| メ シ つ き 文 化 遺 産 | ||
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| 沖縄県の渋~い大衆食堂 | ||
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| 大衆食堂むつみ (閉店)
国際通りから、沖映通りの一つ東の筋を北へ入ると見えてくる。すぐ近くに「りっかりっか湯」というスーパー銭湯あり。 便利なところにあるので、地元常連だけでなく観光客も多いようだ。 ![]() (左)最小文字数で最大効果の看板 (右)奥の2テーブル方面 入口付近に4テーブル、厨房脇スペースに2テーブル、計6テーブルがL字状に配置された小さな店。おやじさんとおばちゃんが料理を作り、それとは別にお運びのおばあさんとおばちゃんがいる。創業1958年ちゅー話。 よく流行っとるな~。狭いけど風格を感じる。 メニューを見ると、定食ものがじつによくできている。ほぼ700~750円で、メイン料理に刺身とめしと味噌汁がついてくる。 でも、ガッツリめし食うより、湯上りだったので、生ビール420円のアテとして食べたい気分。聞けば「単品もできる」とのことで、フーイリチー(750円)の単品、煮付け(700円)の単品を頼んだ。単品は100円引と思われる。 ![]() (左)フーイリチー、素晴らしきビジュアル (右)ザ・煮つけ フーイリチーはイリチーの上に焼き鯖を揚げたのがデンと乗っている。見た瞬間、「ブラボー!」と快哉を上げたくなる。 煮付けには三枚肉が4枚、カマボコ、厚揚げ、コンブ、にんじんなど。いずれもボリュームたっぷり。 イナムルチ750円という謎のメニューが気になって、これも単品で頼んでみた。イナ=猪、ムルチ=もどき、ということで、白味噌と豚の中身の汁だった。他に、しいたけ、カマボコ、こんにゃく、大根などが入っている。非常にコクがあってうまい。 これがイナムルチだっ!他の客たちの食っているものもみなうまそうだ。シャブシャブのカレーライスを何人かが食べているぞ、うまいに違いない。隣の韓国人家族はトンカツやカツドン。ほほう、ちゃんぽんは麺ではなく皿盛りのご飯にかかっているな。冬季限定のすきやきも平たい皿で出てくるんやな。 奥が深そう。通って全メニューを試したくなる名食堂だ。 (2016年1月) |
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| 大福
朝からなんも食わんと飛行機に乗って沖縄に着いた。モノレールを美栄橋で下りて国際通りのほうへ歩いていくと、右側の赤瓦の2階建てを小さな店3軒で分け合っている。 手前の黄色いテントは沖縄そばの店。真ん中の赤いテントは日本うどん・そばの店。 沖縄そばの店を覗くと、入口から3段ほど下がった薄暗いフロアーで、おばあが一人でひまそうに座っている。 せっかくの沖縄、そらこっちでしょう。 ![]() (左)メニューが半透明の板に書かれている (右)カウンターのみ 入ると狭くて奥に長く、カウンターに丸いすが5つ6つあるだけの狭い店。後ろにセルフの冷水器がある。 外に「沖縄そば専門」とあったが、壁のメニュー短冊を見るとチャンプルーなど一般的な沖縄メニューがいろいろある。 看板の沖縄そば500円。とりあえずいっとこか。 ![]() (左)まわり灯篭的なメニュー短冊 (右)沖縄そば500円 おばあは足が悪いのか、よちよち歩きながら沖縄そばを作ってくれた。 3枚肉1枚とカマボコ2枚が載っている。 食べながらおばあに聞くところによると、この店は交代勤務で無休、元旦も開けていたらしい。 場所柄、観光客も多いようで、おばあは気さくに話しかけてくるが、観光客ずれしたような感じがないのが沖縄おばあの魅力だ。 「働きすぎなんちゃいます?」 「大晦日は年越しそばのかきいれどきさー」 「足つらそうやね」 「膝間接が変形して手術したんさー」 「人工関節を入れたん?」 「そーそー。歩けるようになるかね?」 「うん。俺の親せきもそれで歩けるようになって長生きしよったよ」 中から外を見る。歩道より低いそれにしても沖縄、正月やのに暑い! 熱いそば食って汗びっしょり。 沖縄そば自体はまあ何がどうということもない普通の味だが、着いたばかりでさっそくこんなディープな店でおばあと語り合えるあたりが沖縄だ。 「こっちに何日おるの?」 「5日ほど」 「ゆっくり癒されていくといいさー」 また寄らせてもらいます。それまでにおばあの足が回復して、もっとラクに働けてますように。 (2016年1月) |
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メモリー ★ (閉店)
那覇ではこのエリアがいちばんグッとくるやん農連市場。でもすでに再開発が始まっていて、昔の沖縄を感じられる最後の砦が消えようとしているらしい。 市場本体の目の前にあるこの食堂も、このままでいられるか…無理やろなー。 ![]() (左)ラピュタがハウルっております… (右)その真ん中、仏壇屋の隣のオレンジライン この一角の激渋っぷりがただごとではない。そのただ中にあるこの食堂もヨソモノの侵入を拒むかのようなオーラを漂わせているが、いざ入ってみると、L 字カウンター5~6席と小上がり2卓の居心地の良い食堂空間。 キャップをかぶった60代のご主人と、その友人だという明るいパート女性とでやっている。 ![]() (左)ディープだが開放的 (右)わりときれいで快適 壁に多くのメニューが貼られている。定食ほとんど500~550円で嬉しくなる。沖縄定番メニュー以外にも焼肉定食やカレーライス、オムライス、うどんなどもある。 とりあえずビール大瓶500円を頼んだら、アテに「沖縄の正月用カマボコ」を出してくれた。 「琉球泡盛」のグラスでオリオンパパイヤ炒め500円を頼む。沖縄では料理名だけ書かれていても、必ずめしと味噌汁がついて定食になってくる。パパイヤは黄色くならない野菜パパイヤで、しりしりして、コンビーフと豆腐で炒めてある。ほのかに甘味があってうまいやん~。 パパイヤは年中実るらしい。「どの家にも1本生えてる」そうな。 たっぷりパパイヤはじめ相客がいなかったが、そのうちパート女性の娘一家4人が初詣帰りに飯を食いにやって来た。パート女性はそのミヤゲのタンカンとクガニみかんを俺にも分けてくれた。 さらにそのあと東京弁の観光客の家族3人も来て賑やかになった。話を聞いてると、けっこう沖縄通っぽい。そら、こんな店(失礼!)に子ども連れて来るんやからね。 この日は1月2日だった。「正月早々、市場も休んでるのに開けてるんですね」と言うと、元旦から開けてるそうだ。パート女性がこうおっしゃる。 「以前は休んでたけど、私が来るようになって、ちょうどいい運動にもなるからやりましょう、って言ってやってるのよ。正月は休んでる店が多いからお客さんも来るしね」 おやじさんは黙って微笑んでいる。いい人がパートに来てくれましたな~。 カマボコやタンカンをもらったからというわけでは…いやそれもあるが、見た目に寄らず古き良き沖縄のピースフル・イージーフィーリングに満ちたナイス食堂だった。 名前の通り、俺の良きメモリーとなった。次回も必ず再訪したい。できれば再開発から逃れて、このままでいてほしい。 (2016年1月) |
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のりちゃん ★ (閉店)
上の「メモリー」の斜め向かいに、これまた気になる・・・建物全体が崩壊しかかったようにも見える板張り2階建て、大部分は閉まっているけど、これも市場の一部なのか? そのはじっこのスミッコに、「お食事処 のりちゃん」という小さな看板が出ている。 メモリーでメシを食った日は閉まっていたが、翌朝に来てみたら暖簾がかかり、前に小さなテーブルセットが出て、おやじが一人座っている。 ![]() (左)野菜トラックの左、おやじの背中が見える (右)絵が気になる! どっから入ればよいのか。座っているおやじに「入れますか」と聞くと、サッと立ってどっかへ行った。店の人でも客でもなさそうだ。 戸に「あひる汁あります」と書かれている。なんやねんそれ。 開いていた左の戸から覗いて「いけます?」と聞くと、はいどうぞと右の戸が開いた。中で一人、40歳くらいの男性が何かを食べているが…せ、狭い! カウンター席だけで、丸いすが4つあるけど3人で限界サイズ。背中と壁もキツキツ。これまでに入った店で一番狭いかもしれん。 ![]() (左)店の全貌…どっかの台所 (右)冷蔵庫は外に置かれている 薄べったい厨房に中年女性が二人いる。一人は手伝いっぽい。 メニューは見当たらない。仕方がないので、表に書いてあった「あひる汁」を注文した。 テーブルにシロップのような物の瓶があるので隣の客に聞いたら、アイスコーヒーまたはアイスティーが無料サービスで、それに入れるシロップだという。 「ほなアイスコーヒーください」と言うと、おばちゃんが屋外の冷蔵庫からボトルを出して入れてくれた。 待つことしばし、あひる汁がやってきた。沖縄の汁物はみなドンブリに山盛りだ。それにキハダか何かの刺身とマカロニサラダ、漬け物、ごはんがついて1000円とのこと。 なにしろ初めてやからこれが高いんか安いんかわからんが、沖縄そばも同様に刺身とマカロニサラダ、漬け物、ごはんがついてナント400円。やっすい店や~。 アヒル汁1000円あひるがすごく淡泊! 鶏肉に似てるのかと思ったが全然違う。やわらかくてホロホロに煮込まれていて、脂っぽさ、ジューシーさはない。骨も入ってるぞ、ていうかアヒルのいろんなとこの肉がごっちゃ煮だ。 さらに大根やコンブ、わかめ、何かの菜っぱなどがたっぷり入っている。 「普通はフーチバーとか石垣島の長命草を入れるけど、市場が休みなので野菜は適当に入れた」とおばちゃんが言う。 あひるは朝に絞めてもらうそうだ。沖縄では肺やぜんそくに効果があると言われる薬膳で、喘息の人が買いに来るらしい。知らなんだな~。 横で食っていた人は八百屋さんで、野菜を持ってきたついでに飯を食っていたようだ。食い終わったけど手前の俺が邪魔で出られない。外へよけようかと腰を浮かす間もなく、男はカウンター内の厨房を通って外へ出ていった。 そのあと、今度は逆に外から厨房を通って奥の席に別の客がきた。スーツのおじさんだった。「今日は○○があるよ」と言われ、ヘチマか何かを注文している。 うーむ。ここでは当たり前のような風景なんだろうが、新喜劇かなんかを見ているようだ。 おばちゃんは娘が横浜にいるという。神戸空港から沖縄へ帰ったこともあるらしい。 食べ終わって外に出たら、台の上に野菜が乗っていた。最初の客のにいちゃんが持ってきた野菜なのだろう。 食材も外にしかし市場も休みの正月にみんなここで何をしとるのだ。俺もやけど。 来たるべき農連市場の再開発で、この建物はどう考えても取り壊される運命にあるだろう。なんとも残念・・・頼む、まともなお店にならないで。 (2016年1月) |
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栄食堂 ★
沖縄唯一の銭湯、中乃湯のすぐ裏にあるミニ食堂。暖簾もなく、表の戸が半分ほど開いているのが営業中の印のようだ。 沖縄のオバー系食堂はたいてい人懐っこくて勢いのあるオバーがやっていることが多い。この食堂もオバーが一人でやっているが、ちょっと疲れた感じのオバーであるのが珍しい。だいぶご高齢で、動きもゆっくり。 狭い空間にテーブル三つほど。狭いけど窓もあって閉息感はなく、古びた白いコンクリ壁もちょっといい感じ。 ![]() (左)椅子も各種あり (右)神棚の位置にペプシなどが祀られている メニューは沖縄そば550円から、ポーク玉子、味噌汁、中身の汁、おかず、中身のおかず、すきやき……など、沖縄大衆食堂の定番メニューが安価に並ぶ。 さらにカレーライス550円、ハンバーグステーキ650円、スペシャルランチ800円といった洋食メニューがあるのがここの特徴だ。亡くなったご主人が米軍キャンプの厨房で働いて、オバーはそれを教わったらしい。 ハンバーグステーキ650円は、最初にコーンスープがけっこうな量で出てきた。スプーンとフォークが紙ナプキンで巻かれている。 次にワンプレートに、ハンバーグ、目玉焼き、ポテサラ、野菜サラダが盛られて出てきた。そして飯はラグビーボール状に整形されている。 ![]() (左)素朴な味のコーンスープ (右)ハンバーグステーキ しかし店の外観からは、こんな料理が出てくるとは思えんな。 ハンバーグは小判型に整形されておらず、肉気が多くアメリカ的な感じといおうか、ジューシーではないが素朴なうまみのある味だった。本土では食べたことのない味わいだ。 オバーはあまり覇気がないが、食べ終わった頃にゆっくりとした歩調でコザのパンフや地図を持ってきてくれた。サービス精神を振り絞っているかのようだ。 「このごろ景気が悪くてお客さんが少ない」とさみしそうにおっしゃる。 ![]() 時間が止まっているぞ・・・ コザの町は全体的に時間が止まったような空気に包まれているが、ここの店内はさらに止まっていた。 なんか妙にあとあと思い出してしまう空間、時間だった。こうして書いている今、猛烈に行きたい。ハンバーグ食いたい。 オバー、必ず再訪しますから元気でいてくださいね! (2016年1月) ※この年の中頃、ご家族によって壁側をカウンターにするなど居酒屋風に改装され、メニューも変更されてハンバーグはなくなりました。2017年1月と12月にも訪れましたが、ハンバーグは残念ながら復活していません。オバーは一人で現役でがんばっておられます。 |
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丸長食堂
コザ十字路の東、うるま市方面へと続く幹線道路(美里大通り)沿いに、茶色い壁と黄色い看板の食堂あり。わりと最近改装されたみたいだが、「馬汁」と赤文字の表示がいやがおうにも目立つ。 そして24時間営業、の表示が頼もしい。 中に入ると券売機式。見慣れぬメニューがいろいろでけっこう迷う。 やたらとオープンな広い厨房で、2~3人のおばちゃんたちが忙しく働いている。 客席はカウンター5~6席、テーブル4~5席、小あがり3~4卓あり。 ビールなどアルコール類は置いておらず、四六時中、食うことだけに特化した骨太食堂だ。 ![]() (左)カウンター (右)テーブルと小上がり 看板メニューの馬汁650円を選んだ。 馬汁は「うまじる」ではなく「ばじる」。どんぶりに馬肉と根菜、青菜などがたっぷり入っている。もちろん、めしと漬け物つき。 さらに驚いたことに、バターらしきものが小皿で出てきた。おばちゃんに聞くと、バターはお好みで飯に乗せてバターライスにせよとのこと。 ![]() (左)バター! (右)たくあん 馬汁馬汁はコンブがたくさん入っており、馬肉もたくさん、塩分若干高めだがウマい! そしてごはんにバターを乗せて、溶かしながら食べる。 後日、沖縄の食べ物の本を見たら、マーガリンライスが沖縄食堂の名物とあった。おや、マーガリンだったのか? でもマーガリンより硬かったし、おばちゃんもバターって言ってたけど…。 調べると、どうやら沖縄で「バター」といえば「ホリデーマーガリン」なる商品を指すらしい。ま、あの値段やし、そんなとこやろな。 お客は店の人と語るでもなく、黙ってガツガツ食って出ていく。年中無休24時間、ハラペコ野郎の強い味方食堂だ。(2016年1月) |
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三角食堂
正月早々、大雨の普天間。基地に挟まれた帯状の町は異常なまでに狭く、普天間宮への初詣客もあって道路は大渋滞、バス全然来ない。 そういうときは食堂で一杯やりながら一休みだ。 びしょ濡れでたどり着いた三角食堂、上の写真ではわかりにくいけど、道路が鋭角に交わるところにあって、文字通り三角形の敷地に建っている。三角の頂点部分にはシンボル的に桜の木が生えている。 でもせっかく来たのに、やってない。と思ったら、やっていた。暖簾も出てないから、覗き込んで見ないとわからへんかった。 ディープな外観だが、中に入ったら意外に広く、しかもこぎれいだ。テーブル3つか4つ、奥に座敷が3卓ほどあった。 メニューがファイル式になっていたり、オリジナルポロシャツ販売などもあって、老舗食堂をウリにイマドキな宣伝を意識しているケハイが伺える。 ![]() (左)古い食堂だが中はボロくない (右)座敷も広い 三角地帯の先っぽの狭い部分が厨房になっている。 小柄な30前後の女性が、厨房との狭くて低い出入り口を行き来している。彼女が注文を聞きにきたが、ものすごく丁寧というか腰の低い人。大丈夫、怒ってないからねっ、と声をかけたくなる。 メニュー帳を開くと、沖縄そば500円、おかず550円、チャンプルー類550円、煮付け600円、中身汁600円など、沖縄大衆食堂の王道メニューが並ぶ。 すべて写真付きで丁寧にユーモア交えて説明されている。常連以外の客も大事にしているようだ。 「とりあえずビールください」と言うと、置いてないと言う。あら~…。 仕方がないのでカレー600円を注文。沖縄式の小麦粉たっぷり黄色いカレーがやってきた。あんまり辛くないけど、これはこれでうまい。 ジスイズ沖縄カレー600円ひどい雨だったが、おじさん客や中高年カップルなどが食べに来ていた。見た目によらず一般食堂として現役度の高いお店だ。 交差点で車が多く、三角形の先端から撮れなかったところで、これを書きつつ三角食堂を検索したら、こんなブログが出てきた。 そういやこの三角人間イラスト、店内でも見かけたな。もしかしてあの腰の低い女性が書いておられるんかも? (2016年1月) |
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平和食堂 ★ (閉店)
コザから石川方面へのバスに乗ってたら、窓からキョーレツな食堂が見えた。 とっさに次のバス停名を頭に刷り込み、翌朝、この食堂へ行くためだけに同じバスに乗った。 上平良川というバス停で下りて、少し戻る。 ![]() (左)あれなのよ! (右)きたきたきた~ 10:50ごろに行くと表の戸が開いていて、すでに客のおやじが小上がりに座り込んで何かを食っている。でも店のおばちゃんに聞いたら11時~とのこと。 入って左が厨房で、かわいらしいアーチの窓口がある。客席は手前の窓側にテレビとテーブル2つ、壁側に小上がり2卓、さらに奥に座敷部屋がある。 ![]() (左)客席から厨房方面 (右)小上がり 店内の要所要所が外壁と同じ水色に塗られているのがキュートだ。 厨房窓の上の壁メニューを見ると、「そば小400円、大450円」のほかは、チャンプルー類からオムライスから牛丼まで全部500円。 「みそ汁500円」、これはドンブリいっぱいの具だくさん味噌汁にめしや漬物がついてくるパターンやな。 そして出ました沖縄激渋食堂名物「おかず500円」、これいっとこう。 しばし待って、おかず登場。上に薄焼き玉子が乗っており、その下に野菜と豆腐とスパムと三枚肉などのイリチャー。めしは茶碗にいっぱい。汁はミニ沖縄そばだった。そばは沖縄そばにしては麺が白くて細目で柔らかい。 例によって、かなりの量だ。 ![]() (左)おかず500円 (右)これは何だろう・・・? テーブル上にフタをした鉢がある。フタをとると、何かの味噌漬けのようなものが山盛りになっている(写真右上)。何だかわからんのでそのままフタをしておいたら、あとから現れたもう一人のオバー(この人が店長か?)が来て、「これアブラ味噌、ごはんにつけて食べて」と言う。スプーンですくって飯に乗せて食うと、もろみのような甘めの味で、かつおの風味が感じられる。味噌にいろんなものを混ぜてあるようだ。 そうこうするうち、おじい客がぽつぽつやってくる。ヨタヨタしたおじいがぶら~っと入ってきたかと思うと、そのまま奥の座敷のへりに腰掛けて、横に置いてあった三線をペコンペコンと爪弾き始めた。 国道沿いの食堂に脈絡なく響く、脱力のペコンペコン・・・。 おじいは2~3分つまびくと、ふいに立ち上がって手前の席につき、「スキヤキ」と注文。 もう平日の午前中から沖縄全開だ。 ![]() (左)オジーが三線をつまびいた座敷 (右)おみやげにもらった 帰るときにオバーが「これ天ぷら食べて」と、自分用の細長いサーターアンダギーみたいなやつを袋から出し、5~6個を小袋に分けてくれた。 これぞ正調沖縄食堂というほかない。見事すぎて朝から泣けてくる。 (2016年1月) |
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| ひがし食堂
名護市街地から少し離れた、東江(あがりえ)中学校の裏手の静かな住宅地にある。名護のシンボル、ひんぷんガジュマルの木から徒歩5分ほど。 三人組の若い女性グループがちょうど出てきたところだった。食堂といいつつ、かき氷の有名店のようだ。沖縄にはこの手の「パーラー食堂」がたまにある。 かくいう俺も氷を食いに来た。正月やのに沖縄は夏日が続いとるからね。本当の夏になったらどないなんのんか。 中はけっこう広々していて、奥に小上がり4~5卓、手前にテーブル席が4つ。小奇麗に改装されてディープさはない。 メニューは一般的な沖縄食堂メニューとかき氷が半々に分かれている。どっちもなかなかの充実ぶりだ。 ![]() (左)普通の食堂 (右)冷やしものメニューが豪快 40代くらいの女性スタッフが注文を聞きにきた。一番人気のミルクぜんざい360円を所望。 間もなくやってきた山盛りのミルクぜんざい、氷が繊細でふんわふわ。やさしい味の練乳たっぷり、底の豆もたっぷり。白玉も3つ入っている。 ほどよい甘さが冷えた口の中に広がる広がる・・・ウーム、ペロリと食えてしまうではないか。このクオリティと量で360円は安い。さすが沖縄だ。 真冬にこれが食えるとはあとからオヤジ客がきて、沖縄そば600円を食っていた。やや高めだが、定食類は550~650円と沖縄標準価格だから、そばにもメシやおかずがついてくるパターンかもしれない。 こういう食堂で本格的なかき氷が出てくるのは沖縄独特だ。次回はメシ類も食ってみなければ。(2016年1月) |
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食事の店 和
名護市営市場の裏手を歩いていると、「食事の店 和」という看板と矢印を見つけた。 看板の出ている建物の狭いスキマを入っていくと食堂的なカウンターの部屋があって、小学校低学年くらいの女の子を連れた母親がなにか食べている。 「いけますか?」と聞いたら、「あっちへ」とさらにスキマの先を指す。 先へ行くと、厨房を挟んで別の店があった。ということは、さっきのカウンターの空間は何だろう? 身内用? ![]() (左)この狭い通路を入っていくと (右)店の正面に出た 中に入ると、長テーブルに椅子6つくらいの小ぢんまりとした店。 壁のメニュー短冊を見ると、フーチャンプルー、ポーク玉子、みそしる、中味汁などの沖縄メニューが並んでいるが、すべての値段が700円に統一されている。 沖縄そばだけ、大中小とあって値段が違い、大が700円、中と小はそれより50円ずつ安くなる。 奥から顔を出したおやじさんに、沖縄そばの中を注文。ビールも頼んだが、置いてないという。「ビールを置くと長く居座られるからさー」とのこと。 屋号にわざわざ「食事の店」とあるのは、その意味もあるのだろう。 ![]() (左)小さな店 (右)沖縄そば中650円 沖縄そばは中でもけっこうな量があった。大きな三枚肉が2枚とカマボコ2枚。うまいな~、だしがええわ。 紅ショウガが小皿にどっさりついてきた。こんなに入れるやつがおるのか!? 黄色いたくあんも2切れ。 壁には孫の写真がいっぱい貼ってあった。ゴルフのスイング連続写真もあった。 市場に来た人へ食事を提供する、家庭的なお店だ。(2016年1月) |
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