チープに極楽。生きててよかった! |
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【熊本県】の廃業した激渋銭湯 | |||
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くすり湯 △(廃業)
濃い〜。いろんな意味で。 路面電車の新町または蔚山町から歩いて5分ほど、何度か角を曲がったところ。表通りに小さな看板が出ている。 (左)表通りの小さな看板を見落とさないように (右)夜 そこに細い路地があり、奥に怪しき灯あり。 暖簾は出ていない。電灯の上に「電信町 くすり湯」と書かれた看板があるから銭湯なのだろう。そしてどういうわけか、すべての窓ガラスにガムテープがバッテン状に貼られている。 さすがの俺も入口でしばし立ち止まる激ディープな雰囲気だ。暗くてよくわからんが、古い木造2階建てらしい。 (左)細い路地奥で怪しいオーラを放つ (右)昼間 (左)ビギナーは若干の勇気が必要(たぶん) (右)昼間 「男湯」と書かれたほうの戸を開けて入ると、横に長いタタキになっており、番台にオヤジが座っている。 正面はいきなり広々した脱衣所だが、ちょっと薄暗い。黒々と年季の入った幅広の板張り床は、忍者屋敷かなんかのウグイス張りを思わせる。 壁のあちこちに棚があり、常連桶が所狭しと並べられている。さらにタオルなどが干されたハンガーもずらっと並んで生活感満載。2階への階段も桶置き場になっている。濃いですな・・・。 丸い籐籠がたくさん積み上げられているので、それを使う。浴室との間は全面古い木枠のガラス戸で、浴室の中がよく見える。かなりのイニシエ保存度だ。 (左)江戸時代っぽい独特の雰囲気 (右)常連桶 浴室も広いが、湯気が立ち込めてやや薄暗い。ドーンと高い四角錘天井で、中央に四角い湯気抜きが開いている。 外壁側は全面が大きな木枠の窓だが、この窓にも×ガムテープが外から貼られている。割れたときに飛び散るのを防ぐためなんだろうが、はがれて垂れ下がっているテープもそのまんま。なかなかすごい光景だ。 湯舟は奥に主浴槽、奥壁に設置されたパイプに開いた6ヵ所の穴から熱湯が滝状に落ちているのは珍しい光景。別の角からは水が常時注がれてかけ流し式になっており、41度くらいに保たれている。 窓側の奥には硫黄臭のする薬湯槽、ハップかな。こっちは44度くらい。かなり濃い乳レモン色で、指を第一間接まで漬けたらもう爪は見えなくなる。並みの銭湯でこれほど濃い薬湯にはお目にかかれない。これはポイント高いぞ。 湯は熱いが、天井が高いうえ古い窓から外気が侵入しているようで室内温度は低く、なんとなく露天の温泉のような心地がせんでもない。 出入り口横には水風呂があり、熱いくすり湯との交互入浴は相当ぬくもる。これはちょっとハマりそう。 カランは壁と島、合わせて10ヵ所くらい。 おや、男女仕切り壁の上には、箱型の電光板にこの銭湯のいわれが書いてあるぞ。これはなかなか読ませる。 「電信町のくすり湯は庶民の霊泉として、遠く島原・天草は言うに及ばず、関西・中国・四国からも入湯に来られて居ります」 「電信町のくすり湯は日本の三大人工温泉として・・・」 残りの二ヵ所はどこや? 夕方6時台、先客2名、あとから3〜4人がやってくる。 外観や全体の雰囲気はかなり濃厚だが、この熱いくすり湯の魅力でしっかりと固定ファンがいそう。俺もたっぷり長湯した。 (2005.12.13) ふしぎな魅力 ※昼間および内部の写真は2012年8月撮影、追加 |
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菊の湯 △
熊本市電の新町電停から西へ3分ほど歩くと、薄緑が薄汚れたような古めかしい2階建てが現れて、それが銭湯だったりする。 ただものならぬ渋さに軽く目まいを起こしまっせ。 (左)玄関部分が入り込んだようになっている (右)出たナナメの金属取っ手! (左)ラドンの効能ありがたや〜 (右)戸を開けるとタタキそして脱衣場から浴室まで素通し このエントランスのレトロっぷりが濃いわ深いわもうタダもんやない。 この手のレトロ玄関ではタタキに番台が置かれていることが多いが、ここでは靴を脱いでかまちを上がってからの脱衣場に番台がある。 番台には感じのいいおかみさんが座っている。 (左)脱衣場から玄関方面 (右)浴室方面 脱衣場もレトロなムードいっぱいで、けっこうモノが多く雑然とした感じ。 印象に残るのは、天井の高さが2段階になっているのと、その段差部分にトラス式鉄橋みたいな補強の梁が入っていることだ。 (左)手前は天井が低い (右)奥側は高い 天井の高さは80cmくらいの差があるだろうか。 おかみさんによると、この銭湯は昭和12年に建てられ、奥の高いほうの天井部分は当時のまま。手前の低いほうは、昭和40年に改装したときに2階部分を建て増ししたことによる。トラス式の補強もそのときに入れたそうだ。 先客が浴室に2名ほどいるが、脱いだ服は丸籠に入れてそのへんに置かれている。俺もそのようにして風呂場へ。 浴室は奥に細長い。細かいタイルで形成されたイニシエ空間だ。 主湯は奥のほうの男女壁に沿って、手前が深、奥はジェットの2槽。仕切られてはいるが、奥からのジェットの勢いで手前の深風呂へとお湯が押されて流れ込んでおり、そこへ浸かると湯船からザーっとあふれる贅沢構造だ。42度くらいの適温で気色よろしい。 右奥にはバスクリン系の薬風呂。こちらはややぬるめ。 カランにはシャワーもついているが、待てど暮らせど水のまま。ま、この手の激レトロ系にはままあることね。カランからは湯が出るから問題なし。 上がって、パンツ一丁でウメスカッシュを飲みながらしばし放心。なんともいえん時代錯誤感覚に身を任せる。 しかしまー、こんな感じの古びたまんまのマンマ風呂はもう関西ではめったに出くわさなくなったなぁ。 (2013.11.5) |
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末廣(末広温泉)(廃業)
熊本県公衆浴場組合のホームページを見ると、温泉シティ山鹿に「末広」という組合加盟の風呂屋があるらしい。末広湯でも末広温泉でもなく、ムキダシの末広。 検索してみたら、旅館兼業の温泉銭湯のようだ。泊まってみたいなぁと思っていたら、なんと楽天トラベルで出てきたわ。もちろん即決。 で熊本の交通センターからチンタラ走る路線バスで約1時間、温泉プラザ前下車。目の前に、見事に再建されたさくら湯が堂々とたたずんでいる。 その裏側が観光案内所になっているので聞いたら、末広は道路挟んでナナメ向かいのすぐそこだった。 (左)浴場の側面はおしゃれな蔵ふう (右)正面にまわると・・・おお! 冒頭写真のように旅館と浴場が90度の角度で接している。右側の奥が「旅館末廣」。そして左側の手前部分が浴場で、地元の人たちが風呂道具を持って入りに来ている。 温泉シティの温泉プラザの真ん前であるから、言うまでもなく源泉かけながしの極楽風呂だ。 入口の突出ブースがなんともかっこよろし。 (左)温泉情緒が盛り上がる (右)玄関タタキと番台ブース 俺は泊り客だから、この入り口ではなく横っちょの旅館側から入った。でも一般客はここから入り、突出部の裏側に位置する番台で風呂銭を払う。 それにしても150円ってヤッスー。 (左)ここには「末広温泉」と書かれている (右)番台前から見た脱衣場 俺が入ったときは番台に誰もおらなんだ。その場合は150円をそこにある皿に入れておくのだろう。九州ではよくある全解放人間信用方式だ。 脱衣所は籠とタナとベンチだけで、コンパクトかつ簡素。 (左)ロッカーなし (右)脱衣場から見た浴室 浴室へは4段ほど降りる。ケロリン桶が大量に積んである。「泉質ですべりやすいのでご注意」みたいな張り紙がある。 浴室内はとってもキレイ。タイルも、2槽ある湯船フチの白い大理石みたいなのもピッカピカだ。そこを超透明なお湯がゆっくりサラサラと溢れて流れていく。なんか神々しさを感じるぞ。 んで注意書きの通り、油断するとツルリっといきそうな足裏ざわり。 (左)美しすぎると怖くなる (右)でかいライオンヘッドからザーッ! お湯は、そうとうぬるめだ。山鹿は全体にぬる湯の温泉だが、その中でもぬるい。とくに手前はぬるくて人肌より少し温いくらいか。 奥の小さいほうはもう少しあったかいから、若干加温してるんかな? それでも普通の銭湯に比べたらぬるいことには違いない。 ここはぬるーいお湯にゆっくり入るスタイルなのだね。 泉質は文句なし。なめらかツルツルの絶品だ。ちょうど他客は誰もおらんし、もう土座衛門のように浮かんでダラダラ漂うしかないな。 いやもう都会での暮らしを思うと笑ろてしまいまっせほんま。 カランからももちろん温泉 旅館のほうも、古き良き旅館のたたずまいながら、清潔でなかなかよろし。 (左)旅館の廊下。部屋の引き戸が味わい深い (右)タイル造りの流し場が渋い (左)部屋の入り口の床 (右)6畳間、障子の向こうには3点セットの板の間あり 山鹿の中心部に立地し、近くにいい飲み食い処もあって非常に便利だ。 ただし経営者はほとんど愛想なしで、その点だけちょっと残念かも。しかしまあ泊まるには過不足のない快適な宿だった。 (2013.11.5) |
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恵比寿湯 △(廃業)
JR荒尾駅から北へ数分歩くと、見えてくるのは四角い白ビル・・・いや、玄関や窓上には瓦の載った小屋根や庇が・・・そして煙突が。 銭湯だ。しかもこれ、出たぞ和洋折衷激レトロ! 番台部分飛び出し型の渋い玄関、そしてその上のタイル屋号が貫禄だ。正面にはえべっさんのタイル絵もあるぞ。 (左)モダンな造り (右)えべっさん (左)タイルづくりの屋号が最高 (右)味わい深き表示 入ると狭いタタキで、番台におかみさんが座る。 脱衣場の天井は低めで、島列ロッカーもあるのでやや狭い印象。古い建物だが、そこそこ新建材に換えられている。 (左)ああこの郷愁 (右)白塗りの板張り天井 ともかく裸になって浴室へ。 と・・・ナント! 中央部に位置する主浴槽様は・・・まぎれもなく前方後円墳ではないか。なぜなんだ。こんなのはじめて見た。 よくわからないが、とにかく絶対これは貴重だ。 白セメント補修が泣ける 湯舟のふちには深緑色の細かな長方形豆タイルが貼られているが、手仕事の白セメン補修で半分ほど埋もれている状態だ。浴槽側面には白セメンに埋もれながらも「恵比寿湯」の文字が見える。 セメン補修は床や壁など随所に及んでいる。奥壁には金魚の水槽が埋め込まれているが、このガラスもずいぶんヒビが入っているのを白セメンで強引につなぎとめられている。その半分ほどしかない水の中で、かろうじて金魚が泳いでいる。 応急手当のまま年月が過ぎ、それがもはやこの銭湯の味にさえなっている。 (左)右奥の金魚水槽まで白セメン補修 (右)排水溝が渋い 湯はぬるめで42度弱。奥に副浴槽があり、緑色の薬風呂になっているが、こちらはもっとぬるい。 床は全面傾斜排水型。排水溝付近にも渋い石が使われている。天井では長方形の湯気抜きがナナメ格子で覆われている。 年代もののあまりB級感は拭えないが、ここでぬるめの湯につかりながら常連のじいさんとポツポツ語らっていると、もう現世も日常も常識もなにもかもがセメンの下だ。 帰りは番台のおかみさんがあまりに気持ちよさげに熟睡されていたため、話は聞けなかった。 (2008.4.8) |
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田町温泉 (廃業)
世界最大のカルデラ活火山、阿蘇。なんせ火山の中に田んぼがあって町があって鉄道が走ってるんやから笑えるぜ。 カルデラ内で最大の温泉郷・内牧(うちのまき)には、地元民ご用達の「町湯」が9軒もある。 その中で最も素朴ちゅーかボロいのがここ。青ペンキで塗られたトタンの外観を見ただけでじわ〜っと来ます。 入口に「町湯マップ」が掲示されている 箱に100円入れて中に入ると脱衣所、タナ式ロッカー。木のベンチもある。そして浴室は・・・コレモンです。もはや言うことなし。 極楽の情景 新鮮な湯は手前の浅い湯舟に注がれ、奥の深い湯舟へと流れてゆく仕組み。 壁に「下湯から入るように」と書かれている。下湯とは奥の湯のことだろう。湯の清潔を保つためだな。 薄茶色の湯は、注ぎ口でも40度ないくらいのぬるさ。奥は38度くらいか。しかしこれが暑い夏にはなんとも気持ちエエわけよ。のぼせもせずにダラダラ長々と入っていられる。 泉質は「含石膏苦味芒硝泉(緩和性低張性高温泉)」がどうたらいうらしいが、日本語で言うなら、ようするにヌルっとした感じはなくてキュッとしてるんだけどサラッとやわらかーい。 ひとことで言うならば、しあわせ、というやつかな。おほほ。 (左)浴室天井も最高。男女仕切りの看板も味がある (右)湯の花たくさん お湯もエエが、この建物の風情がまたよろし。開け放たれた窓の外は、のどかな田舎風景。なんかね、チャプチャプっときてノホホンっときて、あんたがったどっこさ、ひっごさ、ひっごどっこさという感じかな。わかる? わからんか。ははは。 まあこういう風呂は言葉で説明しようにも限界がある。行けば即わかるんだが。 午後3時、はじめは貸切。とちゅうで肩口にいれずみのある地元オヤジが一人入ってきた。のんびり度トップ・オブ・ザ・アソ。(2007.8.18) |
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人吉温泉 (閉館)
人吉駅から南へ徒歩数分、球磨川の堤防に近いところを歩いていると、こじんまりとした蔵っぽい建物が現れる。その名も「人吉温泉」。これまた雰囲気のある、古いけどちょっとかわいい感じの外観だ。白壁がレトロムード。 さっそく入る。すぐ番台があり、おばちゃんに300円を払ってから靴を脱ぐスタイル。狭い脱衣室にはスチールロッカーがある。 浴室も狭いが、誰もいない。男女仕切り側に4〜5人サイズの古い湯船が一つ。反対側に、湯温自動調節式の真新しいカラン&シャワーが5つくらい並んでいる。かわいいミニ銭湯だな〜。 湯気もうもう そして湯は、おっ、薄いけど黒湯の掛け流しだぞ。トプーンと入る。42度くらいか。湯の触感にはさほど特色はないが、ややツルスベ系。 外はかなり寒くて手足が冷え切っていたこともあって、あぁ・・・こりゃマジ極楽じゃわ。伸ばした体を裏返したり表返ったり。貸切だとこれくらいの広さで十分だな。 湯の注ぎ口にコップが置いてある。飲むと無味無臭。 隅にぬるいかかり湯もある。 (2004.1.24) →人吉旅行記 |
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