チープに極楽、生きててよかった!
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湯の町浴場
銭湯といえば下町の印象があるが、ここは上も上、ぐぐっと坂を登って後ろはもう山やがな。新開地から1km以上登りづめ。 で氷室神社への坂の途中に登場する伝統的な凸型銭湯、でもわりときれいな白い建物だ。たぶん震災後に塗りなおしたんやろけど、その珍しくも情緒あふれる屋号とアーチのヒサシが感じよろし。 ![]() (左)坂の上のフロ (右)エレジーを感じる屋号 暖簾をくぐると玄関靴脱ぎスペース、改装スミ。 靴を脱いで脱衣所へ上がる、改装スミ。 服を脱いで浴室へと入る、改装スミ。 と、特に古いものはほとんど何も残されていない。脱衣所の格天井のほかは、震災後とおぼしきビニールクロスとタイルできれいに張り直されている。ロッカーはアルミのピッカピカだ。 ではなぜイニシエ重視の当サイトで取り上げるのかと申しますと、浴室に神戸独特のアレが現存しとおからです(注・「○○しとお」は神戸弁)。 浴室はけっこう広々していて、奥壁に深、浅(気泡)、ジェットの3槽が並ぶ東京型。ときたら手前には島カランがありそうなものだが、違うんですね〜。 そこには、くみ出し洗い専用の楕円形の湯鉢がデーンと鎮座しとお。幅50〜60cmくらい、長さは2mちょいというところ。もちろん大阪式の腰かけが周囲を取り巻いとお。 ここに浸かったらアカンのよ〜。くみ出し専用やからね〜。しかし便利やんねぇこれ。頭も体もあっという間に洗えちゃう。 このくみ出し洗い専用湯鉢は、俺の知り得た限りではなぜか神戸と韓国にだけ存在しとお。神戸では垂水区の天水湯のほか長田区の扇港湯や本庄湯、中央区の多聞湯にもあった。 もちろん、壁際にはカランもある。立ちシャワーもある。そして湯船のたっぷりのお湯がじつに気持ちよろしい。 内装は張り直されているとはいえ、基本構造は番台を含めて昔ながらのシンプル造りのままなので、脱衣所にも浴室にも銭湯ならではの脱力オーラが漂っとお。 とにかくここでは、神戸名物くみ出し専用湯鉢の横にへたってダラダラ過ごすべし。 (09.4.19) 夜の町の湯の町 |
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笠松湯
三菱重工などの大工場がある臨海工業地帯、和田岬。地下鉄海岸線とJR和田岬線の駅の少し西、笠松通り商店街を入ってすぐのところにある。 震災の被害が大きかったところだが、笠松湯は昔の造りのまま営業を続けている。 外壁は震災後に塗り直されたと思われるが、レトロな風情をいい感じで残している。屋号の書体になかなか味がある。 商店街の一角で落ち着いた景観を演出下足室はごく普通。脱衣場も、派手な神棚(稲荷)が男女の仕切り壁の上に祭られていること以外は、やはり普通の感じ。 だが浴室に入ると、ちょっと異質な雰囲気が漂う。 広い浴室の中央に、浅深の大きな浴槽がデーン。それだけ。気泡もジェットもなし。あとは壁際にカランが並ぶのみ。 浴室は広いし天井も高い、なのに浴槽が一つだけだから、非常にのびのびとした空間が広がっている。浴槽のへりも厚みがあり、どっしりしている。 なんとなく大陸的な感じだ。 かつてはここで、大勢の港湾・工場労働者たちが汗を流したのだろう。軍需産業から高度成長までを真っ黒になってささえてきた労働者たちが、夕方いっせいに集まって一日の疲れを癒した場所。 今は閑散とした空間の真ん中で、大きな湯船にどっぷりと浸かって目を閉じる。しみじみ・・・。 湯船の四隅はカーブしていて小判型に近い。へりには小さな長方形の青タイルがびっしりと貼られている。 タイル張りの床は、カランの手前に排水溝がない。そのかわり浴室の出入り口から2〜3メートルのところにある溝を最低地点として、床全体が奥から手前に傾斜している。ということは奥で体を洗った人の排水が手前の人の足元を流れて行くのだが、そのへんの配慮のなさもまた土地柄を感じさせる。 壁は白タイルが主体だが、震災で崩れたとおぼしき部分(全体の半分近くか)には真新しいタイルが貼られている。 それと、奥の壁の手前1.5メートルほどのところに天井から1メートルたらずの鴨居のような垂れ壁があり、そこにアルプスの湖畔をイメージしたモザイクタイル絵がある。 設備はなにもない。でも、大きな空間で大きな湯船にゆっくりと浸かることができる。そんな銭湯だ。 (2003.9.17) |
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浜添湯★
これはちょっと感動したなあ。 JR新長田駅から東へ約1km、国道43号線の東尻池西口交差点から1筋南の角にある。ぱっと見は古くて小さな下町銭湯だが、震災の激甚被災地だからそう古いものは残っていないだろう、と期待せずに暖簾をくぐってみると・・・。 ![]() (左)玄関前は敷石 (右)あがりがまちとタイル絵 おーこれは渋い年代色の上がりがまちと、タイル絵が残っているぞ。ちょっと期待に胸ふくらむ。 震災後に入れられたと思われるサッシの戸を開けると、黒光りする木の番台、格天井、年季の入った仕切り壁など、明らかに昭和初期の諸々が現役で生きている。いやーうれしいねえ。ロッカーや壁の一部は新しいが、これはもしかすると・・・。 浴室へ。 でで出たあーーー。石畳の床に石の湯船。 しかも石畳のスキマにはレンガが1列はめてあるだけで、かなりびっちりと石が敷き詰められている。カラン下に溝はなく床全体が傾斜しているパターンで、最低部分の溝を排水が流れてゆく。 しかもこの溝! こんなとこまで石造りだぞ。これは珍しい。お湯が流れてゆくさまをしばしボーっと眺めてしまったよ。 湯船は、手前に深いメインの石造り浴槽、奥に浅くてぬるい浴槽(座浴ジェットと気泡つき)だが、メイン浴槽のフチには床と同じ石材が使われている。石臼なんかに使われている白っぽい花崗岩ね。僕は黒御影よりこっちのザラっとした感触のほうが好き。ここへ後頭部を乗せて体を浮かべるのよ。気持ちエエ〜。 浅いほうの浴槽には、なつかしの豆タイルが使われている。 さらに、女湯との隔壁をくぐる共用の水鉢もどっしりと石造り。泣ける・・・。 もうひとつ珍しいのは、女湯との仕切り壁の上に、古いコンクリート造りの飾り屋根というかひさしのようなものが端から端まで乗っていること。はじめて見た。 壁とカラン周り、浴槽周囲の座り段には、新しいタイル(これがけっこうナイスセレクション)が貼られている。震災で崩れたのだろう。そのぶん、古い銭湯の割にはシャワーの出もよく、鏡も新しい。 それにしても、この古い銭湯で、震災後の改装をこれだけ最小限に抑えてあるのは奇跡というほかない。 上がって番台のおじさんに聞くと、震災のときは浴室の壁が厚さ10cmにわたって内側へ剥げ落ち、煙突は途中で斜めにずれたそうだ。 築何年の建物かは、戦後に買い取ったものなのでわからないとのこと。 浴室に使われている石の密度は神戸最強ではないか。夕方6時半で客は2〜3人だったが、とにかく末長くがんばってほしい銭湯だ。駅から少し遠いが、わざわざ探して行く価値は十分ある。(03.11.25) いい! |
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高浜湯
JR鷹取駅から南西へ徒歩10分ちょい。 震災で焼け野原になった駅前通りをまっすぐ歩き、2号線の1筋南の通りを水族園方面へ歩くと、海岸通に出る手前にふいに現れる。 小さいが、四角いコンパクトな外観はちょっと味がある。 暖簾をくぐると、下足室の正面には宝船のモザイクタイル絵のお出迎えだ。 やけにあっさりした宝船脱衣場に入ってまず目をひかれるのは、番台の正面と、その横の入口通路を挟んだ位置にある円柱。1×2cmの細かいタイルがびっちり貼られている。しかもその色が薄紫色なのよね。 めずらしい場所にめずらしい色のめずらしいものが立っている。こいつがなかなか美しい。 ステキな円柱浴室の入口付近もすべて細かい角タイルが隙間なく貼り込まれ、地震で剥げた様子もなく静かに光っている。 ロッカーはアルミ製だが、天井は格天井で、そこから歴史的色彩を帯びた3枚羽プロペラ扇風機がぶら下がっている。 浴室に入ると、いくつか新鮮な驚きが。小さな空間だが、不思議と見どころが多い。 まず、入った正面にかかり湯がある。手前に長い長方形で、この規模の銭湯にしては大きめだ。ここには30度くらいのぬるい湯が張られている。 その背後につながるかたちで、浅・深・ジェットの主浴槽が中央にあり、両サイドが洗い場。床と壁は震災後に貼り直されたっぽい大き目のタイルだが、浴槽は昔ながらの細かいタイル使い。 さらに右手奥には2〜3人サイズのスチームサウナ、左手奥には洞窟風の水風呂がある。スチームサウナ上部の壁には男女ぶち抜きでモザイクタイル絵(アルプスと湖水)がある。 でもいろいろあるわりにゴチャゴチャ感はなく、うまいことコンパクトに配置したなと感心させられる。 天井は男女それぞれが独立した船底になっていて、円形の湯気抜きが1つずつポソッと開いているのが珍しい。 そして、男女仕切り壁の中央と、反対側の壁の中央に、それぞれ1本ずつ、またもや円柱がそそり立っている。しかもここのは太いぞ。そして脱衣場の円柱と同じ細かい薄紫タイルがびっちり。なかなかの見応えだ。 とまあ、古いミニ銭湯にしては妙に味がある。主浴槽を挟んでサウナと水風呂が離れているけど、このスペースでは仕方ないな。 平日の夜7時ごろという空いている時間帯だったが、そこそこお客がいて、みんなけっこう長湯していた。やはり家風呂にはないスチームサウナと水風呂のおかげだろうか。 (04.2.9) |
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天水湯
神戸にこんな銭湯があったとは・・・新鮮な驚き。 垂水は神戸の中心地からちょっと西に離れた漁港のある町。駅前は震災後に再開発の巨大ビルが乱立したが、ちょっと離れると昔ながらの家も残っている。 垂水駅から北西に2〜3分歩くと、幹線道路に沿ってどっしりとした和風建築が現れる。ちょっと旅館っぽい印象だ。 ![]() 道路からちょっと奥に入って玄関があるのがいい感じ。小屋根の下に屋号入り電灯が左右に2つ。暖簾をくぐると下足室は細かい格子の天井で、脱衣室入口の木製の戸も重厚だ。 張り紙がイマイチ戸を開けるとまた「男湯」の暖簾があり、番台には90近いと思われるような婆さんが座っている。 脱衣室も濃厚なレトロムード。壁はしっくい、格天井に扇風機が回る。開け放たれた窓の外にはタオル類が干され、その向こうに庭の木が繁る。 木のロッカーは補修のためか外枠にカラー布テープを貼ってあるが、1段ごとにテープの色を変えてある。これがまた不思議に味がある。ロッカー中央には大きな漢数字、古い文字だ。「拾貳」のロッカーを使わせていただく。 浴室に入って驚いた。こいつは初めての光景だ。 浴室の中央に、幅90cm長さ3メートル弱の、楕円形の細長い浴槽がある。何これ? 大人が浸かるには狭いが、周囲には腰かけの段がある。どうやらこの周囲に腰かけて、ここの湯を桶でかい出して体を洗えということか。 んで主浴槽は・・・と、奥のサウナ(有料)の横にある。ジェット気泡が吹き出ているが、これほど遠慮がちな位置にある主浴槽は初めてだ。手前の面がゆるく半円形に飛び出ていて、フチには細かいタイル張り。 主浴槽の奥のタイル壁には、このあたりにはめずらしく大きな絵が豪快に描かれている。山の湖水に白鳥が7羽浮かんでいる風景。だが震災によるものか、左上から右下へとひびが入っている。 入口の両脇に、水風呂と、ジャグジーつきのぬるい浴槽もあり、古いながらも一通りの設備は揃っている。 ただし震災の影響かヒビ割れが随所にあり、やや雑な白セメント補強がボロさを増幅させている。それと天井のペンキが朽ちてめくれ上がっているのが見苦しいので、ぜひとも塗りなおしていただきたいところ。このままだとマニア向けになっちゃうよ〜。 が、それにしても何といっても中央の不思議な細長い楕円槽、銭湯ファンなら一度は見ておくべきだろう。 瓦の乗った外塀も立派。夜には植木の電飾がまたたく |
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