チープに極楽。生きててよかった!

関西の名銭湯 【大津市】
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若松湯 (大津)(廃業)
御幸湯 (大津)
小町湯 ★(大津)
容輝湯 (石山)
唐橋湯 (石山)(廃業)
港湯 (堅田)(廃業)
滋賀県下の銭湯はこちら

若松湯

すでに廃業された模様です。
レポートは営業当時のものです。


大津市春日町4−8
【営業時間】16:00〜22:00
【定休日】金曜日

 JR大津駅から徒歩2分、一番近い銭湯。
 駅の左手から浜大津へ向かう商店街を歩いて1筋目を左折すると、古びた街並みに溶け込むような「ゆ」の看板が見える。

  県庁所在地の中心駅から2分でコレです大津

 戸を開けるといきなりタタキに番台という、古いスタイル。番台ではこの銭湯にふさわしいレトロなバーサンが相撲中継を聞きながら、虫眼鏡で新聞を読んでいる。
 滋賀県の銭湯料金355円を支払って靴を脱ぐ。下駄箱なんてないので脱ぎっぱなしだ。

 脱衣場にはロッカーもなく、棚に籠が並んでいるだけ。おもしろいのはこの脱衣籠に書かれたヒラガナのランダム配列。バーサンに、
 「この字は何? いろは、やったんですか?」
 と聞くと、新聞から目を離さずに黙ってうなづく。商売気皆無。

  きむしらあ、すう、せ、ふ

 ところが下駄箱もロッカーもないのに、浴室入口上部にアルプス&湖水のモザイクタイル絵があったりする。

 浴室はこじんまり、天井も低い。男女仕切り壁側に、カマボコ断面型の深浅の浴槽がある。こまかいタイル張りで、ジェットつき。42度と書かれてあるが、明らかに44度くらいはあった。
 そして奥の壁にもアルプス&白鳥の湖のモザイクタイル絵があり、さらに壁最上部が5色の細かい長方形タイルで飾りつけられているのが目をひいた。

 客は他に誰もいない。
 静けさや タイルに染み入る ジェット音

 上がりは、残念ながら飲み物販売はなし。
 レトロな小規模田舎銭湯の標準形、といった感じだ。 (04.3.20)
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御幸湯

大津市御幸町3−8
077-523-0433
【営業時間】16:00〜21:00
【定休日】水曜日

 上の若松湯からもう1筋、琵琶湖側の道沿いにある。歩いて5分たらずの至近距離。
 こちらも負けず劣らず渋いたたずまいだ。しかも玄関小屋根は銅ぶきのむくり破風、側面にはレンガ外壁も残っている。



 雨の音に混じって、風呂屋内部からの湯上がり会話が丸聞こえ。現代の都市では失われ切った生活音がここでは現役だ。
 暖簾めくるとすぐにタタキ。かたわらの古い木製下駄箱や板張りの上がりがまちから田舎くささがほとばしる。
 改装された番台にばあさんが座り、大音量でテレビを見ている。耳が遠いようだが愛想よし。僕の大荷物を見て「タオルやら持ってる?」とほがらかに声をかけてくれる。

 脱衣所はこじんまりした大津サイズ。板張り天井は白く塗られている。京都式ロッカーはアルミ製。柳行李が3つ、あとはプラ籠が積み上げられている。トイレは新しい。
 おや、浴室との間の流しスペースの半分がガラス張りの小部屋になっていて、中に何やらステンレス製の大きな機械が。ビールの醸造機かと思ったら浄化槽らしい。しかしこんな場所に誇らしげに浄化槽が飾られてるっちゅーのも初めての光景だな。
 その上部の欄間には、笹の葉の透かし彫りアリ。

 浄化槽上部の透かし彫り

 浴室は京都〜大津の古い小銭湯典型パターン。四角錘天井に大きな湯気抜きがあり、湯舟は男女隔壁に接して京都的タイルの深浅主浴槽。壁からジェット気泡が1本ずつ噴出している。
 設定温度41度と書いてあるが、さわってみるとどうみても44度はある。うれしいねぇ、雨の山を歩いた後だったので、これくらいガツンと熱いのを期待していたんだよ。さっそくジュワ〜っといきますかい。
 出入り口寄りに副浴槽がある。こちらは少しぬるいが42度以上はあるだろう。

 そしてこの銭湯の見ものは、奥壁にある富士山のモザイクタイル絵。こりゃーなかなかすばらしい作品だ。

 
(左)清潔感のある、こじんまり浴室   (右)よかです〜

 カランまわりは新しいタイルに替えられてピカピカ、下の溝も使い勝手のいい位置にある。
 雨降りだったためか終始貸切で、そのせいかシャワーは熱くなるのに少し時間がかかった。

 上がりは飲み物販売なし。帰る頃に他客が2〜3人来た。
 シンプルで、湯が熱くて、懐かしくて、小奇麗。いい感じの銭湯だ。 (05.7.3)
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小町湯

大津市逢坂2-1-17
077-522-8131
【営業時間】16:00〜22:00
【定休日】月曜日

 これやこの行くも帰るも東海道。江戸からはるばる歩いて、この坂を越えたら京都山科どすえ〜という逢坂山のさねかずら、その途中にしっかりとたたずむ銭湯が知るも知らぬも小町湯だ。
 小ぶりの唐破風玄関が目を引く。2002年に銅版で覆われたが、それまでは渋い桧皮葺だったというからじつに蝉丸だ。

 暖簾をくぐると横広タタキに古めかしい番台がある超古典的な小倉百人一首スタイル。んでそこに柔和なおばあさんが50年間ずっと座っていると。いやーやっぱりこれやこの。履物はそのまま脱ぎ捨てて、知るも知らぬもくつろいじゃう。

 脱衣所は格天井で、この高々とした広々感が行くも帰るも最高ね。
 んでまたそこに欄間の透かし彫りやとか福助人形なんかがあるという味わい深きさねかずら。

 すっぱんぽんのそのあとは、浴室で豪華なモザイクタイル画がお出迎え小町。男女ぶち抜きの富士山やとか、男女壁には巨大な熱帯魚なんかが描かれて蝉丸。ほんまに坊主か蝉丸。

 しかし俺的にさらに小町なのは、中央にある主浴槽および手前脇の気泡風呂に使われている細かいタイルの味わい、および床面から湯舟が立ち上がってゆくそのなめらかな蝉丸ぶりがあまりに小町すぎてこれやこの。
 給水部分のタイルづかいも相当な小町っぷりで蝉丸。四角錘の天井もまさしく逢坂山のさねかずら。

 そんなわけで、伝統的な大津の銭湯をしっかりと味わわせてくれる、旧東海道は逢坂山のさねかずら銭湯で小町。知るも知らぬも今すぐにでも、人に知られで来るよしもがな。実篤。  (08.9.25)
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容輝湯

大津市栄町17−10
【営業時間】16:00〜22:00
【定休日】月曜日

 銭湯ファンの間では、大津ではもっとも有名な銭湯だろう。なんといってもこの巨大な唐破風がすごい。

 最寄り駅は京阪石坂線の唐橋前駅。唐橋と反対方向へ歩き、鳥居川交差点を右折、1筋目を左折してまっすぐ。駅から3分ほど。
 JR石山駅からなら、南へまっすぐ歩いてコインランドリー角を右折。8分くらい。

 破風屋根は銅で葺かれ、よく手入れされていて、すごいインパクト。建物自体はこじんまりしているから、なおさらだ。破風の下の「泉温輝容」の看板も立派。

  

 1年ほど前に来た時にはたしか左右の戸から入って真ん中に番台があるスタイルだったが、この日は左側だけに暖簾がかかっている。くぐると右側の戸の部分がフロントに改装されている。
 フロント式になったぶん脱衣場はやや狭くなったが、格天井など昔ながらの味わいはそのまま。しっくい壁も真っ白に塗りなおされていて、明るい感じがする。脱衣籠ごと入れる大きなロッカーは京都式だ。

 こじんまりした浴室へ。浴槽は男女仕切り壁側に、入浴剤入り気泡、深浅の主浴槽、ジェットの四角い各浴槽が1列に並んでいる。前はどんなだったか忘れてしまったが、改装してこうなったようで、タイルもピッカピカ。カラン周りもピカピカ。
 壁の白タイルと、奥の壁の渓谷のタイル絵だけは以前のままだった。

  脱衣場から、浴室奥のタイル絵を望む

 このタイル絵、けっこうハゲている。箕面の百楽湯のタイル絵などは作った当時のままの状態で残っているのに、タイルの焼き方によって寿命が大きく異なるのだろうか。

 いずれにせよ、大津のレトロ系銭湯の中ではもっともやる気のある銭湯といえるだろう。 (04.03.19)
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唐橋湯

残念ながら廃業された模様。
レポートは営業当時のものです。
松本さん情報感謝!


大津市唐橋町14−9
【営業時間】16:00〜22:00
【定休日】水曜日

 京阪石坂線の唐橋前駅から唐橋へ向かう途中、道の北側に細〜い路地がある。
 そこを入ると、新しい住宅の奥にいきなり超レトロな風情の看板が見える。板壁の向こうには大量の薪が積んであるのも見える。
 なんかちょっとウソみたいに突然のタイムスリップ空間。この立地で、薪でわかしたお湯か・・・。すばらしい。

 路地奥にあるだけあって、入口は看板手前の四角いコンクリ門の奥にある。ちょっと尼崎の武庫川湯を髣髴とさせるものがあるな。
 暖簾の横には屋外便所。「勝手に使うな」と書いてある。いいねぇ。

  

 暖簾をくぐるとすぐタタキに番台。思い切り年季の入った、小さな空間だ。
 355円を払い、靴を脱ぐが下駄箱はなく、棚だけ。
 ロッカー、かなりキてる。チップの集成材に化粧合板という昭和中期のチープな改装品のようだが、内面のチップがどんどん磨り減って、周辺部が薄っぺらくなっている。あと2年もつか、というところ。

 こじんまりした浴室は貸切状態だった。
 天井が低い。男女仕切り壁側に半円形の深浅浴槽がある。
 意外にも、浴槽や床のタイルがピカピカで新しい。・・・のかと思ったが、よく見るとひび割れや白パテ修理のあとなどが見つかる。つまり、新品かと見まがうほど磨き上げられているのだ。実に気持ちがいい。
 しかもタイル使いのセンスが京都の芋松温泉にちょっと似ていて、にんまりと嬉しさがこみあげてくる。変態だな俺は。

 上がりはオロナミンCを飲みながら、「女湯でお客がひっくり返ったら大変」との番台オヤジの話を聞く。
 「そらそやで。上半身を抱えたら・・・、下半身を抱えたら・・・。それに最近は肥えてるおばあさんが多いから往生すんねや」
 薪での湯沸しといい、レトロ銭湯は大変な仕事だ。

 ちなみにオヤジによると、ここは大学ボート競技のメッカ・瀬田川もよりの銭湯のため、レトロ系にしては珍しく京大・立命・龍谷のボート部学生やそのOBがよく訪れるようで、外見の割にヨソモノも入りやすい。
 「京大のOBなんか10年もしたら大企業の偉いさんや。それでもここへ来よるな」(オヤジ談)

 そういやこの上で紹介した容輝湯にも、僕が出るときちょうど北海道大学のボート部のジャージを来た学生カップルが入っていった。地元密着の銭湯もいいが、僕のようなヨソモノにとっては多少なりとも外の空気の入っている銭湯のほうがリラックス度が増すような。 (04.3.19)
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港湯

2010年に廃業されたもよう。
レポートは営業当時のものです。


大津市本堅田1-30-3
電話 077-572-0809
【営業時間】16:00〜22:00
【定休日】木曜日

 近江八景・浮御堂の近く。JR湖西線の堅田駅から歩いたら20分くらいかかる。
 堅田港のすぐそばの横丁にたたずむ、うっかり見逃してしまいそうな小さな風呂屋だ。正面に木が豪快に茂っており、その奥で遠慮がちに暖簾が揺れている。
 しかしこの木、よく見ると玄関前の岩にこびりつくように生えていて、しかも幹にはツタがびっしりとからまっており、ちょっと不思議な感じになっている。

 
(左)木が邪魔で正面から暖簾はほとんど見えない  (右)そのかわり看板あり

 裏側から。道の正面に琵琶湖が見える

 うなぎの寝床のように間口が狭いプチ銭湯だ。
 暖簾をくぐると、タタキ部分と脱衣所の一部を改装した下足室兼フロントになっており、おばちゃんがテレビを見ている。下駄箱はフタなし棚だが、その横に鍵つきのスチール小ロッカーがある。貴重品入れか。

 小さな脱衣所はほとんどベニヤ張りの、チープな田舎銭湯そのもの。フロントに改装しながら内部が手つかずなのは珍しい。
 木製ロッカーがいくつかあるが鍵はなく、あとは棚にプラ籠が並んでいる。壁際に年季の入った木のベンチが一つ。

 浴室は一般的な京都〜大津の古いスタイル、カマボコ天井に大きな湯気ヌキが空いている。
 湯舟は仕切り壁に接してタイル張りの深浅主浴槽。温度表示43度、気泡つき。奥にジェット2連浴槽もある。まあ、どうってことないっちゃあ、どうってことない。
 でも、この日もよく歩いたから熱めの湯がマコトに気持ちええ。
 カランは温度調節が弱いなあ。しばらく出してやっと湯が出たと思ったら、しばらくするとまたぬるくなってやがる。シャワーなんかほとんど水のままだ。でも、その状況でうれしそうに「ニヤッ」とする俺。完全変態。
 2ヵ所の壁上部にモザイクタイル絵がある。奥壁は琵琶湖大橋、手前壁は滝の絵だ。

 脱衣所には飲み物もなし。設備メンテもテキトーな無造作系だが、お客はそこそこ回転していた。
 フロント前のテレビでは「笑点」をやっている。のどかな日曜日の夕方。湯上がりは浮御堂までぶらぶら湖岸を散歩して、のほほ〜んと脱力し切ろう。
 堅田駅から循環バス(160円)に乗ったらすぐ。  (05.5.8)

 港湯から1分の堅田港
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