| メ シ つ き 文 化 遺 産 | ||
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| 三重県の渋~い大衆食堂 | ||
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| 大森屋本店 ★
日本三大観音の一つ、津観音。その門前に広がる大門地区に、ひときわ歴史を感じさせる食堂がある。 大森屋は津市内にほかにも何店か見かける。支店なのか暖簾分けなのか知らねども、ここがその総本山であろうことは貫禄からして間違いないだろう。 外観もイニシエなら、広々した店内も古き良き昭和の風情。古い店だが重々しさはなく、誰もが気軽に入れる雰囲気がある。 テーブル9つくらいに小上がりもありお昼は、うどん類(400~600円)、丼物(600~800円)、洋食(500~800円)、定食もの(800~1000円)、その他一品ものがいろいろあるが、夜は中華そば(700円)類だけになる。だけになってからが長くて深夜0時まで。 中華そばは食堂系の清湯スープではなく、わりと本格的な濁ったやつ。コクがあってうんまいわ~。 ![]() (左)日替り定食800円、玉子丼とミニラーメンと小鉢 (右)かっこいい看板 津を代表する文化遺産的大衆食堂、値段がややお高めやけど拝観料込みと考えとこか。 (2013年10月) |
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あさひ食堂
近鉄四日市駅前、一番街商店街の入口手前にある真新しいビル1階に入っている。 チェーン居酒屋の「庄や」と並んでいて、閉店時の外観に渋さは微塵もない。だがシャッターが開いて暖簾が下げられるや、とたんにええ感じの大衆食堂が現れる。 威勢のよい30代くらいの女性店員が注文を聞きに来る。おかずケースから鯖煮を選んでチンしてもらい、壁のメニューを見たら…おや? めずらしや、「麦めし」がある! でも250円か・・・とりあえず小で。 ![]() (左)新しく明るいけど雰囲気はモロに昔ながら (右)さば煮、たぶん350円 ![]() (左)豚汁200円、赤だし! (右)麦めし小、たぶん200円 定食ものは780円~、カレーやオムライスは600~700円、丼物は750円~、白めし(中)250円、と微妙に高めか・・・でも魚を中心に一品ものが充実しているのが嬉しい。 ほとんどの客は開店直後から飲んでいる。 俺は麦めし小、さば煮、豚汁で750円。 大衆食堂として安いほうではないが、便利な駅前だし昼飲みにもよし。くだけた雰囲気も悪くない。 (2015年1月) |
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| いまり
昼下がりの松阪。駅から北へ少し歩くと、道路の角に素朴な食堂があって、白い暖簾が風にはためいている。 玄関先のブラックボードを見ると、「今日の日替り、わかさぎ天ぷら650円」…食っていくか。 白い暖簾が清々しい中に入ると相客おらず、テーブル3つにカウンター3席のこぢんまりとしたスペース。そこに、白い割烹着のふくよかなお母さんがいる。 壁メニューを見ると、麺類は600~700円台とお高めだが、定食ものは700~750円と一般的。ほかに1品もの400~800円や刺身もあって、居酒屋づかいもできる。 かつ煮定食900円も気になったけど、表に書いてあった日替定食り「わかさぎのてんぷら」650円を注文。 さっそくパチパチと油のはぜるいい音が聞こえてきた。 定食の小鉢は5種類から選べる。里芋煮を選んだら6~7個たっぷり。赤だしの豚汁もうまし。 ワカサギ天にはニンジンとゴボウのかき揚げもついてるやん。 ![]() (左)店内 (右)日替り650円 帰りがけに常連らしきおばさんが来て、ビールを飲みはじめた。あー、いいねビール! お昼時さえ外せば、ゆっくり飲み食いしながらのんびりとくつろげるお店なのね。 (2015年1月) |
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ちとせ ★
宇治山田駅から徒歩5分。 「おかげ横丁あたりで伊勢うどんにガッカリした人は、ぜひここで食べてみてほしい」と三重県人が強力にプッシュする店だ。 ![]() (左)なんといっても伊勢うどん (右)レトロムードで静かな店内 物腰の柔らかなおばあさんがお客に対応し、奥の厨房で息子さんが料理する。伊勢うどんが名物で、かけ500円をはじめ8種類以上ある。 だがそれ以外にも、普通のうどん・そばや丼物、カレーライスにオムライス、トンカツ定食、焼肉、ラーメンまで幅広い。いちばん高い「めしエビフライ」で850円。 伊勢うどんを目当てに閉店間際の時間に行くと、他に男の一人客が2人いて、それぞれトンカツ定食や野菜炒めを食っている。 地元民たちは普通に食堂づかいをしているようだ。 で俺の頼んだ、玉子入りの伊勢うどん。 玉子入り伊勢うどん550円、極上の逸品これがもう、うまいの何のってアンタ……世の中にこんなに優しい食い物があってよいのでしょうか。 真っ黒な出汁も全部飲み干して、えもいわれぬ幸福感でいっぱいになった。 おばあさんと馴染み客との、ゆっくりとした会話もよい。 いつしか閉店時間をだいぶ過ぎてしまっていたが、嫌な顔ひとつせずニコヤカに見送ってくださった母と息子。伊勢うどんのように心までふんわりする、伊勢の至宝と呼ぶべき名店だ。 (2015年1月) |
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| いすず
近鉄の宮町駅が近いが、伊勢市駅からテクテク歩いてたら踏切の真横に現れた。 中に入ると、キッチンをカウンターが囲むラーメン店的スタイル。 そして、普通ならテーブルがありそうな場所に、おそらくは順番待ち用の長椅子が置かれ、その背後にはなぜかポリケースが並んで金魚飼育中だ。 くつろぎのスペースといえなくもないメニューを見ると、焼ぎょうざ450円に始まって、焼きそば550円、野菜炒め400円など、中華系っぽいけど品数は多くない。めしは小でも200円。 でも特筆すべきは「ランチメニュー」だろう。ランチとは言いながらも「お昼時間以外でもお召し上がりいただけます」とある。おもに「もも唐揚げ定食」「野菜炒め定食」「ラーメンセット」、すべてワンコイン500円。 単品500円のもも唐揚げが、ランチならめしとスープがついても500円。ほな、めし小200円の立場はどないなるねんと言いたくなるが、ともかくランチがお得だ。 から揚げはボリュームたっぷり、7個ぐらいついとるで。そしてジューシーでうまい。キャベツにマヨネーズとドレッシングもかけ放題だ。 ![]() (左)もも唐揚げ定食500円! (右)さあかけまくれ! メニューでもうひとつ気になるのは「いすずのラーメントリオ」。 ラーメン400円、中華そば550円、五目ラーメン550円の三つが書いてある。ラーメンより中華そばのほうが高いのは珍しい。 中華そばの下に「昔からのいすずの定番」とあるので、同行者はそれを注文。やってきたのは、しょうゆ味ラーメンに肉野菜炒めが豪快に乗った一品だった。 一般的な中華そばに非ず夜遅くまでやっておられるので、晩飯を食いっぱぐれて夜中に腹減ったとき重宝しそうな店ね。 (2015年8月) |
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ことぶき食堂
尾鷲駅を出て駅前ロータリーで左を向いたらそこにある食堂。一等地だが若干あやしげなケハイを漂わせている。 ![]() (左)駅から10秒 (右)汚れた椅子に置かれたホワイトボード ホワイトボードでは値段をグルグルっと黒く塗って書き直されている。指でチョイっとやれば消えるのに。「カーレライス」は書き直さなくてもいいのだろうか。 そして玄関先のビニールで覆われたサボテンの後ろに、真っ白な野球選手がいる。横の板に「別当薫監督銅像」と書かれているが、どう見ても銅像ではない。 どこから持ってきたのだろうか店内に入ってすぐ左に大きな観葉植物があるが、それにやった水が溢れて床に溜まっている。 ひょうひょうと真面目な、60代後半くらいのおやじさんが迎えてくれる。 テーブルは手前に4人掛け、奥に6~8人掛けがあるが、大きいほうは置かれているモノが多くて実質2~4人掛け。 奥の戸棚付近もなにやらゴチャゴチャとモノ多し。そして冷蔵庫の汚れが若干目立つ。元が白いだけに。 ![]() (左)4人がけテーブルと床の水 (右)モノ多し メニューはそこらの壁に貼られている。値段は標準的だが、品数は豊富だ。 ![]() (左)金魚もたっぷり (右)からあげドカーン この店の特長は、なんといっても量の多さだろう。 以前イカ唐揚げ(単品)650円を頼んだときは、見たこともないほどテンコ盛りのイカ唐揚げが大皿に載ってきて、それをソロリソロリと運んでくるおやじさんの姿に笑いが止まらなかった。とうてい食える量ではなく半分残した。 今回は鶏カラアゲ(単品)650円を頼んだが、ゲソ天ほどではないにせよ相当な量があった。幸いビール1本でなんとか食えた。 ご飯ものもきっとエゲツない山盛りのような気がする。だからよう頼まん。 でもコスパの点では優れていることは間違いない。何人かでシェアしたらめっちゃオトクに楽しめるだろう。ビール大瓶620円だけがチト残念だ。 (2015年3月) |
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