メ シ つ き 文 化 遺 産 | ||
佐賀県の渋~い大衆食堂 | ||
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山城屋食堂
唐津駅を出てやや右手、駅前ロータリーの向かいにある便利な食堂。 そこそこ広い店内には机6つくらいと丸椅子が置かれ、小上がりも1席だけある。わりとそっけないおばちゃんが一人でやっておられるようだ。 (左)駅前です (右)店内。小上がりは小さな舞台のようだ おっ、おかずケースの小さいのんがある! と思ってよく見たら、ゆで玉子50円がふたつ、チンマリとガラスの器に入っている。これだけかい! 間違いなく過去最ショボのおかずケースだ。 安心せよ、塩もある 壁メニューは味のある文字(へたくそとも言う)でマジック書きされている。種類は多くない。麺類・丼物が300~600円台、いなり寿司300円。 ま、焼きそばで焼酎でもいっとこか。 焼酎200円お湯割りは、お湯と焼酎が別々のコップで出てくる九州スタイル。 そして焼きそばだが、ここではっきりわかったことは、この辺の焼きそばとは汁のないチャンポンだということ。具も麺もチャンポンまんま。 焼きそば500円 小さなガラスの器に入った、ふたつのゆで玉子。寄り添う塩。それらが収まった小さなガラスケース。その光景を眺めつつチャンポン焼きそばをすする唐津の夕暮れ。いとおかし。 (2015年3月) |
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栄太食堂 (閉店)
唐津の商店街に入ってすぐに、これはかつて公設市場か何かだったのだろうか、商店街から派生する洞窟的な通路がある。 「パティオ」と今どきな名前がつけられてはいるが、営業している店舗も少なく、廃墟一歩手前な空気が流れている。 そのいちばん奥まったところに1軒の食堂があった。 中に入ると、カウンターと二人掛けテーブル3つの狭い店。数人の先客がいる。 窓はあるが、開けてもさっきの洞窟状の通路だから、いわば外のない窓だ。閉塞感とともにビミョーな安心感も漂う、不思議な雰囲気。 真面目そうなおやじさんが一人で切り盛りしているようだが、おやじさんが出たり入ったりしている厨房が、ちらっと見える限りでは果てしなく広そうに感じられる。もしかすると異次元とつながっているかもしれない。 壁のメニューは、ラーメン400円から日替り定食600円など、かなり安い。 せっかく佐賀にいるので、ちゃんぽん550円を注文した。 ちゃんぽん550円 うまい。スープはあっさり目で、飲みすぎの翌日にはちょうどええわ。みな飲み干した。 そのとき、薄汚れて疲れた感じのオヤジ客が入ってきてカウンターに座り、「ハムエッグちょうだい」と注文した。 ハムエッグなど家でも簡単に作れるから、これまで外食で注文するという発想はなかった。そのため、このオーダーは俺の耳に新鮮に響いた。 それ以来、俺はどこの食堂へ行っても「ハムエッグ」が気になり始めた。たしかに、たいていの大衆食堂にはハムエッグがある。プロの作るハムエッグとはいかなるものか。そしてその値段が店によって大きく異なるのはなぜなのか。 今ではすっかり俺の食堂探訪における指標メニューとなっている。 (2014年12月) |
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よしや食堂 ★
九州人という出版社から出ている『港町食堂』という本に、この店の「アラカブの味噌汁」が載っていた。それに惹かれて呼子まで足を延ばした。『るるぶ』にも載ってる有名店だ。 唐津から路線バスで40分ほど。有名な朝市通りの中ほどにある。 (左)朝市、中央奥によしや食堂が見える (右)店内 午前中の中途半端な時間もあって、店内は外の朝市の賑やかさがウソのように静かだった。大きめのテーブル4つとカウンターのこぢんまりとした店だ。 壁メニューを見ると、うどん300~400円台ほか、丼物や洋食、定食、ラーメンなどの定番ものが一般的な食堂価格で並んでいる。 元気なおばあちゃんが切り盛りしているが、小学校前くらいのかわいい女の子のお孫さんがお手伝いでお茶や料理を運んできてくれる。 さて、何と言ってもアラカブの味噌汁定食980円を注文しないとね。 それと焼酎お湯割り300円、例によって九州式のダブルコップ使いで出てきた。サービスでレモンもつけてくれたよ嬉しいなぁ~。 そして呼子といえばイカなんだが・・・「時価」とある。俺はクソビビリつつ値段を聞くと、「今日は大きいから2000円」とおかみさんが言う。 せっかくの呼子やからね・・・ええい、思い切って俺は飛んだよ呼子の断崖から。 イカは生簀で活かしておくようなことはせず、その日に漁師さんから仕入れたものをすぐに捌くらしい。新鮮だから包丁やまな板に吸盤が吸い付くという。ゲソの刺身も新鮮なればこそ。 (左)左のコップに焼酎、右のコップにお湯 (右)イカ刺し2000円! 実際口に入れると吸盤が吸い付いてくる。歯ごたえはしっかりあるけど、口の中にしつこく残るようなことはなく、甘みとともにすーっとこなれてゆく。 おいちいよぅ、天国のオカーチャン! と、そこへアラカブ定食のお出ましだ。 アラカブの味噌汁定食、980円 いや~、ビジュアルよし! んでまぁ、うまいことうまいこと。アラカブだけでとった出汁をじっくりと味わい尽くす。 そもそもアラカブって何の魚か知らずに頼んだけど、関西でいうガシラのことなのね。 おかみさんはこちらが食べ終わったころを見計らって、厨房から出てきて楽しいおしゃべりでおもてなししてくれる。 おかみさんによると、呼子は元日以外、毎日朝市をやってるから、何でもすぐに手に入る。年を取ってから住むには最適なところよ、もうよそへは行けません、とおっしゃる。 この店はメディアの取材も多いらしく、この1月にはTOKIOの国分くんがテレビ取材で来たらしい。国分くんは移動中の車の中でもしきりに「あの味噌汁うまかったなぁ」と言ってましたよ、とスタッフがあとで教えてくれたそうだ。 当初は呼子から加唐島へ渡る予定だったが、よしや食堂での至福の時間をゆったり過ごすため、加唐島行きの船の時間はあきらめることにした。 その代わりに橋でつながっている加部島へバスで行ったのだが、そこでこれまた至福の時間を過ごすことができた。呼子よいとこね~。 (2015年3月) |
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やとみ食堂
黒髪山・青螺山から伊万里まで長い距離を歩いて、腹ペッコペコ。駅から5分くらいのとこにある食堂にたどり着いた嬉しさよ。 店内はテーブル4つだけのミニサイズだが、きれいに整って心地よい (左)きれいな店内 (右)冷奴160円、ビールなんぼやったかな? 麺類・丼物・洋食が400~600円台で食べられるが、とりあえずは冷奴とビールで人心地を取り戻そう。 ご夫婦でやっておられるようで、厨房でおかみさんが作ったものをおやじさんが運んでくる。 そしてきつねうどんを注文。ヤワヤワうどんが空腹にやさしく入ってくるよぉ~。 さらに目玉焼きもいっとこか。370円で野菜やトマトもついてるがな嬉しいなぁ。 (左)きつねうどん450円 (右)目玉焼き370円 ひどく疲れた時にはいきなり肉系をガツガツ食うより、こういう優しい味がいいね。そして明るくて清潔なこんな店が。 (2015年3月) |
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