![]() (左)途中にある岩の割れ目は祈祷所みたいになっている (右)やがて木がなくなる 10分ほどであっけなく頂上に到達する。登っているときはほとんど無風だったが、ここだけかなり強い風が吹いている。 そして、ここからの眺めといったら・・・。とにかくこれまでの人生では見たことのない風景で、感動のあまり胸が熱くなる。 楕円形の伊江島は、この飛び出した山以外は全部ぺったんこで、しかもその周囲もぺったんこの海がどこまでも広がっている。今、僕が立っている場所以外は、全部見事に360度ペッタンコ。しかも急傾斜のため、山自体の姿がここからは見えない。 まるでハシゴで空中に立っているみたいな、なんとも不思議な感覚だ。 ![]() (左)頂上は5〜6人くらいが滞在できる広さ (右)南東を見る。海の向こうは沖縄本島 ![]() (左)伊江村の中心部を見下ろす (右)西のほうは、はてしなく東シナ海 見飽きない景色に後ろ髪を引かれながらも山を下りる。 登山口の横には御嶽の神殿があり、二人の女性が正座して熱心に何事かを拝んでいた。 ![]() 神社の鳥居があるが神道とはまったく関係なさそう 山としてはとても低く、すべて階段で登りごたえもないが、ともかく頂上からの眺めは他で経験したことのないものだ。いつまでも余韻の残る、すばらしい山だった。 (05.7.29) |
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