チープに極楽。生きててよかった!
| 関西の名銭湯 【大阪市淀川区】 |
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| 三国温泉 ★ 末広湯 ★ 寿湯 新木川温泉 △ 金川温泉 双葉温泉 ★(2004年廃業) |
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三国温泉★
名銭湯の宝庫、淀川区。次々と現れる激渋ラッシュは、まるで俺に「いっそ住めば?」と言っているかのようだ。 阪急三国駅を北口に降りて北東へ徒歩6〜7分というところ。路地の中に煙突が見える。近辺には「三国新温泉」「三国中央温泉」と三国を冠する銭湯が3つあるが、その中で最も質素でつつましやかな銭湯がここ。 大阪レトロの伝統スタイルともいえる凸型玄関に、モザイクタイルで形成された屋号がデカイ。 淀川区に多いパターン暖簾をくぐると、1鉢のベンジャミンがお出迎え。そのうしろには小さなタイル絵がひっそり隠れている。むむっ、できる・・・。 心ニクイ演出引き戸を開けると、木の番台に柔和なばあさんが座る。 脱衣場はさほどの濃厚レトロではないが、男女仕切り壁や神棚、柱などは昔ながらのもの。高い天井は横木で天板を支えるタイプ。壁は化粧合板だが、あえて古い土壁ふうのものが選ばれている。なかなか落ち着く空間だ。 こじんまりとした浴室へ。出ました石畳の床、すきまにタイルはめ込みタイプ。 湯舟は中央やや隔壁寄りに、黒御影石の深・浅、その奥にタイル貼りの座浴ジェットと並ぶ。 奥の壁には「湖畔の宿」っぽいモザイクタイル絵があり、入口横には立ちシャワー。 壁やカランまわりはきれいに改装されていて一見とくに変哲なく見えるが、カラン下には湯舟と同じ黒御影がどっしり据えられ、その奥に濃紺の懐かしい豆タイル(の新品!)がはめ込まれている。古い銭湯らしい味わいを大事にした、そのちょっとしたセンスに感心させられる。 そして湯舟フチ外側の座り段も黒御影石だが、これも、もしかして新品か? とにかくきれいでツルッツル。 しかしこんなことに感心している場合ではない。 深い主浴槽の給水口に金網籠が吊り下げられている。なんだろうと思って見ると、中に生のレモンが丸ごと、いっぱいに詰まっているではないか。 近くへ寄ると、プーンと漂う柑橘系の香り。 なんと心のこもったおもてなしだろう。 平日7時ごろに入ったが、近所の人たちが入れ替わり立ち代りやってきて、常時10人くらいで賑わっていた。 帰り際には、番台のばあさんが柔らかい笑顔で、何度も「おおきに、ありがとうございます、おやすみなさい」と丁寧に言ってくれる。 ボロ銭ぽい外観でありながら、すっきり美しい玄関先、浴室のニクイ改装センス、生レモン風呂の心づくし、そしてばあさんの超好感度な応対。 設備はないのに流行っているのもうなづける。古くて小さな銭湯の生きる道がここにくっきりと指し示されている。 (04.6.8) |
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末広湯★
きたがな〜。「おばあちゃんの家」系の郷愁銭湯。 阪急三国駅から南西へ徒歩数分、ちょっとややこしい路地の中にある。 右書きの屋号はこのあたりに多いモザイクタイル製中はとにかくこぢーんまりしている。格子になった天井に木の扇風機が設置され、板の間に年季の入った木のベンチが2つ。男女仕切りの上には白黒テレビ(映らない)と神棚。隅には、明らかに戦前モノの身長計。そのへんに貼ってあるポスター類も時の停止を感じさせる。ロッカーのみ新しい。 ![]() (左)黒光り度100%の材質感 (右)木の扇風機はちゃんと動くそうだ そしてこじーんまりの浴室もきたがな〜。床は石畳で隙間は市松タイル貼りという僕の一番好きなパターン。湯船は古い御影石が使い込まれてツルッツル。男女仕切り側に、熱くて深いのとぬるくて浅いのの2つのみ。深いほうにはヘルスパー(文明湯参照)がある。入口横には細かいタイル貼りの水鉢。 そして特筆すべきは、仕切り壁にあるタイル絵。54枚の白タイルに、富士山と天女が描かれている。小さいが感じいい。 狭い空間に、渋いものたちが最小限ずつそっと息づいている。湯船に浸かって、ガラス越しに脱衣場の上の窓から向かいの家の庭木を眺める。 止まっている。なにもかもが。そして客は俺一人。最近世間じゃ「癒し癒し」ってうるさいわけだが、四の五の言わずにここに浸かれと言いたいね。 番台のばあちゃんに聞くと、築90年だそうだ。戦災も運良くまぬがれ、阪神大震災でもスキマ一つできなかったんだと。ちなみにばあちゃんは84歳、「パートで」30年間も番台を勤めている。先代のばあちゃんは91歳まで番台に座っていたそうだ。 そう、この銭湯の番台は、ばあちゃんでなければならんだろう。
たまたまこの日は前の道路が工事中のためちょっとうるさかったが、そうでなければ静寂そのものに違いない。また来るよ、ばあちゃん。 (03.11.18) |
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寿湯
阪急十三駅東口からちょっとややこしい道を徒歩10分くらい。 住宅地の中に現れる美しい白壁がこの銭湯だ。大阪伝統の凸形玄関に、屋号はモザイクタイルで書かれてあって、上品さをさらに引き立てる。 大阪北部に多いパターン中はかなり重厚な雰囲気。格天井の下足室の正面には、おそらく富士山と思われるタイル絵があるが、看板で隠れている。惜しいなあ。 ![]() (左)下足室の天井 (右)年季の入った上がりがまちと隠されたタイル絵 中へ入ると、楕円形を半分に切ったような曲面の木の番台におかみさんが座る。 広々した脱衣場は、高々と紅白に塗り分けられた折り上げ格天井。そこにちょっと不思議な、下向きに開いた傘に蛍光灯を何本もくっつけたような照明器具がぶら下がっている。 男女仕切り壁も古い木製。ロッカーは新しいが、脱衣所中央には古い木のベンチが置かれていていい感じ。前栽に飛び出た外便所もタイムスリップ系の逸品だ。 浴室もけっこう広い。床は石畳で、石の隙間に青と白の角タイルが市松模様にはめこまれている。 湯舟は中央に黒御影石の深浅主浴槽がドーン。奥にジェット&気泡の寝風呂と電気風呂が並んでいる。手前には入浴剤風呂があり、その半分はうたせ湯の機械が設置されているが機能していない。 カランまわりには、ちょっとマジョリカタイルふうのでこぼこした僕好みのタイルが張られていて嬉しいなっと。 でも湯舟はどれも湯温がややぬるめで、しかもお湯が湯舟のへりから10cm下あたりまでしかないのが僕的にはちょい残念だ。 奥壁には男女隔壁をまたいで、滝を描いた立派なモザイクタイル絵もある。 なかなか味わいごたえのある、どっしりとした銭湯だ。 (03.10.27) (05.3.24、写真追加&加筆) ![]() (左)美形なる正面 (右)夜になると灯る電灯が雰囲気よし |
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新木川温泉△
阪急電車の十三駅から東へ10分ほど歩いたところにある。 下町の中に突如現れる、レトロチックでしゃれた洋風の素晴らしい外観。アーチ型の入口と、細かく貼られた屋号周りのタイル使いがなんともいい感じ。「ほぅーー」としばらく見とれてしまう。 ただ外壁の青ペンキがちとケバイんだが。 ![]() (左)青い板の外壁 (右)屋号の後ろは黄緑色の細かいタイル この銭湯は、間取りが変わっている。 靴を脱いで戸をあけると、番台がフロント式に戸のほうを向いていて、おばちゃんが座っている。おばちゃんの後ろは壁で、脱衣場は右手にある。そして浴室は、ちょうど番台のおばちゃんの背中の壁の反対側になる。 ようするに、普通の銭湯は、暖簾の向こうに下足室--脱衣室--浴室と順に並んでいて、間口が狭くて奥行きがあるかたち。ところがここは、どうやら間口のほうが奥行きより長いようだ。 脱衣場はロッカーなどはごく普通の感じだが、壁や床にほころびが目立つ。壁はベニヤ貼りでところどころ浮いているし、床はタイルの継ぎ目などがガムテープで補修してある(しかも貼ってからけっこう経ってるな)。柱とのスキマが微妙に開いている感じからすると阪神大震災の影響を受けたと思われるが、それにしても補修が大ざっぱで素人仕事。敷物類もかなりキてる。 浴室に入ると、まず壁の上部から天井にかけてベッタリ塗られた青ペンキが目に飛び込んでくる。青い天井の銭湯はままあるが、ここまでドギツイ色は初めてだ。しかも塗り面がちょっとデコボコしてるぞ。ちょっと「倉庫」っぽいイメージ・・・。 中央の主浴槽は石造りで、中央に「ヘルスパー」がある。その奥に気泡(ぬるい)・薬湯(生薬入り)・電気がL字型に並んでいて、設備は一通り。 が、気泡浴槽は形が妙に中途半端。そして気泡・薬湯ともに、湯船の半分くらいは石造りだが、途中からタイル貼りのツギハギになっている。壁のタイルの補修なんかも、まあよくいえば手づくり・・・。 出入り口上部にはせっかくアーチ型のガラスがはめ込まれているのに汚れているし、出入り口の戸も相当ガタがきてる。 外観は素晴らしいし、石造りの湯船もあるし、一通りの浴槽も揃っているんだが、やはり脱衣場のガムテをはじめくたびれた内装はややつらい。 全体をセンスよく改装すれば名銭湯まちがいなしなんだが。 (03.9.18) |
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金川温泉
タイル絵が雑誌などでも取り上げられる有名銭湯。 JR塚本駅から北へ10分ちょっと歩くと、工場と住宅が混在する一角に無骨な表情で現れる。和風の外壁に丸窓、モダン凸型デザイン、そして金属パネル。昭和20〜30年代の銭湯建築を凝縮したようなちょっと珍しい外観だ。 暖簾をくぐると広めの下足室。正面には章仙作の宝船のタイル絵があるが、残念なことに広告などで隠されている。 ![]() なんでこんな張り方するのよぉ〜 靴を脱いで戸を開けると、古い木の半楕円番台にオヤジが鎮座。前栽に外便所のある昔ながらの様式だが、壁や天井、ロッカーなどは昭和中期的な新建材で改装されていて、イニシエ度はさほど高くない。 浴室は思ったよりこじんまり。天井は四角錘に湯気抜き、床は石畳でスキマに水色タイルはめこみ、そして中央に黒御影の深浅主浴槽という、大阪の伝統的な古いスタイルだ。 奥壁に鯉の滝登りのタイル絵がある。もちろん章仙作の九谷焼。その手前に、あとから増設したっぽい岩風呂風の浴槽がある。立派なタイル絵と岩とがうまくマッチしていて、なかなかの風情だ。 ただしここは電気風呂になっている。でも電流が異様に弱い。過去最弱だ。もしかしたら、タイル絵に魅かれてこの湯船に入った人を驚かさないためかもしれないな。 他に、2連ジェット(弱い)、うたせ湯、水風呂、乾式サウナ(バスタオル100円)、サウナ脇に水鉢もある。改装してからだいぶ経っていそうだが、古い小銭湯にしてはなかなかの設備。それでいてカラン下の段も御影石だったりと、渋い味わいも十分残っている。 そしてもう一つの見所は、男女仕切り壁のタイル絵。関西では珍しく、端から端まで描かれた大きなものだ。だいぶかすれているが、鴨や鶴などの水鳥が遊ぶ水辺の風景で、「九谷 暁舟画」のサインと「鈴栄堂」の朱印あり。章仙師のお仲間なのだろう。 上がりは飲み物もいろいろ。 昔ながらの石材やタイル絵などを残しながらも時代に応じて設備を付け加えていった、ありそうでなかなかない印象的な銭湯だ。 (05.1.28) ![]() |
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