チープに極楽。生きててよかった!

関東の名銭湯 【群馬県】
群馬県<名銭湯トップホーム
江木橋湯 (高崎市)
滝の湯 (高崎市) 06.9.17
笹湯 (吾妻郡長野原町)
王湯 (吾妻郡長野原町)

江木橋湯

高崎市江木町237
TEL:0273-23-7155
【営業時間】16:00-23:00
【定休日】2のつく日
【入浴料金】大人330円

 神戸から11時間も列車に乗りっぱなしで、もう腰が限界。とにかくお風呂。
 高崎駅東口から広い道路を7〜8分北上する。「江木」交差点で右折すると、まもなく右側に煙突とわかりやすい看板が見えてくる。
 角を曲がると、あ〜らまあ道路からちょっと下がって控えめに、感じのいい伝統銭湯じゃありませんか。

 
(左)そびえる煙突   (右)こじんまりした玄関スペース

 古い木の下駄箱に靴を入れ、戸を開ける。渋光りのする木の番台があるが、オヤジは女性客に気を遣ってか男湯の脱衣場にいて、お客が来ると立ち上がって迎えてくれる。
 こじんまりした脱衣所には古い木のロッカー、開け放たれた前栽にナンテンなどが茂っている。天井は升目の大きい格子状になっており、部屋の隅には籐の丸かごが積まれている。じわーっと懐かしい空間だ。
 ロッカーは大きくて、籠ごと入るのは京都っぽい。旅行者にはこのサイズは有難いねえ。

 裸になって、小ぶりな浴室へ。先客が3人ほどいる。
 ズドーンと2段式天井、奥に湯舟、手前両サイドにカラン。典型的な東京スタイルだ。
 そして奥壁にはデデーンと出ました富士山のペンキ絵。精進湖に逆さ富士が映る図柄で、早川師のサインがある。いやー久しぶり、やっぱりよろしなあ。

 湯舟は深浅が並んでいる。かかり湯すると、むおっ、42度くらいのマロヤカ湯。なんだこのやわらかさは。温泉みたいじゃないか。壁には関西でも見慣れた「ミネラル湯浴泉」の看板があるが。
 とりあえず深いほうに入ってみると、東京式にしては意外にも本格的に深い。膝立ちで首元まで湯がくる大阪的な深さ。こいつは嬉しいな。
 浅いほうはジェット2連つき。

 洗い場スペースの中央には島カランがあるが、鏡やシャワーはなし。両サイドのカランには鏡・シャワーがあり、鏡下の段は広くて使いやすい。
 床は六角白タイル張り、これってもしかして豊岡の京極湯以来だぞ! カラン前に排水溝はなく、出入り口近くの溝に向けての全面傾斜型という古いスタイル。でも隅々までピカピカに磨かれていて、清潔感は高い。

 上がりは飲み物あり、トマトジュースを飲む。
 おやじに「ここの水は普通の井戸水ですか? 妙にやわらかくて一瞬温泉かなと思ったんですけど」と問うと、驚いたことに「水道水だよ」という。
 「でも朝7時から薪でじわじわ沸かしているからね。昔は赤ちゃんの風呂は藁で沸かせと言ったもんだ。時間かかるけど、すごくやわらかい湯になるんだよ」

 温泉オタクの青臭い理屈を吹き飛ばす伝統の技。昔ながらの銭湯、万歳! (06.8.24)

 静かな感動
このページの頭名銭湯トップホーム

滝の湯

高崎市竜見町7-6
TEL:0273-23-7170
【営業時間】14:00-23:00
【定休日】月曜日
【入浴料金】大人330円

 高崎駅西口から南西に10分くらい歩いて、南町通りの1筋南の住宅街。真っ暗な夜に、小さな灯りがささやかに光っている。客商売なのに、なんでそんなにささやかなのよ。
 この時は暗くてわからなかったが、翌朝見ると、この上の江木橋湯と似た黒瓦の玄関小屋根は入母屋破風。これが高崎トラディショナルか。

 暖簾をくぐると小さな下足室、下駄箱はアルミ製に替えられているが、脱衣所入口の薄桃色カーテンのふくらみが超懐古系!

 
(左)ひそやかに営業   (右)脱衣所入口のカーテン

 そのカーテンをめくって入ると、こげ茶色の古い木の番台はテレビ置き場と化しており、おやじは男湯の脱衣所にいる。これも江木橋湯と同じだ。
 脱衣所は天井で扇風機が回るほっこり脱力空間。肌色の古い木のロッカーにはほとんど鍵がない。だが丸かごごと入る大サイズで、これも江木橋湯と以下同文。
 違うのは庭だ。脱衣所の側面に細長く位置しており、全面的に開け放たれて、すばらしい開放感。池によく太った金魚が泳いでいる。

 こじんまりした浴室は、二段式天井に奥湯船の東京式。だが壁画はなく、シンプルのひとことだ。
 湯舟は深浅2槽だが、へりが高くて太ももくらいまであるのが珍しい。
 この銭湯の売りは日替わりの薬湯のようで、この日は深浅ともにじっこう湯。深は43度強、浅は42度くらい。疲れた体にベストな熱さで、じんわりと嬉しいねぇ。
 両サイドのカラン周りは前の台が広くて使いやすい。シャワーもばっちり。中央に島カランがあるが、こちらはシャワーも鏡もない旧スタイルだ。

 先客は5人くらいいたが、いつしか貸切状態になった。のんびり浸かろうと思いきや、最初に比べて妙に湯が熱くなっている。なんかどんどん沸いてきて、こりゃあたまらん、47度くらいになってきたぞ!

 上がりは飲み物販売あり、牛乳を飲む。
 あとから浴室に入った客が脱衣所に顔を出して、「熱いぞ、沸きすぎだよ」とおやじに言う。おやじはすぐ釜場へ飛んでいって調節したようだ。
 庭の向こうに廃材が積まれてあるのが見える。釜場から戻ってきたおやじに「あれで沸かしてるんですね。木を入れすぎたんですか?」と聞くと、
 「いや〜、燃やすものがいっぱいありすぎちゃって」だと。

 群馬県の銭湯料金は1998年から360円だが、高崎市の銭湯はすべて330円でやっているそうだ。あり余る廃材のおかげなのかな?  (06.8.26)

 側面に詰まれた廃材(翌朝撮影)
このページの頭名銭湯トップホーム

笹湯

吾妻郡長野原町川原湯温泉
TEL:0279-83-2591
    (川原湯温泉観光協会)

【営業時間】
AM10:00〜PM8:00(4〜11月)
AM10:00〜PM7:00(12〜3月)

【定休日】無休
【入浴料金】
大人300円 子供200円

 帰ってから調べたら、この川原湯温泉ってダム湖に沈む予定なんだってね、びっくり(八ッ場ダムを考える会)。そうとは知らずに山歩きのあとで立ち寄った。

 JR吾妻線の川原湯温泉駅を降りて右へ10分ほど歩くと、ひなびた温泉街が現れる。ここには共同浴場が三つ。ポピュラーな王湯、100円と安い聖天様露天風呂、マイナーな笹湯、という感じ。
 100円露天風呂にも魅かれたが、近づくと数人が次々にタオルを手に入ってゆく。で、とりあえずここはパスして、少し先の小道を右に下る。看板も何も出ていないが、ここが笹湯の入口のはず。
 突き当たりに旅館があり、ほんまにここかいなと疑いつつ左へカーブすると、山小屋のような笹湯登場。おお、こいつは渋い。

 受付は無人。入ると料金箱がある。300円を入れて靴を脱ぐと、脱衣所と浴室が一体になった空間が登場だ。お客はゼロ。
 だがこの浴室、この湯舟、ええがな!

 
(左)料金箱の上の注意書き   (右)脱衣箱

 
(左)湯舟   (右)天井と湯気抜き

 湯舟のへりの丸い豆タイルが泣かすねえ。男女壁のほうから源泉が注がれ、手前のホースからは水がチョロチョロと出ている。
 さっそく裸になり、どれ、どんな湯か、まずは触って・・・。

 ギギギぎょわえおわーーー! あじ、あじ、あじ、あじ、あじー・・・!

 あーびっくりした、呼吸が止まるかと思った。すさまじい熱さだ。痛すぎる。これはいったいどうしたものか。
 見回すと、壁に張り紙がある。
 「源泉は80度あります。温度を確認してお入りください」
 か、確認・・・させていただきました、たしかに80度です。

 しかし知らずに飛び込んでたら死んでたぞ。おそらく俺の前は数時間、誰も入っていないのだろう。俺は46度までなら我慢して入るが、ここはそういうのとは別次元。
 ともかくホース全開にして、うめまくる。ホースの水は谷川から引かれていて氷のように冷たい。でも、うめてもうめてもぬるくならない。
 待ちきれずに、浴槽の隅にホースの水でバリアを作りつつ、両足を太ももまで入れる。・・・1・・・2・・・3! ぐはー、3秒。よくがんばったぞ俺。3秒で足が真っ赤だ、至急冷却せよ!

 その後10分近くうめ続け、ようやくホース周辺だけ46度くらいまで下がってきた。再びホースの水でバリアを作りつつ慎重に入る。ホースの水を絶えず体のあちこちに当てながら1分耐えた。
 いったん上がって冷水で全身冷却。寒さで震えがきたころに、もういちど入浴して忍耐1分。

 ハア、ハア、ハア、よし今回はこのへんで堪忍しといたろ・・・。
 登山による筋肉疲労は熱湯ショック療法で吹っ飛んだ。そのかわり別のエネルギーを消耗したような。

 おっと忘れてたが、お湯は無色透明、熱湯だけどまろやかな感触だ。源泉口にコップがあり、飲むとかすかな硫黄臭があって美味。
 女湯には地元のおばさんが2人ほど入っているようすだった。窓の外は吾妻川沿いの緑がさわやかだった。  (06.8.26)

 過激に美しい
このページの頭名銭湯トップホーム

王湯

吾妻郡長野原町川原湯温泉
TEL:0279-83-2591
    (川原湯温泉観光協会)

【営業時間】
AM10:00〜PM6:00(4〜11月)
AM10:00〜PM5:00(12〜3月)

【定休日】無休
【入浴料金】
大人300円 子供200円

 笹湯から上がって、さらに温泉街の奥へ数分歩いたところにある王湯にもいちおう行ってみた。
 民芸調の素敵な建物、こちらは観光客っぽいおじさんグループが入ってゆく。その様子を見てたら俺も入りたくなったので、笹湯の火照りのままハシゴ湯だ。

 フロント周辺は古いたたずまいでなかなかよろしい。おばちゃんに300円払う。
 ここには内湯と露天があるが、別々に着替えねばならない。露天はあとから増設されたのだろう。おじさんグループがゾロゾロと露天へ向かったので、俺は内湯へ。
 建物は河岸段丘の斜面に建っているため、階段を下りて脱衣所、さらにもう1階下りて浴室となる。

 
(左)脱衣所入口   (右)石でできた重々しい看板

 
(左)脱衣所の色ガラスから階下の浴室が見える   (右)浴室を見下ろす

 浴室は、フチに石を載せた半円形の浴槽が一つと、カランが2つだけのクラシカルで古びた空間。床に不定形の天然石タイルが張られている。先客が一人、ゆったりと浸かっている。
 湯は掛け流されて溢れているが、42度前後の適温になっている。こちらは入浴客が多く、そのつど適温にうめられているのだろう。
 湯は笹湯に比べるとかすかに白濁し、湯の花らしきものが舞っている。香りはほぼ同じだが、こちらはうめられているせいか肌触りの新鮮さはやや劣るように感じられた。ていうか笹湯が強烈すぎ。

 熱湯の笹湯でのんびり浸かれなかったぶん思い切りダラダラしていきたいところだったが、列車の時刻が迫っていて、露天風呂にも入れずじまいに終わったのが残念だ。
 それにしても、このアッチッチで風情ある温泉街をダムの底に沈めてしまうとはね・・・。  (06.8.26)
このページの頭名銭湯トップホーム