(今回はデジカメ故障につきすべてケータイ写真です) |
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なんやねんこのJR山田線っちゅーのは。本数が少なすぎて、せっかくの乗り放題切符も使えやしない。 仕方がないので朝7時半、宮古駅前から盛岡行きのバスに乗った。 閉伊川という美しい川に沿う国道を1時間以上も山奥へと走るうち、バスは北上川水系との分水嶺付近に到達する。このあたりは区境(くさかい)高原と呼ばれていて、広々した風景が広がっているが・・・おっとぉ、右前方に否応なくターゲット発見! 高原のユルーイ斜面の上に、ちょびっとだけピュンってとんがったものが立っとるぞ。ははは、これは目立つわ。 午前9時、区境バス停で下車。正面に道の駅があり、その後ろに登山コースを示す看板が立っているので、それに従って歩き出した。 目の前に目指す兜明神岳が鎮座している。なんといってもそのユルイ傾斜と、頂上部だけピュンと立ち上がった姿が愛らしい。あそこ、どうしたってキュっとつまんでやりたくなるよねぇ。ならんか? (左)なんとなく世界の中心点を感じる (右)拡大、てっぺんは傾斜のある岩場になっているらしい 青空広がる秋の高原を、さわやかな風が渡ってゆく。ああもう俺、いい人に生まれ変わっちゃうよ。 口笛吹き吹き、山に向かって畑の中を歩いていると、数分で「区境高原ウォーキングセンター」という立派なレクリエーション基地に出た。兜明神岳はここでの「ウォーキング」のメインに位置づけられているようだ。ということは今回は道標完備の楽ちんハイキング、いやウォーキングね。 道はそこから森に入る。美しいなぁ。関西の照葉樹林とは根本的に異なる清々しさ。 (左)カラマツ、かな? (右)ミズナラやシラカバの森の中、よく整備された登山道 (左)登るにつれダケカンバが増える。気分ますます爽快 (右)切り開かれたところへ出た スキー場跡のような切り開きを抜けて再び森へ入る。と、しばらくしてまた広々とした大きな広場に出た。山小屋や炊事場のような施設がある。道の駅から40分くらい。 山小屋を見に行ってフト振り返ると、森の向こうに兜明神岳の山頂部岩塔がひょっこり見えた。 広場から再び森に入り、じくじくしたところを過ぎると、いよいよ岩が現れ始める。 (左)山小屋の前から見えた山頂部 (右)森の中に現れた岩場 (左)森はここで終わり (右)これまでと一転して、ガチガチの岩場になった ここが「ちょっとだけピュン」の山頂岩場部分だな。 岩はしっかりしていてホールドがたくさんある。登りやすそうなところを適当によじ登ってゆくと、岩場の中ほどに祠が一つあり、さらに頂上にも祠が見えた。 (左)岩場を見上げたところ (右)あそこが頂上だ! 岩場に取り付いてわずか1〜2分で頂上に着いた。ただし高所恐怖症の人にはちょっとキビシイかも。山小屋の広場からも10分足らずだった。 山頂の岩はデコボコで足場が悪く、風もあるし周囲が切れ落ちているしで、怖くて立ち上がれない。滞在は2人が限度だろう。 だが麓からの予想通り、360度のパーフェクトパノラマが全視界を埋め尽くす。 (左)山頂の祠から西を見ると・・・遠くの山は? (右)拡大、岩手山だ! 初めて見たぞ (左)登ってきた区境高原方面 (右)東には北上山地の最高峰、早池峰山がゆったりと横たわる (左)北にはまーるい岩神山 (右)登ってきた斜面を見下ろす ちょっとだけピュン、の岩場部分を包み込む周囲の天然林の美しさがたまらない。紅葉にはまだ少し早いが、半月後くらいにはもうどうしようもなく美しくなるのだろう。 岩にもたれて、周囲の景色を眺めながらパンを食ってコーヒーを飲んだ。これ以上の幸福なんて、さしあたって思いつかないな。 30分ほどくつろいで、頂上をあとにした。 岩場を降りる途中、振り返ったらフシギな雲が出ていた 下りは道を変えて、真北の兜神社方面へ。森の中をどんどん下って、30分ほどで神社に着いた。兜明神岳がご神体なのだろうが、まあ何の変哲もない神社だ。 神社のすぐ先は国道だが、国道を歩くのは嫌なので、その手前の小さな川のほとりを歩いて道の駅まで戻った。 兜神社の鳥居から山を振り返る 簡単すぎて登り応え的にはちょっと物足りないが、森の美しさと高原ののびのび感、そしてプチスリルの岩場と最高の展望をお手軽に楽しめる点ではかなりなスグレモノだ。 デートに使えるフシギ山として幅広く推薦したい。 (05.12.11) |
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