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【熊本県】の激渋銭湯 | ||||||||||||
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熊本県の廃業した激渋銭湯 | ||||||||||||
桜町温泉 ★(廃業)
いつまでも後を引く風呂というものが存在する。ここ桜町温泉もそんな場所のひとつだ。 ひとことで形容するなら、白昼夢、がふさわしいかもしれない。 ずっと前に訪問した時はその霊性に酔いしれるあまり、写真がどっかへ行ってもうた。このたび再訪したのでようやくご報告する。 さくら湯や温泉プラザがある山鹿中心部から東へ徒歩10分弱、わりと交通量の多い、住宅街の中の開けた交差点。その三角地帯に埋もれるように、この鄙びた温泉銭湯がある。 わかる人、わかるよね。この姿を見るだけで、何者かがあなたの真心のデリケートゾーンにツイーンと差し込んでくるでしょう? (左)左側の建物も気になる (右)横に温泉を引いた洗濯場がある(2015年12月で閉鎖) 一歩近づくたびに思考はこの世から遊離しはじめる。 戸を開けて内部へ踏み込んだとたん回路は自我のコントロールを離れ、あとはオーラに導かれるままの存在となって服を脱ぐ。 すべてはイニシエのままの木造木質。鍵のついたロッカーもなく、棚に丸籠や青いプラ籠が並んでいる。 (左)入口付近 (右)番台は電話ボックス様になっており、小さな窓口で金銭授受する (左)タタキと下駄箱 (右)脱衣場 浴室方面 裸の肉体は風呂場へと導かれる。入って右手にかかり湯の湯鉢がある。 浴室中央に半楕円のタイル浴槽があり、その奥に接して小さな四角い湯船が2つ並んでいる。 よく見ると計3つの浴槽は少しずつ階段状になっており、奥左の湯船から奥正面の湯船へ、そして中央の半楕円へと湯があふれて流れてきている。 奥の2槽には常時40〜41度くらいの源泉が注ぎ込んでいる。中央半楕円の湯はだいぶぬる目で、40度ないだろう。 山鹿の湯は、ぬる目でヌルつきのある、どこまでも優しい無色透明のアルカリ泉だ。それがこれらレトロな湯船に順々に満ち満ちて、あふれて流れている。 静かに身をゆだねる。まずは半楕円、次に奥、最後に左奥へ。ふわふわの湯にまとわりつかれながら、ゆっくりと、少しずつ上流へと導かれてゆく。 湯船の内側には水色の小さなタイルが貼られている。そのところどころにアクセントとして暖色のタイルが混ざっている。 窓からの陽を受けて、お湯ごしに揺らいで光るその美しさ。異次元を感じないわけにはいかない。 それでいながら九州らしい脱力ムードにも満ちている。なんとも形容しがたい味わいだ。 湯船のフチや浴室床は暖色系の細かなタイル張りだが、あちこち傷んで剥がれているところも目立つ。壁や天井も老築化がすすんでいる。 だが湯船内側の水色部分は不思議なほど美しい。溢れる湯の清澄さによって常に磨かれているのだろう。 浴室の左右両側にはカランが並び、地元衆が日常使いしている。どこの風呂屋にもある普通の光景ではあるが、この湯に浸かりながら湯けむり越しに眺めると、どこか神々しく見えてくる。 こんなサイトを見ているあなたにとって、いかなる豪華設備の温泉施設よりも価値のある180円銭湯だ。行かずに死ぬなんてありえない。 (2013.11.6)(2016年11月加筆訂正) ※「レトロ銭湯へようこそ西日本版」に掲載されました。 (本書が買える銭湯一覧) |
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大阿蘇
阿蘇駅からバスに数分乗り、内牧の集落に入ったなと思うとすぐに、黒川にかかる宝泉橋を渡る。その橋を渡ったところで即座にお出迎えしてくれるのがこの鄙びた町湯だ。 名前がいい。小さなつくりにもかかわらず自信満々、この勢いが肝心だ。阿蘇は世界一だから当然だろう。 隣に同じ名前の旅館があり、そこが経営しているらしい。千鳥破風の銭湯は九州ではちょっと珍しいかも。 戸を開けて入ると100円を入れる箱があり、そこがもう脱衣所。パパッと脱いでさらに戸を開けると、タイル張りのこじんまりした浴室だ。 そして壁沿いの長方形の湯舟に、かすかに薄緑がかった湯が惜しげもなく満ち溢れている。 浸かると、ザーッと溢れ出る。まったくもってちょうどええ温度。 泉質は「ナトリウム・マグネシウム−硫酸塩泉(中性低張性高温泉)」で湧出温度は44.5度ということだが、日本語でいうなればキュッと引き締まって、しっかりとした感じの湯だ。ふにゃふにゃの軟水もええが、こういうキリッとした温泉もじつに心地よくて嬉しくなっちゃう。 カランも2組あって、銭湯としても使いやすい。 しかしまあ町の入口付近で、バス停すぐでパパッと脱いで一気にこの状態まで持っていきますか阿蘇内牧。しかも100円でなあ。このお気軽感はただごとやおまへん。 そして湯上がりのさっぱり感は感動的だ。黒川と阿蘇の風景も素晴らしい。小さくてもまさしく大阿蘇の恵み、これぞ九州たい。(2007.8.18) |
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薬師温泉 ★
内牧の中心地からは少し離れている。と言っても歩いて数分だ。小さい集落なので、それだけ歩けば周囲はもう農村のケハイが濃くなってくる。 立派な酒蔵を過ぎると、まず新穂湯があり、1軒おいてこの薬師温泉がある。この並びは指宿の「村の湯」&「東郷温泉」以来ではないか。 新穂湯は小洒落た感じにリニューアルされているのでパスし、こちらへ入った。わかるよね、この選択。 入口は横手にある 脱衣所に料金箱がある。フタなしのロッカーと小さな扇風機があるシンプルな小空間だ。 阿蘇の湯は1軒1軒泉源が異なり、湯の質もすべて異なるから、服を脱ぐときのワクワク感もまた楽しみの一つだ。 戸を開けて浴室に入ると、浴室の半分近くを占めるかたちで大きな湯舟が一つある。隅からやや飴色がかった透明な湯がザーッと注ぎ込まれ、満ち満ちて、湯舟の角の切れ目からもったいなくもジャブジャブと流れ去っている。 泣けてくるような豊かなる情景だ。この国に生まれた幸福に感謝せずにはいられない。 そこに惜しげもなく体を湯に沈める。やや熱めの43度くらいかな、俺にはベスト湯温。給湯口にコップがあって飲泉もできる。 湧出温度は45.9度、ナトリウム・マグネシウム・カルシウム−硫酸塩泉(中性低張性高温泉) ということだが、まあノーガキよりも、どうよこのお湯の新鮮さ、瑞々しさは。 「本物」・・・ああそうです、あなたは本物です。本物の温泉だけが持つ威風堂々たる温泉パワーがガツンとほとばしっております。 これが火の国の湯。しっかりとした、元気になる湯だ。 カランは3つあり、地元民の銭湯として愛されている。 相客の地元民オヤジは、「ここの湯が一番」だと言う。「これは・・・しあわせですね」と俺が言うと、オヤジは少しニヤッとしてから、ゆっくりとうなずいた。 俺も浸かりながら、それはヒシヒシと感じた。田町温泉のヒナビた風情もよかったが★はこっちにつけざるを得ないなと感じながら、体じゅうを洗ってまた浸かる。 何度でも浸かる。出るのが惜しくて出られない。 ようやく風呂から出て、酒屋の自販機で缶コーヒーを買い、サンダルをひきずりながら夜道をぶらぶら歩く幸福をなんとしょう。 生きることに意味などいらないんだよ皆の衆。(2007.8.18) |
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新温泉★
複雑な多重構造の屋根。年季のにじみ出る板壁。いぶし銀とはこの銭湯のためにある言葉だろう。 銭湯の聖地、人吉。その中でも伝統的温泉銭湯の総本山とも言うべき、あこがれの新温泉だ。2年ほど前に来たときは「湯量減少のため女湯のみの営業」で入れなかったが、執念で再訪し、ついに入湯したぞ。 夜の雰囲気がまたたまらない 人吉中心部の繁華街から細い路地を少し入る。と、とたんに時空を超えるような、古い建築物特有の強烈なオーラがあたりを包み込み、やがて静かにこの銭湯が姿を現す。再びめぐり会えた幸せを感じないわけにはいかない。 おごそかに灯る看板。今度こそ、男湯も大丈夫だ。人吉の町の歴史をすべて目撃してきた木戸を、厳粛な気持ちで開ける。 そこはもはや俺風情の貧困なる表現能力をはるかに超越した、目もくらむような激渋空間。どうしようもなく年季の入りまくりまくった番台には、50前後とおぼしき上品な美人のおかみさんが座る。 そして幾多の渋銭湯を踏んできた俺を圧倒するかのごとく、目の前に黙って広がる板の間の脱衣所。その深い色。そのじじむささ。 俺も黙るしかない。 いつの頃からか存在するペンキ絵広告 裸になって浴室へ。 高い天井。柱と梁に鉄骨の補強が入っている。 全面にある窓が広く、男女壁も木枠に摺りガラスがはめてある。夜はやや薄暗いが、日中はさぞや明るいだろう。 床や湯舟は、砂利をコンクリで固めた「洗い出し」と言われる工法。南九州の古い銭湯ではこれが一般的だ。そこに長年にわたって湯の成分がしみこみ、えも言われぬ味わいを醸し出している。 湯舟は右と左に2槽ある。左が主湯。モール系のうすい黒湯、すべすべの良泉だ。42度弱くらいの適温だが、奥から出ている源泉は50度くらい。いわゆる掛け流しだが、おかみさんによると「ぎりぎりの量」ということだ。 右側の副浴槽は深さわずか20cmの寝湯。湯温は39度くらいかな、源泉の投入はほとんどない状態だ。でも寝ころんでひんやりと気持ちいい。 (左)主湯 (右)浅い湯舟 (左)この年季いかが (右)浴室内から浴室の出入り口を見る 湯の出るカラン2つ、水カランが1つ。 じっくり浸かり、じっくり洗い、またじっくり浸かって、いにしえの精気に包まれる。 たっぷり長風呂したのち、あがってパンツをはき、美人のおかみさんと語る。 「お湯が出ず、1年休みました。くわしい人に見てもらって、やっとこれだけ出るようになりました。再開してちょうど1年です。今日も出てますようにと祈らない日はありません。毎日、お湯が出てるのを確認してホッとします」 それにしても、この麗しい激渋銭湯の湯量が減ったのはなぜなんだ。 「よそも湯量が減ったり温度が下がったりしています。確証はありませんが、あちこちで掘りすぎているせいかも・・・」 品のいいおかみさんは言葉尻を濁した。「おひとよし」な人吉の人は、よそを批判したりはしない。だが人吉の温泉施設はかつての倍ほどにもなっていると聞く。温泉郷とはいえ、さすがにオーバーユースなのかもしれない。 ちなみに「新温泉」という名前は、昭和6年にこの銭湯を開業した人物(おかみさんの祖父)の名前、新三郎さんから取ったものだそうだ。 かつては、人吉に買い物に来た帰りにこの温泉に入って帰る、というのが球磨地方一帯に住む人たちの休日の楽しみでもあったらしい。 「お客さんも減っています。うちも、そう遠くない日に・・・」 おかみさんの笑顔はどこか寂しげだった。 この風呂がなくなるようじゃ日本はお先マックラだ。とにかく急いで行くべし! (2005.12.12) →人吉旅行記 この雰囲気、国宝ものです ※「レトロ銭湯へようこそ西日本版」に掲載されました。 (本書が買える銭湯一覧) |
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鶴亀温泉★
仕事も大事。家庭も大事。つきあいも大事。 だがもっと大事なものがここにある。 遠き人吉まで来たりて、過去2度、長期休業や臨時休業で入れなかった。 今年の命運を賭けた正月3日。3度目の正直を期して、小雨ふる中、人吉駅から7〜8分歩く。 町はずれの住宅街の中に現れる、山の小学校の分校のような趣あるたたずまいが毎度泣かせやがる。 水色の板張り、ローカル線の駅のようなベンチなど、心の郷愁弁のかさぶたを掻きむしられるかのようだ。 (左)コンクリブロックの飛び石 (右)最初に来た時のあと作り直された軒と看板 玄関横に張り紙があった。 1月1日 休み 1月2日 初風呂 1月3日 休み …一般の銭湯と同様の伝統的な営業スタイルだった。神は我を見放せり…。 張り紙の前に棒立ちになって滝のように涙を流していると、中から管理人らしきおばあさんが出てこられた。掃除をしておられたようす。 「まあそうですか遠くからですか。ちょうど掃除が終わったので、どうぞ入ってください。お湯はずっと溢れていますから」 女神さま降臨。 この時点で俺の涙腺残量はカラになった。 お言葉に甘えて入らせていただくことにした。厳かな気分で、3度目の訪問にして初めて戸を開ける・・・。 このあと、俺は完全にイッた。 (左)脱衣場ひろびろ (右)ミニこたつ付き番台 (左)板場の周囲をタタキが半周し、4段おりて風呂場 (右)新温泉と同系統の造り (左)男湯の湯吐き口は大黒様、女湯はえべっさん (右)湯に浸かりながら脱衣場方面 ややぬるめのお湯にじっくり抱かれる 説明などしたくない。無駄だ。何がどうとか、もうどうでもエエではないか。 これを見てしまったあなたに言うとすれば一つだけ。 仕事も大事、家族も大事。それでも鶴亀温泉には行かないと。(2014.1.3) ※「レトロ銭湯へようこそ西日本版」に掲載されました。 (本書が買える銭湯一覧) |
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堤温泉
人吉屈指のレトロな温泉銭湯だ。大正期に立てられた建物だと。 玄関を入るとフロント・・・だがその形も向きも、どう見ても番台。寒いのでオヤジが番台の中にコタツをしつらえて、それにもぐってミニテレビを見ている。 コタツ入り番台 戸をあけるとガラーンとした広い脱衣場、ロッカーはなく籐籠のみ。先客1名。 浴室に入ると、こちらもけっこう広々した空間に四角い湯船が2つあるんだが・・・ナンダ〜? 湯気の向こうに何かの植物が繁っているぞ。もじゃもじゃっと生えて、窓に沿って広がっている。この葉っぱの形・・・。 ゴムの木だ。ゴムの木って、こんな繁り方をするんかい! 暗いけど、隅から生えたゴムが左右に伸びて窓を覆う お湯は44度くらいとやや熱めで無色透明。パイプを通じて片側の湯船にドバドバと注ぎ込まれていて、もう片方の湯船はややぬるくなっている。肌触りはキュッパキュッパする感じ。飲泉コップがあったので飲むと、無臭だがかすかな甘み。 ドッブワァ〜と浸かり、のぼせたら出て水をかぶり、また浸かってのぼせ・・・を繰り返す。極楽。 (2004.1.24) →人吉旅行記 ※「レトロ銭湯へようこそ西日本版」に掲載されました。 (本書が買える銭湯一覧) |
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元湯温泉
市役所近くには「元湯温泉」がある。二段式になった入母屋作りの風格ある建物だが、小奇麗に手を加えられている。 一時お湯が涸れたらしいが、再掘削して蘇ったらしい。番台のおばちゃんに200円を支払って入る。 板の間の脱衣場は広々していい感じ。ロッカーに戸はなく、脱いだものをそのまま置いておくだけというあたりに、地元密着銭湯ぶりがうかがえる。 浴室には四角い湯船が1つ。壁は古いが床は新しく張り替えられている。カランは水の蛇口が2つほどあるだけだ。地元の中高年が4〜5人入っている。 さっそく湯船に浸かる。43度くらいの、ちょうどよい温度。 むおっ、これまた昨日の人吉温泉や堤温泉とはまったく違う湯だな。ややヌルスベ系で、かすかに緑色か。湯の花が漂い、しばらく入っていると全身に細かい気泡がくっついてくる。人吉で入った他の3湯よりも温泉力を感じる。 ここにも湯の注ぎ口にコップが置いてある。飲んでみると、まったりして無味、やや金気臭。 (2004.1.25) →人吉旅行記 |
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相良藩願成寺温泉★
さがらはんがんじょうじおんせん、と読む。人吉市街の北西のはずれ、球磨地方を300年間治めた相良藩の菩提寺である願成寺のそばにある。 見た目はややチープな建物。しかしフロントで200円を支払って入ると、板張りの脱衣場には懐かしの童謡がかかっていて、あたたかな雰囲気だ。 浴室は、大小2つの円形の湯船がひょうたん型につながっており、小さいほうに45度くらいの源泉が注がれている。大きいほうは冷めて42度くらい。ややキミドリがかった、ツルツルするまったりとした湯。飲泉用コップがあり、飲むと無味無臭。 ほかに39度くらいのぬるい湯が満たされた木マスと、水風呂もある。4種類の温度が楽しめるし、カランも普通に並んでいる。 お湯自体は元湯のほうがインパクトがあったが、銭湯としては今回人吉で訪れた4湯の中ではここが最も充実していた。 (2004.1.25) →人吉旅行記 入口では野菜も販売 ※「レトロ銭湯へようこそ西日本版」に掲載されました。 (本書が買える銭湯一覧) |
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しらさぎの湯★
人吉の中心部から西へ2kmほど行き、市街地からのどかな田園地帯に移行しつつあるあたり。幹線道路から田んぼを隔てて、向こうに古い土蔵のような建物群が見える。「しらさぎ荘」という食事処で、ここは相良藩の御用蔵でもあったらしい。 宿も兼業しているようすで、なかなか雰囲気がよろしい。 (左)田んぼの向こう (右)右の建物に受付がある ここに温泉銭湯が併設されている。朝8時半ごろ、朝風呂を借りに行く。 手前の風格ある建物に受付の窓口があり、200円を支払う。浴舎は左に少し入ったところで、こちらも白壁のいい感じの建物だが、古いものではない。 戸を開けて入ると、内部は木づくりで清潔感にあふれ、センスのよさを感じさせられる。脱衣所もなかなか。 女湯には数人いるようだが、男湯は誰もいない。朝から貸切温泉、うふふ。 (左)靴を脱いで上がったところ (右)脱衣所のロッカーはフタなし 浴室はこじんまりしている。が、正面の広々とした窓から朝の光が差し込み、その窓に面した湯舟が浴室面積の半分近くを占めていて、なんともいえぬ贅沢感に満ちている。窓の外では庭の草花が揺れている。 しかも湯舟はどっしりした木でできていて、そのへりから無色透明なお湯がどんどん溢れて流れ去る。いや〜朝っぱらから、これはたまりませんな。 さっそく浸かりましょうかい。41度くらいのぬるめ、やわらかでさわやかな湯だ。 それに湯舟の深さが関西の銭湯くらいあって、深風呂たっぷり主義の俺としては嬉しさ倍増ね。 至福の朝 湯舟の端から源泉が投入されている。そこに近づくと、全身に細かい気泡がいっぱい付いてくる。おぉ、炭酸水素泉ですか。気色ええわいなぁ〜。 飲んでみるとまったりとうまく、かすかな塩味、無臭。 あまりの気持ちよさに、誰もおらんことだし、湯舟の端から端までケノビで何往復もした。 カランは自動調温式の最新型が3〜4組。貸切だからノビノビだが、6人くらいになるときゅうくつかも。 しかしまー朝っぱらから、もうたまらんな。今度は泊まってみたい。 (2005.12.13) ※宿泊レポートを「旅先銭湯B」に書きました! |
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岩の湯★
国道3号線の湯浦中心部の交差点脇に朴訥に佇む、モルタルの安普請な建物。見るからに地元密着な温泉銭湯だが、湯浦ではここの湯が一番との評判らしい。 番台で湯銭170円を支払い、浴室へ。 4〜5人サイズの小判型の湯船が2つに分かれている。一方の端に石でできたウサギが置かれていて、その口から無色透明なお湯がドーっと絶え間なく注がれている。きれいな湯だ。 あふれた湯が床を流れ去ってゆく。 さっそく浸かってみる。 ・・・んおおおううーーーー! こここれは! ぬるぬる、スベスベ! そして無数のアワアワが全身に付着してくる。す、すごい。メチャクチャに気持ちエエ! 壁に貼ってあった分析表には「44.1度」と書いてあったが、ウサギ口で41度、浴槽全体では40度くらいか。つまりややぬるめなんだが、そのぶん長湯できて、そのことが嬉しくなるような極上のお湯だ。 にゅる〜ん、ぽわ〜ん、つる〜ん。ウヒョヒョヒョヒョ! (2004.1.25) ※2010年12月、リニューアルされました。 |
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