チープに極楽。生きててよかった!

東海の名銭湯 【岐阜県】
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長寿湯 ★(大垣市)

桃の湯 ★(高山市)
梅の湯 (高山市)
神田湯 (高山市)(08.1.15)

長寿湯 

大垣市南切石町1丁目82
電話 0584-78-7487
【営業時間】16:00〜21:30
【定休日】水曜日

【入浴料金】350円

 大垣駅より南へ1キロ半ほどゆけば、芭蕉翁がたどり着きし「奥の細道むすびの地」あり。芭蕉詣での善男善女はみなそこで引き返せども、そのまま南へ川沿いに歩みを進めて約1分で、右手の路地に見えし煙突。
 前まで行きて、われ立ち尽くす。
 赤壁ぞ! 敦賀の千鳥湯以来の赤壁銭湯ぞ。しかも3層屋根の貫禄、いと堂々たり。

 
(左)うだつ部分のカーブも見もの   (右)近くの全昌寺にも同じ彩色の建物あり

 中へ入ると間口分のタタキ、木の番台ありて古きオヤジ鎮座せり。
 脱衣所は外観同様、いにしえの空間そのまんま息づきまくる也。木のぬくもりパーフェクトに全開し、やんごとなきホッコリ感いとおかしう充満しつる哉。

 
(左)番台や湯屋繁盛が夢の跡   (右)のびのびと湯の香かぐわし格天井

 
(左)脱衣箱いちばん奥へ薄財布   (右)いにしえの風情をつなぐ欄間かな

 
(左)階段の下にもありし脱衣箱  (右)白猫に籠をとられて使えねぇ

 われ全裸となりて浴室へ。古きタイル張りの中型浴室なり。
 男女隔壁ぞいに深き主浴槽、ジェット2連&気泡が豪快に噴出しつるかな。その奥、電気風呂と薬湯(じっこう)もありて我うれしかるかる。
 湯舟のへりを眺むれば、1×2cm大の深緑色いや濃抹茶色に鈍く光りしイニシエの豆タイル、びっしり張られたるもいとおかし。
 かかり湯なせば、たちどころに我そのやわらかき湯質のよさに感服するなり法隆寺。地下水特有のほのかな香り、湯気にほんのり漂う哉。首まで浸かれば豪快気泡と相まってチョー極楽なり。

 壁のタイルなどそれなりに痛みあれど、カランまわりは高さやミゾ位置などのデザイン使い勝手やよし。古き浴舎なれど清潔なりて心地よし。
 奥壁に富士山壁画ありて我小躍りしつつ、近寄りて見るに単なるシールじぇねえかコノヤロー。もとい、かくのごときもサービス精神の現われと愛すべし。

 出入り口横に水鉢あり、なほその横に女湯とつながりし湯鉢あり。大阪的「ルルドの泉」にかくも遠き美濃の地で出会うとは、これ嬉しきサプライズなり。

 上がりは地元牛乳ほか飲み物あり。番台オヤジに聞きたるに、昭和10年代の建物とのことなり。
 われ入りし4時台、先客1名あれど途中より貸切状態となりにけり。
 いにしえ度、ほっこり度、水質、設備、清潔、どの点でも渋銭ファンなれば間違いなく満足できる名銭湯なり。

 長寿湯や芭蕉想ひつ脛洗う  (05.4.8)

桃の湯 

高山市朝日町24
電話 0577-34-3520
【営業時間】15:00〜22:00
【定休日】金曜日

 古い城下町に、この構え。しびれますなあ。

 高山駅から北東へ徒歩10分くらい。
 残念ながら僕が高山へ行った日はこの銭湯の定休日だった。でも外観を見るだけでも・・・と訪れたら、ややっ、暖簾がかかっている。これはラッキー!
 と喜び勇んで中へ入ると、広い土間に古い木の番台、おばちゃんが座っている。でもおばちゃんは僕を見た瞬間、困惑の表情。
 え? やっぱり定休日って? でもお客さんがいるし、いったいコレは・・・。

 
(左)屋号大書きの堂々たる暖簾   (右)堂々たる看板

 玄関小屋根の下にも堂々たる屋号

 なんと、たまたまこの日は2ヵ月に1度行われている市の福祉事業、老人無料サービスデーだった(13〜17時)。脱衣所の真ん中で保健婦がお年寄りの血圧を測ってらっしゃいます。
 だけどもおばちゃん、「いいよ」とおっしゃるので、お言葉に甘えて入らせていただくことにした。お金を払おうとすると、「いや、いいよ」とおっしゃる。
 というわけでタダ風呂にあずかってしまったよ皆の衆。あはははは〜超ラッキー!

 
(左)脱衣所に入り込んだタタキ、下駄箱なし  (右)古い木のロッカー2種、鍵はほとんどなし

 せっかくだから僕も血圧を測ってもらった。保健婦さんに「風呂に入っても大丈夫」とのお墨付きを得て、服を脱ぎはじめると、さすがに保健婦さんは女湯側に消えていった。

 板張りの広い脱衣所は部分的に改装されているが、元はかなり古そう。ロッカーの一部には、因島の紅梅湯で見たのと同じ「内側落とし錠」の痕跡があった。
 番台のおばちゃんは、いつごろの建物か知らないと言う。横にいたお年寄りに聞くと、「昭和8年か9年の建物」だそうだ。「その前のは火事で焼けた」らしい。

 
ロッカーの番号は、屋号にちなんだ桃の模様の中に打たれている

 浴室の入口がちょっと変わっている。普通は奥の中央にあるもんだが、ここはスミッコに流しスペースがあり、そこを通ってナナメに浴室へ入るかたち。だから脱衣所から浴室はまったく見えない。

 流しスペース床のタイル、いいねぇ

 浴室も広い。改装して20年くらいの感じ、花柄ベージュのタイル床が落ち着いた雰囲気を醸し出す。
 広さの割には小ぶりな深浅主浴槽が奥にあり。奥壁に岩があしらわれ、そこから湯が落ちてくる仕掛け。お湯はやや熱めの42度強〜43度くらい、水質のよさを感じさせる。
 男女仕切り壁沿いには、薬湯(じっこう)と電気風呂の湯舟が並んでいる。薬湯は35度くらいか、ぬるめで実に気持ちよろすい。
 それぞれ仕切られた立ちシャワーも2機ある。カランやシャワーの出もよく、使い勝手もよろすいね。
 古さと新しさがほどよくブレンドされた、どっしりと存在感のある名銭湯だ。  (05.1.14)
 
(左)玄関脇の杉の木がナイス  (右)傍らには小さな祠があり、その後ろに薪が積まれている

 外にはつらら、中はぬくぬく

梅の湯

高山市名田町5丁目78
電話 0577-32-4541
【営業時間】15:00〜21:00
【定休日】月曜日

 これまた堂々たる見事な構え。ほれぼれするなあ。
 高山駅から広小路通りを東へ数分歩き、ちょっと北へ路地を入ったところ。いきなりデーンと現れる。でっかーい! 迫力満点の純和風木造建築。破風の小屋根は桃の湯より高くてさらに威風堂々でございます。

 
(左)おぉっ!と声を出さずにいられない  (右)破風の先端には「ゆ」の金文字

 
(左)渋いですなあ・・・嘆息   (右)横幅が広くてカメラに収まりきらない

 そしてまたこれ以上ないっつーくらい渋いオリジナル暖簾をくぐって戸を開けると、横長のタタキ。古い木の番台にかなりご高齢のばあさまが座っている。下駄箱はなく棚のみ。

 ところが、桃の湯よりやや狭い脱衣所は、意外にも床・天井・壁などが新建材で改装されている。床はビニールカーペットに籐のマット。男女隔壁や木のロッカーだけ古い。ロッカーの番号は、桃の湯は桃型の小さな板に打たれてあったが、ここは梅の花型の金具に書かれてある。2湯は永遠のライバルかも。
 しかしそんなことよりもっと意表を突かれたのは、脱衣所に響き渡るヘビメタ音楽。男女隔壁の上にラジカセが置かれているんだが、なぜこの建物でヘビメタなのか。しかもパンクというかサイケというか、それ系のおどろおどろしい曲調のヘビメタだよ・・・。

 浴室も新しく全面改装されていて、古さなし。
 深浅の主浴槽は42度くらい、奥にあるジェット2連と薬湯(気泡つき)は41度くらいか。カラン・シャワーの出もよく、毎日の使い勝手はよさげだ。でも建物外観から想像したイニシエの味わいはなく、俺的には残念。

 上がりは飲み物販売あり。
 飛騨牛乳カフェオレを飲みながら、依然として鳴り響くパンキッシュでサイケデリックなヘビメタに脳髄を切り裂かれる。古めかしい純和風建築と、番台のばあさまの柔和な笑顔と、この破壊的な音楽とが、信じがたい不協和音を奏でながら全裸の一観光客に襲いかかる。
 この日は体調が悪かった俺は、もうズタボロ。このあとホテルで寝込んだのは言うまでもない。  (05.1.14)

 
夜になるとさらに雰囲気満点。まさかこの中であんな音楽が・・・
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神田湯

高山市神田町1-29
電話 0577-32-3602
【営業時間】14:00〜21:00
【定休日】日曜日

 桃の湯からさらに北へ数分歩き、西小を過ぎたら、前方左手にまたもや古風な伝統銭湯の登場だ。桃、梅よりもやや小ぶり。

 
(左)寒い冬の夜に浮かぶ「ゆ」の暖簾   (右)渋いタイルと雪かきスコップも見えとるで

 
(左)金色に光る屋号   (右)玄関小屋根の格天井と朽ちかけたヒサシの裏側

 開けて入ると広めのタタキがあり、古〜い木の番台にバアサンが座っている。地方でしばしば見かける空中番台(番台の下は空洞になっている)だ。
 脱衣所は横長で、高度成長期的に改装されてはいるが、それももうだいぶくたびれつつある。

 雑然感に生活密着ぶりが伺える

 寒いので手早く服を脱ぎ、浴室へ。こちらは普通に縦長だ。
 ガラスブロック壁で男女が仕切られ、それに沿って深浅の主浴槽がある。豆タイル張りの湯舟のフチは厚みがあまりなくて、手のひらできゅっと掴めてしまう。

 湯舟の湯は・・・おや、ちょっとぬるいぞ。外は雪やっちゅうのに、もっとアツアツにしてほしいところ。
 深風呂の奥からはジェットが噴出しているが、その下にカゴが沈んでいる。壁を見たら「備長炭風呂」の看板、ここはぬるめの備長炭風呂にゆっくり浸かるというスタイルなのかな。
 奥には小さな副浴槽があり、薄茶色の薬湯が張られている。主浴槽よりもややあったかい。

 で、この銭湯の最大の見ものはモザイクタイルの壁画だ。
 奥壁からさらに横壁中央の窓のところまで2面にわたる大画面で、3艘の宝船が海を渡る図が描かれている。宝船が3艘だ。景気がエエぞ。

 でも窓側に並んだカランの湯はぬるく、シャワーもいつまでたってもぬるいままだった・・・寒い日だからこそ宝船3艘の迫力で景気よく熱湯をぶちかましてもらいたい。
 出入り口の横に立ちシャワー(もちろん水)もあり。

 夜6時半ごろ、先客はじいさん一人、あとからおっちゃんが一人来た。(08.1.15)

 最初と最後の写真は05年、他は08年に撮影 
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