| メ シ つ き 文 化 遺 産 | ||
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| 神戸市兵庫区の渋~い大衆食堂 (神戸市中央区の渋~い大衆食堂はこちら) (その他の区の渋~い大衆食堂はこちら) |
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| 竹島
新開地本通りを東へ、23号線を越えてさらに行くと右手に見えてくる小さな店。朝と昼だけやっている。朝はきっと夜勤明けの工員さんたちが食べに来るのだろう。 まっすぐ行くと川崎重工の大きな工場がある中はイニシエ度が高い。そしてテーブル3つだけのミニサイズ。混み合うと相席が基本だ。 暖簾は「中華そば」だが、小さいながらもオカズケースがあり、玉子焼定食やサバ定食もある昔ながらの食堂だ。ただし丼物やカレー、カツなどはない。それと、中華そばは昼しかやってない。 この中華そばがなかなか人気らしい。あっさりしてやさしい、昔ながらの味わいだ。 中華そば500円(2014.12.2) |
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ふくどめ ★ (2019年秋から休業中)
教えたくない、けど教えたい…時たまそんな、胸がキューンとするような店に遭遇してしまう。 風俗街・福原の外れにあたる。女性一人客ならちょっと躊躇するような場所柄だ。 店の戸を開けたとたん、どこかで見た光景にハッとする。やや末広がりのコの字カウンターに迎えられる狭い空間…ドラマ「深夜食堂」に酷似しているのだ。 むろん、35年続いているこちらのほうが古くて、本物。そのまごうことなきリアルさにクラクラくる。 最大で10人ほど70近いおやじさんが一人でやっている。 「いらっしゃい」もないが、不愛想というより、ハニカミ屋さんなだけであることがだんだんとわかってくる。 壁に貼られた定番メニューは、うどん類500~700円、カレー丼やお茶漬け類で、居酒屋ではなくあくまで食堂だ。神戸名物ぼっかけうどんもある。 が、夕方から夜の営業だけあって、黒板に書かれている一品ものが見逃せない。横の木札も味がある。 その一品もののラインナップがことごとく気になる。空腹時だと片っ端から注文してしまいそうになるに違いない。俺はそうなった。 ちなみに、裏返しの木札をそっと見てみたら、この日は「冷奴」と「かます塩焼き」だった。 ![]() (左)ひろうす煮物、激うま (右)えびバジル風味炒め、激うま ![]() (左)ハム玉、中華の「かに玉」のハム版だ (右)焼き物はここで。これはクジラ南蛮漬け ![]() (左)手羽先、激うま (右)丸あじ塩焼き、激うま 一口食べて、このおやじさんが見かけに寄らずただものでないことがすぐにわかる。えびバジル風味炒めなど、失礼ながらこんな店で出てくるレベルを完全に超えている。 すべてうまし、ハズレなし。量もたっぷり。 だが一品ものの値段は書かれていない。ちょっと心配になってくるが、初訪時は同行者とともに、ハム玉、ひろうす煮、納豆、手羽先、丸アジ塩焼き、エビとバジル風味炒めを食べ、ビール中瓶500円、日本酒400円(菊正の小瓶)×2本、焼酎お湯割り400円×2本を飲んで、二人で4600円だった。 飲み物で2100円やから食い物で2500円、ということは1品200~600円というところだろう。たいへん値打ちがある。 場所柄、客層がやや心配な向きもあるだろうが、おやじさんによると、福原の客は全然流れてこないらしい。 初訪時は、ベビーカーを含む子ども3人を連れた夫婦&母親の3世代家族と、若者一人客がいた。若者はうどんを食って帰って行った。 おやじさんによると、「彼は昨日も来たが、昨日の客は彼だけだった」らしい。 家族連れは6人で食い倒して8000ナンボ払って帰った。 また別の日は、他に客がおらず終始貸切だった。 ![]() (左)別の日の一品メニュー (右)長なすえび煮、うますぎ、シャレならん! チキンカツがっつり店内に猫が出入りしている。1歳のクロ。ほかに巨体のが2匹いる。無口で小声であまり覇気も感じられないおやじさんだが、猫の話になると笑顔で嬉しそうに話してくれる。 そして、クロよりわしのほうが先に死ぬで、とおっしゃる。 外国人男性と日本人女性が並んでいる写真が、額に入って壁の上部にかけられている。 「あれ? あのヒゲの外人男性、スピルバーグですよね? 隣の女性は誰ですのん?」 と聞くと、おやじさんは恥ずかしそうに、 「へえ、姪ですねん。なんやコンピューターの映像技術の仕事してまして」 「スピルバーグの映画でCGを担当してるゆうことですか!」 「へえ」 場末の深夜食堂のカウンターも世界につながっているのである。 貧乏な俺はどこの店に行ってもたいていコレとコレでなんぼやからナンボまでに収めよう、などとケチな計算ばかりしているが、この店だけは、会計時に「もっと払いたい」と思ってしまう。 安くてうまくてムード満点、チビチビよしガッツリよし。こんな店がすいてるなんて…立地条件とおやじさんのテンションの低さが生んだ奇跡だろう。 地下鉄の湊川公園が最寄り駅だが、高速神戸からでもそう変わらない。むろん神戸駅も徒歩圏内。 (2016年6月) |
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江戸家
地下鉄湊川駅の東3番出口からアーケードを少し歩くと現れる。 隣も同じ江戸家という店だが、こちらはウェディングドレスを売っているというカオスっぷりが楽しい。 たぶん親類の店ではないかと入ると、テーブル3つ4つとカウンターの狭い店。おかみさんと息子夫婦?らしき人影が厨房内に見える。 入口近くにおかずケースがあり、カボチャの煮物などが入っている。 ![]() (左)店の間口は広いが奥行きがない (右)おかずケース テーブルメニューを見ると、うどん類・丼物・カレーライス等、ほぼ500~600円台。寿司メニューもある。元寿司屋さんなのかも。 定食はだいたい800円台だが、いちばん高い「お造り天ぷら定食」は1050円。 それ以外に「夏季限定おすすめメニュー」として、天ざるにぎり寿司定食1050円や、そうめん天ぷら800円などもある。 他の客はにぎり寿司900円、お造り定食850円など注文している。 おや、メニューの隅に「掘りごたつ式宴会場完備、宴会ご予約賜り中」と書いてある。食堂とは別に宴会場があるようだ。 俺はまたまたカレーうどん590円を所望。一般的な食堂よりも長く待たされた末にやってきた。 カレーうどん590円おぉ、豚肉たっぷり。タマネギも充実。味は、これぞ日本のカレーだと言いたくなる本格派。 うむー、これで590円とは嬉しいぞ。待たされた甲斐があった。 他の丼物なども試さなければ! との思いが俄然わき起こった。また行こう。 (2016年6月) |
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内田食堂【閉店】
新開地商店街を北へぶらぶら~っと歩き、湊川公園の手前付近で右側に現れるレトロな食堂。半円を描いて飛び出た暖簾がめっちゃカッコイイ。 中へ入るとウナギの寝床的に奥に長くカウンターが伸び、壁側には3つのテーブルが並ぶ。 カウンター内に調理のおやじさんがいるが、それ以外に店員のおばちゃんが3人もいて、ヒマな時間帯はヒマそうにしている。 入ってすぐのガラスケースにオカズが入っている。定食や丼物、麺類も充実。どれもオーソドックスな食堂風味だ。 新開地らしく、客はほぼビールや酒を飲みながら競馬新聞などを読んでいる。ウイスキーもあり。 かつての新開地にはこういう古典的な食堂がいくらもあったんやろけど、今となっては貴重な存在だ。 ![]() (左)カレーうどん550円、あーおいち (右)新開地商店街もさびしくなりにけり (2015.1.22) |
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美華
みなとがわ商店街のアーケードが切れる北のはずれ、ダイエー湊川店が入っているビルの北側に、目立たない店を見つけた。 呑み屋みたいな名前だが食堂のようだ。小さなブラックボードにメニューが書かれている。 まだ暖簾が出てなかったが、表の戸が開いてるし、ちょうど雨が降って来たので思わず飛び込んだ。 まだ開店ちょっと前だったようだが、70歳くらいの無口な夫婦が迎え入れてくれた。カウンター8席だけの狭い店だ。古そうだが清潔に整えられている。 11:20くらいに入店、25分ごろにおやじさんが暖簾を出した。 ![]() 壁メニューを見ると、うどん類400~500円台、ラーメン400円、その他定食ものもリーズナブル。カレー類と中華メニューがやや充実している。 よく見たら、ビフカツ定食やエビフライ定食が800円なのに、すぶた定食・八宝菜定食・からあげ定食が950円もしている。中華に自信があるんやな。 この日はカツカレーうどんの口になっていたのだが、カレーうどん580円やカツカレー780円はあるけど、カツカレーうどんがメニューにない。 でも頼めば作ってくれるよね、それがこういう食堂のいいところ。 待つことしばし、やってきましたよ。 本格派!カレーは本格的な日本カレー、具が多くてまったりと……うーむ、うまい! うどんは細い麺で、太めの中華麺くらい。 値段はカツカレーと同じ780円だった。 食ってる途中でポツリポツリとおやじ客が二人来店。その一人が注文した唐揚げ定食もうまそう。 おやじさんの動きを見ていると、無駄がなく丁寧で、これはきっと酢豚なども相当うまいのではないかと思わされる。 店の外観は味気ないし、食べログなどでもまったく出て来ない隠れ店だが、ちょっと気になるね~。また来よっと。 (2016年6月) |
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| 大弘食堂
新開地駅の近くに食堂が2軒並んでいるが、隣の「大八食堂」は閉店してしまっているようだ。 表に貼り出されているメニューの値段に目が釘づけになる。野菜スープ250円に始まって、中華そば350円、チャンポン450円、八宝菜480円、丼物や洋食はほぼ400~600円、定食類はみな650円。よそより100円くらい安いやん。 ![]() (左)ラーメン、ワンタンともに350円やと~ (右)狭い 中に入ると古びた空間にカウンターのみ、5~6席の狭くディープな空間だ。とくに愛想のないおばちゃんが一人でやっている。土曜の昼下がり、相客は60近くの酔っ払いオヤジ一人。 カウンターの上に小さなおかずケースがあり、焼き魚や揚げ物が並んでいる。 中華そば350円を注文し、それができるまでのつなぎにおかずケースからアジフライを選んでチンしてもらい、ビール大瓶を抜いてもらう。フライをチンしてもろたらフニャフニャ、そらそやな~。 と思ったら、あっという間に中華そばもできてきた。 350円ふーむ、値段の割にはけっこうしっかりとしたラーメンやん。食堂では透き通ったスープが多いけど、ここは一味違うねぇ。なんかちょっと得した気分。また来て他のも食べてみよ。 (2015年5月) |
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丸万
新開地南部の地味な店。やっすい店が多いこの場所なら激安が期待できそう~、とワクワクしながら暖簾をくぐる。 テーブル2つ、カウンター4席のごくごく狭い店。 先客一人、交通整理のおっちゃんがカレー丼を食っている。カウンターに店のおばちゃんが座って喋ってたけど、俺を見て立った。 カウンターやテーブルがごつい白木の一枚板でできている。以前は小料理屋かなにかだったのかも。 意外に立派な一枚板テーブル壁のメニューを見てビックリした。親子丼700円! 安くないやんか。いっちゃん安い玉子丼でも620円か……うどん類は340~600円、まあまあ。 すっかりびびって、玉子丼と並んで最低ランク620円の「丸万丼」とは何かとおばちゃんに尋ねたら、「アゲと玉子」というのでそれにする。 やがて丼は汁と一緒に盆に乗ってやってきた。汁に素麺が入っている。嬉しいやないの。次いで漬物も来た。白菜とキュウリ、わりとたっぷり。 丸万丼620円丼ふわふわ、薄味でうまし。ふーむ、これなら一般的には620円の値打ち十分やな。 おばちゃんはざっくばらん系ながら、水を置きつつ「熱いお茶もあるで、入れよか」などと気を使ってくれる。 新開地価格とは言い難いが、内容は全然悪くない。(2016年7月) |
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だるま食堂
兵庫駅から5分ほどの2号線沿いにある。表のブラックボードにいろいろメニューが書かれていて入りやすい。 店内はチープで地味な雰囲気。50代くらいの男性が一人でやっている。 ![]() (左)店内 (右)おかずケースにいろいろ並んでいる うどんそば・丼物はみな300~400円台で安いなぁ。カレーうどん350円か。豚汁や粕汁に麺をぶち込んだ豚汁ラーメン500円や粕汁うどん480円もあったりする。おでんもスジ120円以外は80円。 丼物やカレーライス(450円)のセットはどれも、味噌汁付き50円アップ、豚汁つき100円アップ、うどん・そばつき200円アップとシステマチックに上がっていく。 玉子かけご飯と味噌汁で250円なんつー貧乏人救済メニューもあるぞ! あー腹減った。とりあえずラーメン400円、オイチーわ~。カネつこて高いもん食わんでも、腹減ってりゃ400円で大満足~っと。 安いしまた来よっ♪(2015年2月) |
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山栄食堂 【閉店】
地下鉄海岸線の中央市場前駅から徒歩3分の町工場エリアに、小さな名食堂あり。 ぱっと見て、玄関わきの玉石タイルといい、隣のミニ書店といい、もうどうしようもなく昭和中期の景色やの~。 ![]() (左)奇跡のツーショット (右)短い暖簾 中へ入ると暖房ホワホワ、湯気で一気に眼鏡がくもる。そしてこの店を始めて50年になる、明るく軽快な店主ご夫婦が迎えてくれる。 2人がけテーブル2つ、4人がけ3つのこぢんまりとした空間。奥に厨房がある。 ガラスケースや厨房カウンターにはおかず類が並んでいる。まぐろ刺身の量がすごい。「これなんぼです?」と聞くと「よんごー」やて。ヤッスー! でもこの日は鯛煮付260円をチンしてもらい、粕汁250円+小めし150円=合計660円のマイ定食を完成させた。 さらにウマそうな関東煮も気になって1個80円を2つ、〆て820円の豪華な昼飯じゃわい。 ![]() (左)このメニュー板が渋い (右)幸せな昼飯 食べながら壁のお品書きをじっくり見ると、「エビかつ丼、ミニうどん・そば付650円」「カルビ炒め450円」「すきやき鍋うどん650円」など気になるのがいろいろ。ビール大瓶480円も良心的だ。 後日、ある人が「まぐろ丼がおすすめ」と教えてくれたので、それを食べた。 ミニうどん・そば付650円ぶっといマグロが10切れ。写真にはうつってないけど漬物もしっかりつく。おそれ入谷の大満足でごぜえます。 常連客らはここで飯ができるまでの間マンガ雑誌を読むのを楽しみにしているようで、ジャンプの発売日には隣の書店へおかみさんが買いに行き、「はい、どうぞ」といつもの客に手渡している。 店のたたずまい、雰囲気、料理、値段、朝から晩までの通し営業、そして店主夫妻の明るい人柄と、大衆食堂の好きな人なら感銘を受けずにはおれないだろう。 どうかがんばりすぎず、お体を大切に末永く続けてくださることを祈る。 (2015年2月) ※2015年8月におやじさんがお亡くなりになりました。でもその後、おかみさんが一人でがんばっておられます。メニュー・内容ともに縮小されましたが、続いているだけでも嬉しいではありませんか。おかみさんにエールを。(2015年12月) |
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| 淡路屋
笠松湯から南へ、道路を渡って2~3分。NHK「ドキュメント72時間」にも取り上げられた、一風変わった有名店だ。 ていうか近所の子どもたちはみんな知ってる駄菓子屋さんだ。 ![]() (左)店頭には駄菓子いっぱい、中にもいっぱい (右)なにやらメニューもいっぱい! でも単なる駄菓子屋さんではない。店頭に貼り出されているメニューがすごいぞ。 たこやき各種(5個150円~)、揚げ物各種(ビーフコロッケ80円~鶏皮ぎょうざ200円)、パン類(シュガートースト100円~BLTサンド300円)、単品各種(プリン50円、目玉焼き50円、ソースせんべい80円)、アイス各種(チューペット20円~あずきバーミルクドリンク180円)、飲み物各種(牛乳100円~タピオカミルクティー250円)……。 中でも人気はクレープだろう。これまたいろんな種類があり、甘くないオカズクレープみたいなのもいろいろあって、軽食になる。 ハムエッグのクレープは、ハムサンドの中身のようなのが入る。こんなん初めて食ったけど、うまいやん! ![]() (左)その場ですぐ焼いてくれる。ハーフもできる (右)ハムエッグクレープ350円 当然、放課後および土曜日は近所の子どもたちの楽園だ。とても賑やかで、そこにまぎれているだけで楽しくなる。 これら超豊富で良心的な品揃えを取り仕切っているのが、上写真の通称「ねーちゃん」。元々は母上がやっておられた昔ながらの食堂だったのを、ねーちゃんが代を継いで子どもらの楽園に衣替えした。 といいつつ、食堂機能もしっかり健在だ。 店内は狭いが、小上がり式の小さなテーブルが4つ5つあり、秘密の隠れ家感がおもしろい。 ![]() (左)ハンバーグ定食540円 (右)こんな座席 食事メニューは、丼物、カレーライス、オムライス、焼きそば、焼きビーフンなどほぼ450~500円。なんとビールも置いている。 時間帯によって客層が大きく変わるユニークな店だ。 さらに感動的なのは、隣の空き店舗を買い取って、店に入り切れない子どもらのたむろスペースとして無償提供しておられることだろう。 ここで日々繰り広げられる大人と子どもの人間模様は、NHKの番組で見事に描かれていた通り。存在自体が街の宝でありオアシスであると言わねばなるまいて。 近所の工員さんも駄菓子を買いに来る(2016年2月) |
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伊勢屋
滅びつつある平野市場を南へ抜けたところに、ザ・究極の食堂あり。 どんなふうにザ・究極かを言葉で説明するのは難しいので写真中心で。 ![]() (左)どうやったらこんなふうになれるのか (右)もはやカッコイイ… 暖簾周辺の繊細な状況を壊さないよう注意しつつ中へ入ると、4畳半ほどの狭~い隠れ家空間だ。 コンクリ打ちっぱなしが年季を重ねてヒビ割れた床に、4人がけテーブル一つと、窓際の壁にくっついたカマボコ形の2人テーブル2つ。この窓際席は、造形としては相当イカしてる。 天井近くのタナ上には、使われなくなって久しいオカモチがたくさん並んでいる。 ![]() (左)中央テーブル (右)おしゃれな喫茶店!に見えなくもない ![]() (左)厨房方面 (右)オカモチ群 ![]() (左)ラップされた壁のメニュー (右)座るとまずはこいつがドンと来る メニューはけっこう多い。すべて現役なのかは不明だが、中華そばの「370円」に目がクギヅケにならざるを得ない。 注文すると、おっちゃんが狭い厨房でせっせと作ってくれる。 中華そば370円やってきた370円は意外にもまろやかな豚骨系スープ。だが塩気が全然ない。おっちゃん、塩を入れ忘れたんかな? それとも、いつもこれなんやろか。 人のいいおっちゃんによると、かれこれ50年やってるとのこと。以前はばあさまと二人でやってたが、今はお一人で続けておられる。 それにしてもこのザ・究極っぷりは、もしや阪神大震災によるものなのだろうか、とフト思って聞いてみると、 「地震でもなんともなかったよ」 すばらしい……。(2015年7月) ※後日、再訪時にワンタンを注文すると、ちゃんとスープに塩味があった。上記レポート時は5人で押し寄せたから、おっちゃん一瞬パニックになって塩を入れるのを忘れたものと想像する。そういうところも憎めない。ワンタンうまかった。(2016年9月) |
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まるふく
相生湯から西へちょっと行ったとこにある地味な食堂。 さほどイニシエ色が濃いわけではない。またメニューは麺類、丼物、カレーなど多彩だが、おかずケースはないし、客席が厨房と完全に分離されていて、大衆食堂と呼ぶには若干毛色が違う。 いちばんの特徴は、寿司メニューがいろいろある点。つまり寿司屋の発展型なのね。 ![]() (左)テーブル4つの小さなお店 (右)穴子の箱寿司500円 ![]() (左)だしまき (右)ラーメン550円 スープが自慢のラーメンはあっさりしていてチャーシュー美味し。メニューの「塩カルビ丼」も気になるから今度食おっと。 全料理の写真が壁に張り出されていてわかりやすいけど、いちいちピントがボケてたり色が悪かったりするのが笑える。 風呂上りに居酒屋で飲むのも楽しいけど、たまにはこんな食堂でこぢんまりと、静かに落ち着いて箱寿司つまんでお酒ちびちびもよかろうて。 (2015年1月) |
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日吉屋 ★ 【閉店】
石井橋バス停のど真ん前。山麓線の大黒湯ほん近くにある古い食堂だ。建物の年季の入り具合からして胃袋の琴線をピーンと弾いてきよるわいな。 中に入ると、まさにザ・レトロ食堂の定番ともいえる緑のパイプ椅子が最高。時間も空気も見事なまでに静止状態だ。 ![]() (左)いや~よろしがな (右)たまらん! ![]() (左)麺類メニュー、基本的価格。丼物は450円~ (右)台所のカマドが渋い! 穏やかなおじーさんとおばーさんがやっている。おじーさんは腰が曲がっているが、しっかり働いておられるぞ。 張り込んで、すき焼うどん650円を注文した。 ![]() (左)コレモンで出てきます! (右)すき焼きうどん650円 ![]() (左)鍋敷きに焼き印 (右)そして親子丼550円 すき焼きうどん、麺がヤワヤワで細い。しかし年寄りの割には甘過ぎず、ええ味出しておられます。 そして親子丼550円、こいつは激ウマ! いや~まいった、これぞプロの味。これはエエ店見つけたわ。 老夫婦で50年やってるそうだ。以前は薪のかまどだった レトロな店内に不釣り合いに立派なテレビで、野球デーゲームの昼下がり。なんともいえぬ、よき時間なり。 雨の日はお休みされるらしい(2015年6月) |
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