| メ シ つ き 文 化 遺 産 | ||
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| 神戸市中央区の渋~い大衆食堂 (神戸市兵庫区の渋~い大衆食堂) (その他の区の渋~い大衆食堂) |
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| みつみ食堂
栄食堂から43号線にかかる歩道橋を南へ渡って右手に、古びた食堂がある。 中へ入ると、細かいタイルがびっしりと張られた床の上に、テーブルが5つ6つ。出入り口横におかずのガラスケースがあり、奥の厨房前に年季の入ったおでん器。 見事に時間が止まっている。 ![]() (左)厨房手前とおでん器 (右)出入り口方面 昭和39年にバラックで食堂を始め、今の建物に建て替えて6年目にご主人が亡くなってから、おかみさん一人で30年間やってきた。 阪神大震災でもちょっと雨漏りしただけ。救援物資の集積所になり、店頭におでん器を出して炊き出しをしたそうだ。 1個100円のおでんを2つもらい、中華そば400円を作ってもらう。 寒いので酒の燗か焼酎のお湯割りがほしいけど、缶ビール(300円)しか置いてないという。 「酒を置くと隣の居酒屋に睨まれる」から遠慮して置かないんやと。 中華そば400円、やわらかい麺缶ビールを飲みながらおかみさんといろいろ話してたら、「おでんが煮すぎて黒くなってきてるから」と、4つもオマケしてくれた。 あいだの2時間は店を閉めているが、「昼寝してるけどインターホン鳴らしてくれたら開けるよ」とのこと。 高度成長期から平成まで、灘の臨海部の変遷を鍋とコンロで受け止めてきたおかみさん。その空気をしんみりと味わえる食堂だ。 (2015年2月) |
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ふたみ食堂
王子動物園の前から山手幹線を西へ7~8分歩いたあたりにある。小さな食堂ながら、構えがエエやないの。 中に入ると予想以上に狭くて、テーブル二つだけ。このサイズでおかずケースが用意されているのは驚きだ。 ![]() (左)テント・暖簾・提灯・ショーケース・箱看板のフルコース (中)狭い、渋い (右)玉子定食500円 一人でやっているおかみさんはぶっきらぼうなようでいて、じつはサービスがいい。空いていれば食後にインスタントコーヒーを入れてくれたり。 店は65年になるそうだ。昔は近くにあったYWCAの人がよく来たらしいけど、今は近所の常連がメシ食いがてら、おかみさんとダベリに来る感じかな。 喧騒から離れてボンヤリできる、隠れ家的なミニ大衆食堂だ。 (2015.2.2) |
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ひふみ食堂 (閉店)
阪急電車の春日野道駅から山手へ徒歩7~8分、住宅街のなかに突如現れる地味な大衆食堂。テントは日に焼けて白くなり、暖簾が出ていなければ閉店して10年くらい経ってるようなケハイだが、じつは神戸最強クラスのコストパフォーマンスで知られる名食堂だ。 一歩中に入ると、間口の狭さからは想像できない広々とした昭和空間が現れる。緑色のパイプ椅子がイニシエムードを盛り上げ、なんかちょっと惚れ惚れしてしまうような風景だ。 そして入口近くにたくさん置かれたオカズ群。どれもこれも安い。めしと汁をつけてワンコイン未満でも満腹になれる。 もちろん壁に貼られた定番メニューもみな安い。うどん類みな200円て! トンカツ定食もエビフライ定食もから揚げ定食もみな500円て! ドンと置かれる巨大マヨネーズの迫力!当然ながら、お客は近所のオッサン連中やガテン系が多い。真夏の午前中から店に入るや「熱燗1本!」と注文しながら席を探すじいさんもいる。が、わざわざ遠くから訪れるファンも少なくないようだ。ほんまこういう店って地域の宝よね。 でも最近になって、名物の100円豚汁がなくなったとの情報が・・・なんでも調理を担当する高齢のおやじさんが「体がエライ」ということで、メニューが縮小傾向にあるとのこと。うむむ、余人をもって代え難し、なのか。とにかく応援しましょう! (2014.5.8) |
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丸三食堂
11:00に通りかかった。戸が開いてるが、暖簾は内側に裏向けにかかっている。 覗くと、中に客らしきおやじが一人いてビールを飲んでいる。 やってるみたいなので中に入ると、おやじが立って、厨房のおばちゃんに「お客さんや」と声をかけた。 おかずケース70近いおばちゃんが出てきて、こうおっしゃる。 「もう横着さしてもろてますねんわ、開けてのうてもおなじみさんが来てくれたはりますねんけど、おかずがまだ…」 見ると木製のおかずケースに、一皿だけ、茄子の煮浸しが入っている。 「これでいいですよ、あと味噌汁とめし小、いけます?」 と言うと、「それやったらできます」とのこと。 「ぬるいお茶でもよろしい? 冷たいのんが?」 とおっしゃるので、「ぬるいのんでええです」と言うと、やかんから湯呑みに注いでくれた。 やかんで茶表の人通りをボンヤリ眺め、ぬるいお茶をすすりながら、おばちゃんが煮浸しを温めなおしてくれるのを待つ。 壁のメニューには、うどん・そば、丼物、汁物などが書かれている。 ぬるいお茶、うまいわ。 やがて、あったかくなった茄子の煮浸しと、ごはん、味噌汁、漬物が来た。 煮浸しは味付けよく、たっぷりで嬉しい。味噌汁も豆腐や揚げなど具だくさんでうまし。漬物の太いキューリもよく漬かっていて俺好み。ごはんも茶碗に山盛り。 650円だった。 文句なし創業60年にもなる店だが、店主が数年前に倒れて、おばちゃんはその介護をしながら細々と続けている。 「他の人から見たら商売してんのかなんやらと笑われるかもしれんけど、開けてたら昔のお客さんがひょっこり来てくれたりして嬉しいので、やってるんです。いっぺんに4人ほどで来られたらでけしませんので断ってるんです、一人ずつポツポツと来てくれたらできますので」 「そら無理せんとボツボツしてください。おいしかった、また覗かせてもらいます」と言って出た。 外へ出ると雨が降り始めていた。 そのとき、おばちゃんが追いかけてきて、「これつこて」と小さなビニ傘を貸してくれた。「返しにこんでええから」。 おばちゃんの笑顔、素敵…。傘はほとんど新品ぽかった。 ひっそりと通うことにしよう。(2016年6月) |
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皆様食堂
三宮の高架下、いろんな媒体でしばしば紹介される名物店。 店内はU字カウンター10席余りを囲んで座るかたちで、いつもオヤジ連中でいっぱいだ。もちろん誰もが昼間っから呑んでいる。U字に背を向けるかたちの後部席も2席だけある。 U字の中にはおでん器がデンとあり、おやじさんとお姉さんが丁寧に対応してくれる。 ![]() (左)狭い店内がオヤジでいっぱい (右)焼酎お湯割りはお湯と焼酎がそれぞれ温められて出てくる そこらじゅうの壁をびっしり埋める、賑々しいメニュー短冊が圧巻だ。 メシも普通に食えるが、酒がすすみそうな、一工夫を感じさせる居酒屋的メニューも数多い。汁物だけでも20種類くらいある。 ていうか実質ここ呑み屋やろ!? だってみんな酔っぱらってるやん。声でかいし。 でも「食堂」と名乗っているのだから、店側はそのつもりでやっておられるのではないかと想像する。常連客も楽しいオヤジばかりなので雰囲気はよい。 ![]() (左)ピーマン鶏皮炒め (右)ベーコンエッグス 酒も料理もみな安い。200~400円台。どれでも安心して頼める。 厨房は2階にあり、客の注文は手作りの塩ビのパイプを通じて肉声で伝えられる。これもいろんな雑誌などで紹介されている有名な話だ。 屋号も含めてディープだが、いろんな意味で楽しいオンリーワンな店。会計時にもニッコリできるナイスな居酒屋食堂ね。 (2015年2月) |
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マルイ食堂 (閉店)
三宮センタープラザ地下1階にある人気店。ディープさはないけど、模範的大衆食堂の代表として載せとこかな。 お昼は店のおばちゃんが元気に呼び込みをしている。暖簾をくぐってすぐおかずケースがあり、「ハイなににする~?味噌汁、豚汁どっちしよ~?」と流れるように尋ねてくれる。ここで選んでもよし、席についてから豊富なメニューを見てじっくり選んでもよし。 「イワシフライ定食もらおかな。ごはんは小でええわ。味噌汁は粕汁に変えて~」 と頼んでカウンターに座るや、おばちゃんが小鉢を2つ持ってきて「嫌いなもんあったら変えるで~」、この小鉢がいちいちウマイし量も十分。 そしてカウンター内のおやじさんが手際よく豚汁とめしを出し、やがてメインのイワシフライが揚げたて3秒で到着。 なんでも作りたてはウマイけど、もーね、ホンマうまい。 贅沢な昼めしイワシフライ定食は770円、めしを小にして味噌汁を粕汁に変えて880円也。大衆食堂としては安いほうではないが、このクオリティーを味わって高いと感じる人はいないだろう。 お昼時は界隈のサラリーマンで満席になり相席必至。それ以外の時間帯は買い物客や旅行者も気軽に食事を楽しめる。小気味よい優良食堂だ。 (2015.1.27) |
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金時食堂
JR元町駅東出口から南へ、穴門商店街を下って徒歩1分の左側。次々に大衆食堂が姿を消した元町界隈にあって、盟主的な存在だ。 提灯、暖簾、電照看板など、渋い構えにしびれちゃう。 ![]() (左)南側から (右)賑わう店内で、焼きジャケ・豚汁・納豆の王道めし&瓶ビール 店内は広く、歴史は古そうだが改装されて清潔感いっぱい。でありながら昭和の食堂のよき風情に満たされている。相席用の大きなテーブル2本と、壁際に小さなテーブルが並ぶ。 人気店でいつも賑わっており、常連率は高いものの客層は広く、朝から飲んでるオヤジもいればOLの一人メシも珍しくない。店員さんも十分配置され、きめ細かく対応してくれる。 壁にさまざまなメニューが貼られ、奥にはおかずケース。定食は620~720円、ご飯もたっぷり盛られてくる。13時以降は一品ものも豊富で居酒屋づかいもできる。何を注文しよか、何と何をどう組み合わせてマイ定食を作ろか・・・わくわくするなぁ~。 お勘定はメモみたいな紙片を渡される、昔ながらのやり方。これで何の問題もない。 場所よし雰囲気よし対応よし。神戸を代表する大衆食堂ですわ。 (2015.1.7) |
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憩
震災後に新築された3階建てマンションの1階に入っている。建物としては激渋ではないが、ここのミンチカツ定食がやたらとウマいので紹介しとこっと。 建物は新しいが、店のおばちゃんは客席に座ってテレビ見てるし、じいさん客の声はデカイし、おかずケースもあるしで、スタイルは昔のまんま。 昭和52年から阪神大震災まで、この場所で木造の食堂を営んでいたそうだ。 左端におかずケース。カウンターには焼魚と煮魚が並ぶなんちゅーてもミンチカツ定食、デカイわジューシーやわ。これに、おかずケースから選ぶ小鉢と、味噌汁とめしと漬物がついて550円とは…。絶対安い。 ![]() (左)堂々のミンチカツ (右)こちらはイラシフライ定食600円、最高! イワシフライ定食も非常に良い。ただしトンカツはイマイチかも…。 しかしメニュー全般みな安く、満足度は高い。(2015.1.14) |
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はまや
神戸駅から元町方面、中央郵便局の浜側に「エスタシオン・デ・コウベ」というバカでかい結婚式場みたいなのがある。その裏側の路地に、ウソみたいに昔ながらのミニ食堂が! しかも早朝から通しの営業時間、なっが~。 こぢんまりした店内は奥に長く、カウンター6席くらいとテーブルがいくつか1列に並ぶ。 俺の訪問時はヒマな時間帯だったせいか、長髪を束ねた寡黙なおやじさんが一人でやってたけど、きっともう一人くらいスタッフがいるだろう。 麺類や定食ものも一通りあるけど、ここはなんといってもオカズがガラスケースのほかカウンター上にも4段構えで並べられているので、好きなのをチンしてもらい、ごはん(大中小ぜんぶ100円!)と汁もの(味噌汁100円、豚汁・粕汁200円)を頼んでマイ定食を作るのが楽しいな~。 でも空腹に任せてオカズをあれこれ取ると定食より高くつくから、気をつけないとね~。 ![]() (左)この右側にもオカズケースあり。 (右)シャケ250円。豪華な昼飯! 大きなビルの谷間でこんな食堂を発見する喜び。穴場感がじわっと嬉しくなる貴重なお店だ。 (2014.10.6) |
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出雲食堂
神戸駅の真ん前すぐの便利なところ。ハキハキしたおやじさんが一人でやっている。 だいぶ年季が入ってそうな店内は、カウンター7~8席とテーブル一つ。ウナギの寝床的に奥へと細長くて幅せま~。相客はカウンターに女性2人だけだったが、それでも若干のきゅうくつ感がある。 でもメニューは多い。うどんや丼物、カレー、やきめし、オムライス…など定番ものと、カウンター上に大皿のお惣菜が数種類、あとホワイトボードに一品もんがいっぱい書かれている。 ![]() (左)正面のホワイトボードに本日の一品モノがいっぱい書かれている (右)狭い 寒いのでとりあえず焼酎お湯割りと粕汁180円をもらい、あったまりつつホワイトボードをじっくり見たら・・・どれもこれも安いやん! じゅうぶん居酒屋づかいができる。 ![]() (左)カキフライ380円 (右)鍋焼きうどん600円 ![]() (左)ホウレンソウ180円 (右)ゴボウかきあげ80円! じつは2階席もあるらしい。見てないけど。 (2015.1.12) |
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