チープに極楽。生きててよかった!
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| 新温泉 ★(人吉市) 人吉温泉 (人吉市) 堤温泉 (人吉市) 元湯温泉 (人吉市) 相良藩願成寺温泉 ★(人吉市) しらさぎの湯 ★(人吉市) 岩の湯 ★(葦北郡芦北町) |
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新温泉★
複雑な多重構造の屋根。年季のにじみ出る板壁。いぶし銀とはこの銭湯のためにある言葉だろう。 銭湯の聖地、人吉。その中でも伝統的温泉銭湯の総本山とも言うべき、あこがれの新温泉だ。2年ほど前に来たときは「湯量減少のため女湯のみの営業」で入れなかったが、執念で再訪し、ついに入湯したぞ。 夜の雰囲気がまたたまらない人吉中心部の繁華街から細い路地を少し入る。と、とたんに時空を超えるような、古い建築物特有の強烈なオーラがあたりを包み込み、やがて静かにこの銭湯が姿を現す。再びめぐり会えた幸せを感じないわけにはいかない。 おごそかに灯る看板。今度こそ、男湯も大丈夫だ。人吉の町の歴史をすべて目撃してきた木戸を、厳粛な気持ちで開ける。 そこはもはや俺風情の貧困なる表現能力をはるかに超越した、目もくらむような激渋空間。どうしようもなく年季の入りまくりまくった番台には、50前後とおぼしき上品な美人のおかみさんが座る。 そして幾多の渋銭湯を踏んできた俺を圧倒するかのごとく、目の前に黙って広がる板の間の脱衣所。その深い色。そのじじむささ。 俺も黙るしかない。 ![]() ![]() いつの頃からか存在するペンキ絵広告裸になって浴室へ。 高い天井。柱と梁に鉄骨の補強が入っている。 全面にある窓が広く、男女壁も木枠に摺りガラスがはめてある。夜はやや薄暗いが、日中はさぞや明るいだろう。 床や湯舟は、砂利をコンクリで固めた「洗い出し」と言われる工法。南九州の古い銭湯ではこれが一般的だ。そこに長年にわたって湯の成分がしみこみ、えも言われぬ味わいを醸し出している。 湯舟は右と左に2槽ある。左が主湯。モール系のうすい黒湯、すべすべの良泉だ。42度弱くらいの適温だが、奥から出ている源泉は50度くらい。いわゆる掛け流しだが、おかみさんによると「ぎりぎりの量」ということだ。 右側の副浴槽は深さわずか20cmの寝湯。湯温は39度くらいかな、源泉の投入はほとんどない状態だ。でも寝ころんでひんやりと気持ちいい。 ![]() (左)主湯 (右)浅い湯舟 ![]() (左)この年季いかが (右)浴室内から浴室の出入り口を見る 湯の出るカラン2つ、水カランが1つ。 じっくり浸かり、じっくり洗い、またじっくり浸かって、いにしえの精気に包まれる。 たっぷり長風呂したのち、あがってパンツをはき、美人のおかみさんと語る。 「お湯が出ず、1年休みました。くわしい人に見てもらって、やっとこれだけ出るようになりました。再開してちょうど1年です。今日も出てますようにと祈らない日はありません。毎日、お湯が出てるのを確認してホッとします」 それにしても、この麗しい激渋銭湯の湯量が減ったのはなぜなんだ。 「よそも湯量が減ったり温度が下がったりしています。確証はありませんが、あちこちで掘りすぎているせいかも・・・」 品のいいおかみさんは言葉尻を濁した。「おひとよし」な人吉の人は、よそを批判したりはしない。だが人吉の温泉施設はかつての倍ほどにもなっていると聞く。温泉郷とはいえ、さすがにオーバーユースなのかもしれない。 ちなみに「新温泉」という名前は、昭和6年にこの銭湯を開業した人物(おかみさんの祖父)の名前、新三郎さんから取ったものだそうだ。 かつては、人吉に買い物に来た帰りにこの温泉に入って帰る、というのが球磨地方一帯に住む人たちの休日の楽しみでもあったらしい。 「お客さんも減っています。うちも、そう遠くない日に・・・」 おかみさんの笑顔はどこか寂しげだった。この日、俺が入った夜8時前には、先客2名、あとから2名。 どうすれば守れる? まずは人吉市よ、地元の宝に早く気付いてくれ。 (05.12.12) この雰囲気、国宝ものです |
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人吉温泉
人吉駅から南へ徒歩数分、球磨川の堤防に近いところを歩いていると、こじんまりとした蔵っぽい建物が現れる。その名も「人吉温泉」。これまた雰囲気のある、古いけどちょっとかわいい感じの外観だ。白壁がレトロムード。 さっそく入る。すぐ番台があり、おばちゃんに300円を払ってから靴を脱ぐスタイル。狭い脱衣室にはスチールロッカーがある。 浴室も狭いが、誰もいない。男女仕切り側に4〜5人サイズの古い湯船が一つ。反対側に、湯温自動調節式の真新しいカラン&シャワーが5つくらい並んでいる。かわいいミニ銭湯だな〜。 湯気もうもうそして湯は、おっ、薄いけど黒湯の掛け流しだぞ。トプーンと入る。42度くらいか。湯の触感にはさほど特色はないが、ややツルスベ系。 外はかなり寒くて手足が冷え切っていたこともあって、あぁ・・・こりゃマジ極楽じゃわ。伸ばした体を裏返したり表返ったり。貸切だとこれくらいの広さで十分だな。 湯の注ぎ口にコップが置いてある。飲むと無味無臭。 隅にぬるいかかり湯もある。 (04.1.24) |
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堤温泉
人吉屈指のレトロな温泉銭湯だ。大正期に立てられた建物だと。 玄関を入るとフロント・・・だがその形も向きも、どう見ても番台。寒いのでオヤジが番台の中にコタツをしつらえて、それにもぐってミニテレビを見ている。 コタツ入り番台戸をあけるとガラーンとした広い脱衣場、ロッカーはなく籐籠のみ。先客1名。 浴室に入ると、こちらもけっこう広々した空間に四角い湯船が2つあるんだが・・・ナンダ〜? 湯気の向こうに何かの植物が繁っているぞ。もじゃもじゃっと生えて、窓に沿って広がっている。この葉っぱの形・・・。 ゴムの木だ。ゴムの木って、こんな繁り方をするんかい! 暗いけど、隅から生えたゴムが左右に伸びて窓を覆うお湯は44度くらいとやや熱めで無色透明。パイプを通じて片側の湯船にドバドバと注ぎ込まれていて、もう片方の湯船はややぬるくなっている。肌触りはキュッパキュッパする感じ。飲泉コップがあったので飲むと、無臭だがかすかな甘み。 ドッブワァ〜と浸かり、のぼせたら出て水をかぶり、また浸かってのぼせ・・・を繰り返す。極楽。 (04.1.24) ![]() |
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元湯温泉
市役所近くには「元湯温泉」がある。二段式になった入母屋作りの風格ある建物だが、小奇麗に手を加えられている。 一時お湯が涸れたらしいが、再掘削して蘇ったらしい。番台のおばちゃんに200円を支払って入る。 板の間の脱衣場は広々していい感じ。ロッカーに戸はなく、脱いだものをそのまま置いておくだけというあたりに、地元密着銭湯ぶりがうかがえる。 ![]() 浴室には四角い湯船が1つ。壁は古いが床は新しく張り替えられている。カランは水の蛇口が2つほどあるだけだ。地元の中高年が4〜5人入っている。 さっそく湯船に浸かる。43度くらいの、ちょうどよい温度。 むおっ、これまた昨日の人吉温泉や堤温泉とはまったく違う湯だな。ややヌルスベ系で、かすかに緑色か。湯の花が漂い、しばらく入っていると全身に細かい気泡がくっついてくる。人吉で入った他の3湯よりも温泉力を感じる。 ここにも湯の注ぎ口にコップが置いてある。飲んでみると、まったりして無味、やや金気臭。 (04.1.25) ![]() |
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相良藩願成寺温泉★
さがらはんがんじょうじおんせん、と読む。人吉市街の北西のはずれ、球磨地方を300年間治めた相良藩の菩提寺である願成寺のそばにある。 ![]() 見た目はややチープな建物。しかしフロントで200円を支払って入ると、板張りの脱衣場には懐かしの童謡がかかっていて、あたたかな雰囲気だ。 浴室は、大小2つの円形の湯船がひょうたん型につながっており、小さいほうに45度くらいの源泉が注がれている。大きいほうは冷めて42度くらい。ややキミドリがかった、ツルツルするまったりとした湯。飲泉用コップがあり、飲むと無味無臭。 ほかに39度くらいのぬるい湯が満たされた木マスと、水風呂もある。4種類の温度が楽しめるし、カランも普通に並んでいる。 お湯自体は元湯のほうがインパクトがあったが、銭湯としては今回人吉で訪れた4湯の中ではここが最も充実していた。 (04.1.25) 入口では野菜も販売 |
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しらさぎの湯★
人吉の中心部から西へ2kmほど行き、市街地からのどかな田園地帯に移行しつつあるあたり。幹線道路から田んぼを隔てて、向こうに古い土蔵のような建物群が見える。「しらさぎ荘」という食事処で、ここは相良藩の御用蔵でもあったらしい。 宿も兼業しているようすで、なかなか雰囲気がよろしい。 ![]() (左)田んぼの向こう (右)右の建物に受付がある ここに温泉銭湯が併設されている。朝8時半ごろ、朝風呂を借りに行く。 手前の風格ある建物に受付の窓口があり、200円を支払う。浴舎は左に少し入ったところで、こちらも白壁のいい感じの建物だが、古いものではない。 戸を開けて入ると、内部は木づくりで清潔感にあふれ、センスのよさを感じさせられる。脱衣所もなかなか。 女湯には数人いるようだが、男湯は誰もいない。朝から貸切温泉、うふふ。 ![]() (左)靴を脱いで上がったところ (右)脱衣所のロッカーはフタなし 浴室はこじんまりしている。が、正面の広々とした窓から朝の光が差し込み、その窓に面した湯舟が浴室面積の半分近くを占めていて、なんともいえぬ贅沢感に満ちている。窓の外では庭の草花が揺れている。 しかも湯舟はどっしりした木でできていて、そのへりから無色透明なお湯がどんどん溢れて流れ去る。いや〜朝っぱらから、これはたまりませんな。 さっそく浸かりましょうかい。41度くらいのぬるめ、やわらかでさわやかな湯だ。 それに湯舟の深さが関西の銭湯くらいあって、深風呂たっぷり主義の俺としては嬉しさ倍増ね。 至福の朝湯舟の端から源泉が投入されている。そこに近づくと、全身に細かい気泡がいっぱい付いてくる。おぉ、炭酸水素泉ですか。気色ええわいなぁ〜。 飲んでみるとまったりとうまく、かすかな塩味、無臭。 あまりの気持ちよさに、誰もおらんことだし、湯舟の端から端までケノビで何往復もした。 カランは自動調温式の最新型が3〜4組。貸切だからノビノビだが、6人くらいになるときゅうくつかも。 しかしまー朝っぱらから、もうたまらんな。今度は泊まってみたい。 (05.12.13) |
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岩の湯★
国道3号線の湯浦中心部の交差点脇に朴訥に佇む、モルタルの安普請な建物。見るからに地元密着な温泉銭湯だが、湯浦ではここの湯が一番との評判らしい。 番台で湯銭170円を支払い、浴室へ。 4〜5人サイズの小判型の湯船が2つに分かれている。一方の端に石でできたウサギが置かれていて、その口から無色透明なお湯がドーっと絶え間なく注がれている。きれいな湯だ。 あふれた湯が床を流れ去ってゆく。 ![]() さっそく浸かってみる。 ・・・んおおおううーーーー! こここれは! ぬるぬる、スベスベ! そして無数のアワアワが全身に付着してくる。す、すごい。メチャクチャに気持ちエエ! 壁に貼ってあった分析表には「44.1度」と書いてあったが、ウサギ口で41度、浴槽全体では40度くらいか。つまりややぬるめなんだが、そのぶん長湯できて、そのことが嬉しくなるような極上のお湯だ。 にゅる〜ん、ぽわ〜ん、つる〜ん。ウヒョヒョヒョヒョ! (04.1.25) |
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