チープに極楽。生きててよかった!

四国の名銭湯 【香川県】
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田町湯 △(高松市)
富士見湯 ★(坂出市)
たから湯 (観音寺市)
観光湯 △(さぬき市) 03.4.6

田町湯

高松市東田町19-31
TEL:087-834-4693
【営業時間】15:00〜23:00
【定休日】6のつく日
【入浴料金】大人300円

 高松での仕事の合間、1時間ちょい時間が空いたので銭湯へ。
 コトデン瓦町駅から徒歩数分。観光通りを越えて田町商店街を歩き、アーケードが切れるあたりで左に入る。
 外観は、これはレンガを積んであるのかレンガ調タイルなのか、とにかく全面どっしりとレンガチックでなかなか目立つ。いつごろの建物なんだろう。

 
(左)側面もレンガ   (右)玄関まわりだけ違う

 暖簾をくぐると開けっ放しの入り口、その付近もまたレンガ調。

 正面に今どきピンク電話が!

 中へ入るとタタキに番台。そして・・・おー、脱衣所も全面レンガ調で覆い尽くされている。外装と内装が同じというのも珍しい。
 しかしここ、使われていない一人用サウナボックスや、ぶら下がり健康器、壊れたマッサージ器、かぶり式ドライヤーなどが無造作に居座っていて、かなり雑然とした濃厚系。
 しかも入り口の戸に続いて、浴室の戸も開けっ放し。

 ともかく服を脱いで浴室へ。うわー、浴室の壁も徹底的にレンガ調!
 湯船は深浅の古い主浴槽、湯はぬるい。40度くらいか? 男女仕切り壁にモザイクタイル絵、これは高松築港にある玉藻公園だな。地方色のあるモザイク絵はなんとなく嬉しい。
 奥に入浴剤入りの副浴槽、こっちはもっとぬるい。
 出入り口横に水風呂もある。

 壁際に並んだカランにはシャワーはないが、奥壁にはカランなしのシャワーだけがいくつか設置されている。

 それにしても、ここまでレンガ調で統一された銭湯は初めて。北欧かどっかの山の避難小屋風というか、重厚にしっかりと守られているようなミョーな安らぎを感じる。冬に来るともっといいかも。
 ただしカラン前の床がちょっとヌメってたりするのはいただけない。マニア向け決定。

 上がると番台のオバチャンは女湯のお客とのおしゃべりに夢中で、割り込むスキもなかった。  (04.9.25)
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富士見湯

坂出市富士見町1丁目1−16
TEL:0877-46-1384
【営業時間】15:30〜21:30
【定休日】日曜日
【入浴料金】大人300円

 イイ。とっても。ボクチン幸せ〜な気分になっちゃう。

 坂出駅から線路沿いに西へ約500メートル歩き、バス道で南へ折れて最初の信号を右へ入ったところ。
 なんの変哲もない住宅地に、いきなりもわ〜んと漂うレトロなオーラ。この外見だけで銭湯ファンはイ・チ・コ・ロよ〜んシャランラ〜。

 
 小粒だけど、ほれぼれドレトロ! カタイ外壁に明るい暖簾が絶妙にまいっちんぐマチコ

 イイのは外見だけではなかった。
 暖簾をくぐると細かなタイルがびっしり敷き詰められた玄関。右手の庭の先には汲み取り式の外便所。イカス〜。

  
 (左)えーがな   (右)通路の奥に便所

 もひとつ暖簾をくぐるとタタキに低い木の番台、玄関まわりと同じ薄い青緑に塗られている。そこにぶすっとしたオバサンが鎮座。サイコー。
 香川県の銭湯料金は300円、安いねぇ〜。靴を脱いで脱衣所に上がると、天井と壁は改装されているものの、ガラスのはまった木のロッカーや木のベンチが見事な郷愁空間を演出する。
 おぅ、浴室入口の横に小さな乾式サウナあり!

 
 このロッカーの色使いも関西ではあまり見ない

 もうこの時点でシアワセ小市民を完成させつつ浴室へ入る。昔ながら系銭湯としては中型の広さ。
 中央やや外側に楕円形の深浅主浴槽、深いほうにはジェット2連。意外にも大阪式の座り段がぐるっと取り巻いているが、その高さがたったの4cmほど。この低さは関西ではお目にかかれない。
 主浴槽のへりには2cm角の濃紺タイルが貼られ、フチ外側には楕円型のタイル長径3cm短径1.5cmがびっしり。そして湯船の底には青系の不揃いな豆タイル。

 最高。最高だぜアニキ、だってこんなタイルないだろ関西の風呂にゃ! それに、古いけどすごくキレイだよ、丹念に磨かれてるよ。
 湯も澄み切ってるし。どれ、チャプーンと・・・おう? やわらかいぞ。それにこのほのかに香るにおい・・・薪沸かしだな。

 奥の左隅には水風呂がある。で右隅には入浴剤入り、こっちは43〜44度はある。これまった疲れた足に気持ちエエ。

 見上げれば天井はカマボコ型だが、男女境の上に湯気抜きが2つ並んでいるのがめずらしい。
 見下ろせば、床タイルは自然石調の見たことのないタイプ。じつに好ましい。
 さらにカランは最新式の自動調節モノと旧来の手動調節モノが交互に設置され、ハンドシャワーが完備されている。使い勝手はきわめて良好。

 出入り口の横に小さなスチーム室があるが、ここは故障で使われていない。それを覗き込んでいたら、脱衣所と釜場を行ったり来たりしていた店主らしきおじさんが、
 「そこは使ってないけど、こっちのサウナへどうぞ。7時まではタダやから」
 とわざわざ言いに来てくれた。
 さっそくお言葉に甘えてサウナへ。2人用の小さいサイズだが、ここもきれいだし温度もバッチリ。アチアチになるまで我慢して、水風呂へドボーン。

 とまあ、きれいで気持ちのいい大満足銭湯だった。番台のおばさんによると創業80年、この建物は築50年くらいとのことだ。見知らぬ地方でこんなステキなお風呂に出会ったときの喜びはひとしおでございます。    (04.9.24)

  
 (左)横からも眺めちゃう   (右)最後にもっぺん正面から眺めちゃう
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たから湯

観音寺市観音寺町611-2
TEL:0875-25-3341
【営業時間】?
【定休日】?
【入浴料金】大人300円

 たどり着いて、しみじみ。
 しかしまあ我ながらよくこんなところまで来よるわ俺ぁ、アホカイナと。
 でもこの風呂へ入ったら思考が180度逆転。俺って最高!

 高松からJR予讃線の鈍行に揺られて1時間15分ほど。カトキチ本社のある観音寺市に着く。
 駅を出て北へ1kmちょっとだが、駅前通りが途中で終わってたりするので説明がやや難しいな。とりあえず四国霊場69番の観音寺を目指して歩き、三架橋(街のシンボルらしい)より1つ上流の染川橋まで来てください。
 財田川を渡るとすぐ観音寺だが、渡らずに右へ土手を歩くと小さな鳥居がある。その向こうに・・・ほら、煙突が白い煙を上げているでしょう。

  
 (左)横の細い路地を降りてけば嗚呼めぐり会い (右)観音寺の銭湯煙突はみなこのタイプ

 外観、かなりキてる感じ。玄関の小屋根がゆがんでるし。屋号はどこにもないが、電話帳によると「たから湯」なので、そうなんでしょうきっと。

 おーい、大丈夫か〜

 でもよく見たら、なかなか味わい深い装飾があちこちに施されている。

 
(左)切妻部分に「湯」の大文字  (右)破風の鬼瓦は精巧な松鶴、正面にはチョウチョ

 暖簾をくぐると狭い玄関スペースを挟んでまた暖簾。
 さらにくぐると狭いタタキ、低い木の番台と鍵付の下駄箱が置かれている。番台には誰もおらん。300円を置いて脱衣所へ上がる。

  さわやかな感じ

 脱衣所も狭い。天井や壁は新建材で改装されている。中央にベンチがあり、隅に2階へ上がる小さな階段がある。
 ロッカーは木枠にアクリル板をはめたもの。開けると、底面に1cmほどの高さで金網が設置されている。ほお、これは初めて見るが、清潔感のあるナイスなアイデアだな。

 浴室は、脱衣所からすると広め。天井は新しそうなトタン張りで、床は見慣れない渋い色の小さめタイルで覆われている。
 男女仕切り側にタイル張りの深浅2槽。ほう、湯は44度くらいあるぞ。俺は関西人には珍しく、熱い湯大好き。今日はさんざん歩いたしな。あ〜気持ちエエ!
 ほんのり薪を炊く香りが漂う。くつろぐねぇ。湯船のへりの、1cm角のレトロなえんじ色タイルをナデナデしながら、静かにアチチを我慢。
 浅い浴槽は41度くらいでどなたさまも入りやすい。

 奥に副浴槽、こっちは入浴剤入りで42度くらい、しかも半分は電気風呂。これがなんと電極版が木の板だ。
 出入り口の横には水風呂もある。あまり冷たくはない。

 カランだけでシャワーはなし。椅子と桶がきちんと整列している。カラン周囲の不ぞろいな小石形タイルがまた昭和ですなぁ。

 全体的によく磨かれていて、辺鄙な場所のボロい木造銭湯としては快適度は相当高い。
 上がると番台におやっさんが座っていた。牛乳とオロナミンCの販売もあって嬉しいな〜。

 ところで営業時間と定休日を確認してくるのを忘れた、スマヌ。僕が行ったのは日曜日の午後3時半ごろ。先客1人、途中で1人、帰るときに1人、という客の入りだった。
 観音寺からなら徒歩5分ほど。お遍路の帰りはここでっせ。 (04.9.26)
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観光湯

さぬき市志度
TEL:?
【営業時間】 16:00〜22:00
【定休日】水曜日

 香川県在住の知人から「ここがよかった!」との情報を得ていた激渋銭湯へ、ついに行った。電話帳にも載っていない秘湯だ。
 コトデン志度線の終点・志度駅を出て、四国霊場86番の志度寺へ向かう。数分歩けば山門が見えてくるが、その少し手前で右の細い路地を覗くと、煙突が黒い煙を吐いているのが見える。あれだな。

 志度寺参道の1本南の通りにあたる

 路地を抜けて正面へ行くと、角地に小さな祠を従えて、ムンムン漂ういにしえのオーラ。入母屋造りの前に洞窟のごときモルタルの門構え、その中から樫の木かなんかが生えている。
 ふ、古い! しかも妙にカチッと存在を示すこの姿。なんかじーんとくるよ。

 
(左)玄関横の角に祠  (右)裏手から。壁はパッチワーク状態

 
(左)玄関先の看板、温泉マークの下は「画應」?  (右)玄関中央から伸びる樹木

 門をくぐると中庭には自転車やバアサン手押し車などが停められている。暖簾の奥には青く塗られた木の引き戸。
 開けるとタタキに番台があり、おかみさんが座っているが・・・おや? 脱衣所の向こうの浴室が妙に薄暗い。女湯からは談笑が聞こえるが、男湯のお客は誰もおらんし、まさか女湯しか営業してないのか?
 でも、おかみさんは何も言わないので、男湯もやってるんだろう。湯銭を払って靴を脱ぎ、脱衣所へ上がる。

 こじんまりした脱衣所のイニシエ度がまた激烈だ。剥げた白壁に囲まれた濃厚空間。天井は低く、プロペラ(現役)がやたらと近いところにある。出るのは感嘆のタメイキばかりなり。
 でもそこはやはり銭湯、はだしになると板張り床が気持ちいい。

 
(左)番台周辺  (右)その上部には色ガラス、建った当時はモダンな建物だったのだろう

 
(左)男女仕切り壁の鏡、緑のベンチもいい味  (右)木のロッカーにはもちろん鍵なし

 
(左)プロペラ横の天井が一部抜けている  (右)浴室方面(あとで電気がついてから撮影)

 緑で統一されたガラス戸を開けて薄暗い浴室へ入ると・・・おおっ、こここ、こっこっこ、これは!
 ここも見事なまでの古さだが、このゴージャスな壁タイルは、かつてオスマントルコかチムール帝国の皇帝が入られた風呂に間違いない。そして床のタイル柄の美しさにもう絶句。

 
(左)左が男女隔壁。右下の排水溝には真鍮フタ  (右)カラン下の桶置きがテーブル状になっている

 皇帝の湯をおそるおそる体にかけ、まず主浴槽に浸かる。42度くらいで、地下水と薪のほのかないい香りがする。アッラー・アクバル!
 奥にある扇形の副浴槽には湯が半分しか入っていないが、三角座りするとちょうどの深さになる。皇帝の湯らしくローズマリーの入浴剤入り。やや熱めで、山歩き後にちょうどよろしい。

 四角錘天井もこの渋さ

 途中で電気がつけられた。ゴージャスなタイルがますます妖しく輝く。
 シャワーはないが、カランは快調に機能している。

 上がりは飲み物販売などないが、砂漠の民はそんなもの平気だ。
 おかみさんはいつごろの建物か定かにご存知なさそうだったが、「戦前です」とおっしゃっていた。言うまでもなく十字軍vsイスラム帝国の戦争のことだろう。
 四国のお遍路は志度寺に巡礼するが、銭湯狂信徒は迷わずこの観光湯に巡礼しなければならない。それがわれわれフロリアンの民の掟だ。  (03.3.25)

 神殿の出口
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