チープに極楽。生きててよかった!
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| 道後温泉本館(松山市)★ 神の木湯(今治市)△ |
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道後温泉本館 ★
まあ俺が今さらこんな超有名温泉をレポートしたって仕方ないような気もするけど、「偉大なる銭湯」に敬意を表して。なんせ国の重要文化財です。 路面電車の道後温泉駅から商店街を抜けて真正面、あたかも横綱土俵入りのごとき威厳と迫力でこの建物が現われる。 真夏の平日、夜10時すぎだが、前には浴衣姿の老若男女がたむろしていて、まさしく温泉観光地だ。 ![]() どっちから見ても貫禄の日本建築 一般的な神の湯のほかに、1ランク上の霊の湯というのがあって、料金が違う(くわしくはこちら)。俺は道後に来るのは3度目だが、毎度神の湯ばっかりで霊の湯には未だ入ったことない。 で、今日も神の湯。入口で券を買って中で渡す。 脱衣所は広いが、エアコンがないので夏はけっこう蒸している。天井でいくつか扇風機がまわっており、その下に腰掛けた外国人が裸のままうつむいてじっとしている。 浴室は、ほぼ同じデザインのが二つある。ロッカーに近い西浴室へ。 木の引き戸を開けて浴室に入ると、ガイドブックやパンフレットでおなじみの風景が現われる。すべて御影石で造られたゴージャスな空間。しかも時間が遅いため他客は1人か2人しかおらず、広々ノンビリだよ万歳! 湯舟の中央には円筒形の巨大壺のようなものがあり、漢詩が書かれてある。そこから無色透明な湯が出ていて、湯船のヘリからあふれている。贅沢な光景だ。 道後の湯は去年、塩素投入で話題になった。衛生管理のために塩素投入を決めた当局と、伝統ある名湯に塩素投入などケシカランとする温泉マニアの論争だ。 入ってみると塩素臭は感じられず、温泉ならではのなんともいい香りがする。43度弱くらい、湯は透き通るように澄んでいて、肌触りもいたって上品。さすがは名高い温泉じゃのう。 奥の壁には素晴らしいタイル絵、たぶんオオナムチとスクナヒコナだな。一般的なタイル絵よりもぐっと抑えられた色合いと繊細なタッチが高級感を醸し出す。 それに、すいてたのもさらによし。「坊っちゃん泳ぐべからず」という札がかけてあるが、俺以外に入ってる人がいないんだから泳いでやった。ははは、あ〜気持ちエエ。 塩素投入の必要性については俺にはよくわからんが、これなら塩素が入ってても十分許せる。★つけときましょう。 俺は、温泉の効能はほとんど気にしていない。だって別に病気を治そうと思って温泉へ行くわけじゃないからね、今のところ。湯治を考えるなら、こんな観光地よりもっとふさわしいところがたくさんある。 温泉で重視するのは、香りと浴感。あとは銭湯と同じく建物や空間の雰囲気・風情だ。それとバカみたいに混んでるのも嫌だな。 ま、そんなわけで湯舟の湯に問題は感じなかったが、気になったのはカラン。自動調温シャワーつきの新しいものだが、こっちの水にはべとつくほどの塩素を感知した。ふだん神戸ウォーターの銭湯でもまれてる俺としては看過できないレベルだ。 湯舟の湯で茹っては、カランの水をかぶって身体を冷やし、また浸かる。この繰り返しが温泉極楽道の真髄なわけだが、これだけ湯舟の湯とカランの水との落差が大きいと違和感を感じざるをえない。この施設の問題点はそこではないか。 って、徹底的に水かぶりを繰り返して長湯した俺が言うてもな。 (06.8.1) |
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神ノ木湯 △
暑い暑い日。今治郊外での仕事を終えて、駅へ向かう途中に濃厚激渋銭湯あり。 今治駅からなら線路沿いに南東へ徒歩10分ほどで、銭湯背後の白い煙突に至る。 裏の道にまわると、左側のよく茂った樹木と、右側の歯科医院に挟まれて、奥ゆかしい面持ちのイニシエ銭湯が顔を覗かせる。 こ、このイニシエっぷりは・・・これはただごとじゃないぞ。 ![]() (左)古い旅館のような味わい (右)番台の背中部分が突出している この暖簾のやさしさ!とにかくすべてが木でできている。穏やかに揺れる涼しげな暖簾と、外から脱衣所まで素通しの開放感がたまらない。 大脳の奥がツーンときて、操られるように暖簾をくぐる。 ザ・開放感、とでも言うしかない開けっぴろげのタタキ。古い木の番台に、穏やかで人のよさそうなおかみさんが座っている。 ああ、これこの郷愁、もうどうしようもなく銭湯。 そして目の前には広々と板張りの床が広がり、右手には木の脱衣箱がどっしりと据わる。 ![]() (左)ここで寝転んで昼寝したいよ (右)俺の白いタオル 脱衣所の傍らにある体重計、これがすごい。これまでいろんな銭湯でいろんな体重計を見てきたが、これ、レトロチャンピオンではないか。 ![]() (左)第一級の骨董品 (右)中央のガラス窓から中の分銅が左右に動く様子が見える 浴室の入口は、太い2本の円柱の左右に2つある。こういうのも初めてかも。 豆タイルびっしり裸になって浴室へ。ここも広々とした空間だが・・・おっと、硫黄の香りだぞ! 真ん中にタイル張りの楕円形の主浴槽があり、奥に小さな電気湯と薬湯、ここに入れられたハップが香っているんだな、うれしいねえ。 驚いたのは天井だ。大きなカマボコ型に四角い湯気抜きが開いているが、全体がすべて豆タイルでびっちりと覆い尽くされている。これは壮観。 主浴槽は一部から元気よく気泡が出ていて、じつに気持ちよろしい。こんな暑い日は何度でも水をかぶって、何度でも湯に浸かる。これが最高ね。 奥の電気湯と薬湯はぬる湯だが、湯量が少な目なのがちょっと残念。その向かいにはサウナ室があるが、機能していない。タイルの目地もくすんでいて、かなりディープな気配が漂う。 でもカランはシャワーつきの自動調温式と、昔ながらの赤と青のとが対面に並んでいる。古いけど、そこそこ手が加えられている。 上がって扇風機に当たりながらおかみさんに聞くと、昭和8年の建物だとのこと。「戦後やり直したけど、戦前はもっときれいだった」そうだ。 しまなみ海道の開通で今治は本州と直結した。だが、おかみさんは「今治もさびれてしもて」とおっしゃる。 いろいろ話すうち、「遠くから来てくれたから」と冷蔵庫のポカリスエットをくださった。お金を払おうとしたが固辞され、恐縮しつつありがたく頂戴する。 ちなみに便所は外の、建物左側の植え込みの脇にある。これがまた渋い小屋だが、中は意外にもきれいな水洗トイレだ。 少し前までは建物の真正面にも大きな木があったらしい。 浴室はあちこちくたびれているが、ともかくおかみさんの人柄も含めて、強烈な郷愁感に満ち満ちた銭湯。泣けてきます。 (06.8.1) この飾らない風情をなんとしょう |
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