チープに極楽。生きててよかった!

関西の名銭湯 【大阪市港区】
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千代見湯
寿温泉 ★

千代見湯

港区弁天5−8−3
【営業時間】16:00〜23:00 
【定休日】毎週金曜日

 何をかいわんや。合成写真ではございません。
 JR環状線の弁天町駅にそびえる高層ビル・オーク200から北へ徒歩3分ほど。町工場や飲食店の混在する下町に、オークに負けじと、いきなりモロに富士山がそびえておるのであります。しかも小富士までちゃんとついているリアルな富士山。
 裏はいったいどうなってるんじゃ! とまわってみると・・・。

  山梨県側?

 隣家にさえぎられてわかりずらいが、ようはレトロモダンな凸型玄関の後ろの母屋部分はフツーの家の屋根のようになっていて、その切妻面にこの富士山が取り付けられているわけね。これも看板建築の一種なのか。
 とにかく、大阪で富士山を見たけりゃここだな。

 外部はドハデだが、内部はいたってシンプル。
 脱衣場は、ロッカーや天井は改装されているが、その他の部分はだいぶガタがきてるようすが見うけられる。
 番台や男女仕切り壁などはいにしえの良き風情が残る。とくに仕切り壁にある擦りガラス絵がいい。菊の群華、昭和27年作。
 庭があって池がある。その手前の板の間は一部ガラス張りになっていて、池に魚がいれば足の下を泳ぐことになるわけだが、残念ながら水は張られていない。

 浴室はレトロ系にしてはやや広め。中央に御影石の主浴槽がドーン。浅いほうも広々してジェットつき。壁際に電気風呂と子ども浴槽がある。
 そして入口の隅には古い石を使った水鉢があるが、さらにその横に40×50cmくらいのがもう1槽あり、古びて朽ちかけた木のフタがしてある。フタの真ん中には丸い穴が空いていて、そこに洗面器がはめ込まれている。なんだこれ?
 よく見ると洗面器には「上がり湯」と書かれてあり、木のフタの横には、これまた超古びて補修されまくりの木のひしゃくが置かれている。

 そーっと洗面器を外してみると・・・お湯がこんこんと湯気をたてておった。
 ほぉ! この湯を、この木のひしゃくで汲んで、上がり湯につかえとな!

 ひしゃくはボロイし小さくて、はっきり言って使いにくい。だが、この湯をかぶるとなにか特別な霊験でもありそうな気がしてくるから不思議だ。しかもこれをボロイまま保存し、ちゃんと毎日湯が張られているというのが感動的だ。
 せっかくなので有難くかかって上がったが、見たところ僕以外は誰も使っていなかった。

 それにしてもこの銭湯、最初に富士山で驚かせ、最後にルルドの泉で泣かすとは・・・なにか底知れぬ味わいがある。 (04.4.15)

  
 (左)それにしても不思議な風景  (右)向かい側にはコレですし・・・(オーク200)
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寿温泉

港区弁天4-10-12
【営業時間】16:00-24:00
【定休日】毎週日曜日

 高いイニシエ度と豊富な設備とを兼ね備えた満足銭湯。ワシャうれしいわ。

 環状線の弁天町駅から北西へ歩いて5分ほど。風呂桶を持って歩いているおじさんの後をついていくと、やや殺風景な古くさい面構えの銭湯登場。大阪伝統の凸玄関だが、その奥行きが広い下足室スペースを表している。

 
(左)筆記体の屋号は細かいタイルづくり   (右)玄関スペースけっこう広々

 暖簾をくぐると、年季の入った木としっくい壁、格天井がスッキリとお出迎え。
 正面の木の戸に手をかけると、これがまた長年使い込まれて角がツルツルに丸くなっている。むほー、このやさしげな手触り。さぁさぁさぁキマシタで〜〜〜。

 んで脱衣所へ。出ました、そのまんま東、いや、そのまんま昔。

 
(左)びしっと美しい折上げ格天井に木製プロペラ  (右)入口を振り返る。冷蔵庫の左奥は前栽

 半楕円の木の番台がまた渋い。ややくすんだしっくい壁が、わが辞書から「平成」の2文字を一瞬にして消去する。
 脇の前栽にはサザンカがピンクの花びらを散らし、千両万両が実をつける。
 古いけどきれいに管理されている心地よい空間。ロッカーのみ新しい。
 我見たり、昭和の正しい日本の美。

  入口の上には額縁入りの浮き彫り招き猫

 そして我は浴室へ行く、心の命ずるままに。
 そして我、フルチンで驚愕。新しい材料がない! タイルも石もみな古い。

 床は石畳で、すきまに水色タイルはめこみパターン。
 湯舟は真ん中に深浅主浴槽、フチと座り段は黒御影の王道スタイル。
 どれ、さっそく入ってみるか・・・おっ、42度強かな、マイベスト温度。深風呂は内側の段に白御影が使われ、浅風呂の底には不揃い小石状タイルか。ニクイところを突いてきやがるぜ。
 その奥に別の浅い浴槽、そこはなにやらものすごい勢いで底から気泡が噴出している。うほー強烈、こりゃゴキゲン。さらに奥に電気風呂、これが普通の倍の広さで電極も2人分。この2槽は41度くらいかな。

 全体的にゆったりとスペースがとられていて、古い石材やイチョウの葉型タイルなどをを慈しみながらじっくりくつろげる。渋銭好きならニヤつかずにはおれまいて。

 ところが、この銭湯はこれだけではすまなかった。
 奥に一段上がってカランが並んでいるが、その横手の壁が一部なくて、もっと奥まで廊下みたいに続いている。はて、なんだろうとコワゴワ進むと・・・なんと、まだ風呂の続きがあった!
 小さな薬風呂(レモン)、水風呂、そしてスチームサウナ。スチームは3〜4人サイズだが、ゆったりした空間で居心地がいい。
 しかしこれ、手前の浴室からはまったく見えまへん。初めての人は気づかへんで。
 増設や小改修を重ねたせいか無駄な意味不明スペースがあるのもおもしろい。

 上がりは前栽を眺めながら牛乳いっときましょう。脱衣所にはテレビも新聞・雑誌もあって、ソファーでゆっくりくつろげる。
 品のある番台のおかみさんが言うには、昭和35年に建てられたものらしい。奥の秘密風呂スペースはかつて庭で、池と滝があったとか。それも見てみたかった。

 とにかく、レトロさもさることながら、広くてお風呂メニューも多くて、いろんな人が楽しめそうな名銭湯だ。2ツ星にしようか迷ったが、ここを2ツ星にしたら源ヶ橋温泉も2ツ星か・・・とかいろいろ考えつつ、まあとりあえずいったん1ツ星にしときます。って、んなもんどうでもいいか。すまんな、病気なのじゃ。  (04.12.30)

 正月準備もおこたりなく
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