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【西播磨】の激渋銭湯 | ||||||||||||
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白山湯 ★(姫路市)(廃業) 花影湯 (姫路市) (廃業) 中島湯 ★(姫路市)(廃業) 薬師湯 (姫路市)(廃業) 白浜温泉 ★(姫路市) 都湯 (相生市) ラヂオ湯 (赤穂市)(廃業) →この地域の2011年以前に廃業した激渋銭湯はこちら |
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【兵庫県】 神戸市/阪神間/東播磨/西播磨/淡路/但馬 | ||||||||||||
白山湯★(廃業)
世界遺産・姫路城の西側は、古い街並みの残るしっとりとした地区。その一角で風情を盛り上げるナイスな銭湯だ。 姫路駅からお城へ向かってまっすぐ歩く。大手門に突き当たって左(西)へ曲がり、しばらく行くと外堀の市之橋を渡る。そこから2筋目の右手に煙突が見えてくる。 向かいは思いっきりガソリンスタンド・・・うーん、大通りに面しているから仕方ないな。この銭湯も前と横に駐車スペースあり。 暖簾をくぐると、狭い玄関は升目の細かい格天井。 正面に掲げられた「姫路湯屋組合」の看板が泣かっしょるわい。 ![]() ![]() (左)玄関正面 (右)今は「兵庫県公衆浴場組合姫路支部」 おっ、その下の傘立ての背後には小さな富士山のタイル絵だ。 脱衣場へ入ると、低めの番台に60代のおかみさん。小さな空間だが、柱や塗り壁がヒナビた風情をたっぷりと醸し出している。前栽ではヤツデが葉を広げている。 天井は白っぽく塗られた、升目の大きい格天井・・・でも一部の板がめくれてるから合板だな。端のほうで古い扇風機が勢いよくまわっている。 番台・ロッカーは新建材で改装済。ロッカー下には常連の桶がぎっしり並ぶ。 こじーんまりした浴室は・・・古い! 古いよこの空間。 いきなり出ました石畳の床。かなり黒ずんだ石と石のすきまに水色のタイルがはめこまれており、タイル部分が傾斜して溝になっている。 真ん中に味わいのある骨董品的な黒御影の浴槽ひとつ。へりのカマボコカーブがまたエエ感じ。内側の座り段まで石で、一部にタイル張りの浅い部分あり。 周囲の座り段は低めで、ここだけ新しいタイルが張られている。 湯温はややぬるいな。41度くらいか。 そしてなんちゅーても、男女仕切り壁に小さなタイル絵だ。しかも2つ! 右は中国っぽい渓谷をいかだで下る図、左はヨーロッパの高山と湖畔の家、ともにタイル12枚分。 じいさんが湯舟にチャポンとつかって、その絵をぼんやり眺めている。その姿がまたなかなか絵になる。毎日こうしてるんだろな。 その横に「酵素入浴剤・パパヤ桃源」の看板。「当浴場の湯はパパヤ桃源を使用しています」とな。なんじゃそら、とあとで検索してみたらこんなんでした。そういや、ぬるめだがよく温まったような気がせんでもない。 壁の白タイルに「かかり湯をして入ってください」「浴槽内タオルで体をこすらないでください」とマジックで直書きしてあるのはなかなか豪快。 カランは9つあるが、端の2つは水のほうがユルんで飛び散るのかタオルが巻きつけてあるのもまたもや豪快。 カランまわりはイニシエ系の細かい長方形タイルがびっちり。 田舎のプチ銭湯には珍しく、高い椅子や桶(貝印カミソリ)が十分配備されているのは嬉しい。 入ったのは平日7時前、たいてい空いていることの多い時間帯だが、そこそこお客が回転していた。 感心したのは、どのお客も、使った椅子や桶をそれぞれカラン下の段にピタッと片づけて上がること。桶を積んで上がるのはよくある光景だが、ここまできっちり元通りに片づけられているのは珍しい。 古くて小さいけど、みんなに大切に使われてるねんなぁ。シャワーの出もよかったし、湯船もよく磨かれている感じで好印象だ。 ちなみに、女湯は小さなタイル絵ではなく、モザイクタイルの富士山が壁一面に描かれているとのこと。の・・・のぞきたい。 上がりのドリンク販売も、女湯側にだけ冷蔵庫が置かれているっちゅーことだが。許せん。(2004.9.2) |
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花影湯 (廃業)
姫路駅から西へ歩いて10分たらず。幹線道路から南へ折れたところに「ゆ」の暖簾あり。 見た目は白塗り四角四面なビル状で、なにがどうということもない。が中を覗いたらちょっといい感じね。 ![]() ![]() ふわっと田舎フィーリング 靴を脱いで戸を開けると、番台に人当たりのよいおかみさんが座っている。 こぢんまりとした脱衣場は真ん中にベンチが置かれてあるだけでスッキリ。ロッカーはチープな合板製で、だいぶ傷んできている。 ま、とりあえず裸になって浴室へと。 と、とっとっと、とっとととっとっとー! にゃんと浴室は外観からは想像できなかった総イニシエ造りの濃厚空間やおまへんか! 床は小ぶりの石畳で、隙間に白タイルが挟まっている。 唯一の浴槽は横向き長方形の深浅だが、これも御影石でできており、内側の段まで石造りだ。 湯舟外側に大阪式の腰かけ段はない。そのかわり木の長いすが正面と右側に置かれていて、そこに座って湯船の湯をかい出しながら体を洗う人がいる。 男女壁沿いに並んでいるカラン(シャワーなし)は数は少なく、その周囲の造りやタイルなど、かなり古いスタイルのままだ。 うーむ。なんか別府の小さな共同浴場を思い出す。全体にどことなく手造り感が漂う、味わい深い浴室だ。 古くて狭い浴室だが、6〜7人の客が入れ替わり立ち代わり入ってきて、楽しげに談笑している。 いやー、意表を突かれたなぁ。 さぞや古い浴室だろうと、上がっておかみさんに聞いたら、なんと40年ほど前に造り替えたものだとおっしゃる。 それまでは幹線道路に面した側に入り口があった。ところが道路拡幅で前半の土地を削られたため玄関を横へ移動し、風呂全体も90度回転させるかたちで、サイズを縮めて造り直したそうだ。 そのとき、それ以前に使っていた石の湯舟、石畳の床をそのまま組みなおして再使用したのが今の浴室なのだという。 「工事のあいだは石材をいったん他のところへ移動させて、内部を造るときにまた運び込んで組んでもらいました」 偉い! ふつーのタイル浴室にすれば簡単で一時的には見栄えもいいものを、あえて重い石をあっちへやったりこっちへやったりしながら、伝統的な石造り浴室を再現したとは、まったくもって素晴らしい。 しかもおかみさんはなんと、年中無休で店を開けておられる。 「ことし初めて、元旦だけ休みました」 ここにまたひとつ泣ける銭湯を発見した。近所の人は迷わず通いましょう。(2011.4.6) |
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中島湯 ★ (廃業)
山陽電車の飾磨駅から南へ商店街を200mほど歩き、洋菓子「ロワール」の角を左に曲がると橋がある。それを渡ってまっすぐ約300m、信号の手前にある。 小さな和食店か民宿っぽい外観が感じいい。 ![]() ![]() (左)この地方はれんが造りの四角柱煙突が多く残る (右)風情ある木造の町屋風 建物は古そうだが、下足室は狭いけど下駄箱も新しくてこぎれいにしてある。 脱衣場もかなり狭いうえマッサージ器などもあってやや雑然とした感じだが、格子の天井はけっこう高く、ダークブラウンの桟が美しい。庭のウネウネッと曲がったカイヅカイブキも風情よし。番台のおばちゃんも感じいい。 浴室は脱衣場の狭さに比べると、コンパクトながらもそこそこの広さがある。床や壁は新しいタイルで改装されていて、ボロい印象はない。 男女仕切り壁に沿って小さめの浴槽が5つ並んでいる。奥からジェット、深、浅、「温泉」、水風呂。 ジェット、深、浅はやや熱めの43度くらいか。この3つの浴槽のへりは古い石が使われている。あちこちひび割れてかなりの年季だが、改装時にこの石の湯船だけをそのまま残したあたり、愛着があるんだろうなあ。使い込まれたツルツルの感触は確かに気持ちエエ。 そして、その隣の「温泉」浴槽。2人用の小さなタイル張り浴槽に白濁した湯が張られており、気泡がブクブクしている。壁の説明版には「日本で唯一の泉質、二股ラジウム泉」とある。北海道・長万部の二股温泉の「湯の華」を入れているらしく、その効能・特徴が細かく解説されていて、ほほえましい。 入ってみると、ぬるめの40度くらい。ウムー、これはまろまろっとしてて、キショクええがな〜。 さらに、奥の角にはスチームサウナ(無料)が設置されている。これも2人用のこじんまりしたものだが、座面にしっかりした木のスノコが置かれていてこれまた気持ちいい。 もひとつこの銭湯のポイントは、豆タイル。浴槽外側の腰掛け段にはウグイスの糞色、カラン下の段には濃青緑と、渋い色の豆タイルがびっしり敷き詰められている。タイル教信者としては、もーナデナデ状態。 男女仕切り壁には、鶴と生け花のタイル絵があるが、これは既製品っぽい。でも本物のタイル絵がもう作れないご時世にあってなお、改装に際してこういうのを配置しようというセンスが銭湯ファン心理をくすぐる。 浴室は全体的に清潔感が漂い、古い銭湯にしてはシャワーの湯温・圧力もバッチリ。 この風情で、熱めの主浴槽、ぬるめの温泉、スチーム、水風呂といろんな温度が楽しめ、なおかつ渋い豆タイルとくれば、もう星をつけずにおれませんな。しかもすいてたよ!(平日午後5時前で1〜2人) ゆっくり長湯を楽しめる小銭湯。近所にほしい〜。 (2004.4.22) ※「レトロ銭湯へようこそ関西版」に掲載されました。 |
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薬師湯 (廃業)
山陽電鉄飾磨駅を南へ5分ぶーらぶら。薬師旅館というやってるのかどうかよくわからない系の旅館の隣に、古い系の銭湯があるワケ。 薄いアズキ色というのか、それ系の色をしたアッサリ系というか朴訥系の看板建築なのか何なのかナガシカクい系の玄関上の飾り壁が印象系。 建物の横には燃料系の廃材が積まれている。 ![]() 暖簾をくぐると靴脱ぎの玄関スペース、あがりがまちは若干珍しい系の細かなタイル敷き。 んで戸を開けて入る、その戸がまた激しく使い込まれた古い系の味わい系で郷愁系なワケ。 中に入ると番台に若干くたびれ系のおやじさん、湯銭350円とは安い系。 コンパクトな脱衣所は高度成長期系のチープな新建材で改装して軽く30年くらいは経ってます系で、脱衣箱は化粧合板。 ともかくスッポンポンになって浴室へと進むと、男女壁に沿って湯船が3つ並んでたりするワケだけど・・・オット! 中央の深風呂はイニシエ系の白っぽい御影石系、湯船内側の腰かけ段までもがどっしりと石造りやおまへんかーの歓喜系。 その右側にはジェット2連の浅風呂、そして左側は電気風呂だけどどういうわけか通電していなくて若干残念系。 湯船の周囲は大阪式に腰かけ段が取り巻いてる系なわけだけど、播磨地方らしく低め系。 はじめは2人ほど他客がいたけど途中で若干ひとりぼっちになっちゃった系。 んで石造りの深風呂は入っているうちにお湯がどんどん沸いてくる系。お客が大カランをひねって自分でうめる系だけど、44度くらい以上まで我慢して、ひさびさに熱い湯を楽しんだってワケ。 奥にはスチームサウナもある。いちおう運転はしているがスチームが弱くてどっちかというとフツーの浴室より若干湯気が大目かな程度で微妙に残念系。 でもその横にはちゃんと水風呂もあってオッケーなワケ。 床やカラン周りはわりと新しいタイルで改装済みで、シャワーの勢いはバッチリ系。 んでまた出入り口の近くには立ちボディシャワーもあったりする系、だけどこれも水圧が若干弱い系。 と古い系のわりには設備はそこそこ揃ってる系だけど、管理はいまひとつ系で微妙に若干くたびれてるかも系なわけ。 でも石の湯船はなかなか渋いし、月に1回しか休まないのは感心系。 (2009.4.8) |
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白浜温泉★
忘れていたこの感動。ある意味、三ツ星銭湯だ。 山陽電車「白浜の宮」駅を南に出て、松原八幡の西側を通って10分くらい歩く。 春、この浜での潮干狩り帰りに子ども連れてテクテク歩いて来たら、閉まってた。かなりの濃厚オーラを漂わせながら営業時間や定休日の表示もなく、廃業を思わせるイヤ〜な雰囲気。 横を歩いてたばあさんに「ここ、廃業ですか?」と聞くと、ばあさんはこう言った。 「いんや、やってるよ、あたしゃ昨日入ったからね。今日は休みやから、もうちょっと向こうの杉の湯に行くとこですねん」 で、その日はばあさんと一緒に杉の湯へ行った。 あれから4ヵ月。満を持して再びやってきた。相変わらず濃いですなあ。 ![]() ![]() (左)正面の庭の木が異様に伸びている (右)横面は木造脱衣所とレンガ造り浴室 ![]() ![]() (右)これは春の定休日に撮った写真 (右)屋号まったく読めません しかし、以前は閉じられていた玄関にかかる暖簾の奥を見ると、おや〜? なにやらちょっと垢抜けた演出が。 ![]() ![]() 手書きの日本画風水彩画と詩が飾られている ![]() 期待に胸を膨らませながら靴を脱ぐ。激渋の板張り上がりがまちの向こうには2枚目の暖簾があるが、戸は開けっぴろげで、脱衣所まで外から素通し。 で、その2枚目暖簾をくぐって番台で湯銭を払おうとして、俺は一瞬、呼吸が止まりそうになった。 か、かわいい・・・。 忘れていたこの感覚。なんと、ハタチそこそこのカワイコちゃんが番台に座っている! 若い娘さんが番台に座る銭湯は今もわずかながら残っているが、この娘は誰がどう見てもミス番台コンテストでぶっちぎりの優勝だろう。本格的アイドル系。古い銭湯の廃業が相次ぐこのご時世、こんなところにこんな娘がいたとは。まさしくニッポンの未来はウォウウォウウォウウォウとしか言いようがない。 ま、あまりこういうことを書いてヘンなやつが行ったら困るな。俺もヘンっちゃあヘンなんだが。とにかく純粋銭湯ファンだけの秘密にしといてくれよ、まじで。 脱衣所は古い板張りの床がさわやかに広がり、よけいなものナシのシンプル空間。ロッカーはアルミ製だが、いにしえ色を濃厚に残すしっくい壁に、格天井はしっかり太目の本格派。そこでは2枚羽のプロペラがゆっくり回転中だ。 男女隔壁上の神棚には鳥居までついている。 ![]() 浴室はこじんまりしているが、お客が4〜5人いる(土曜の夜7時ごろ)。 まず目に飛び込んでくるのは、正面の富士山タイル絵。くすみもない美品だ。 ![]() ![]() 天井は四角錘に湯気抜き、水色ペンキはだいぶ剥げている。 床は小さな四角いタイルがカラフルな幾何学模様を描いていて、ちょっと珍しい。排水溝には不揃いの豆タイルびっしりもまた珍しい。 湯舟は中央付近に細かいタイル張りの深浅主浴槽と、右隅に電気風呂。いずれも大阪式座り段あり。奥にスチームサウナがあるが残念ながら稼動していない。 カラン下は一部新しいタイルが張られているが、おっと出ました、ウグイス糞色&黄土色の豆タイル残存。尼崎の三十六温泉以来じゃのお。 あと、隅に立ちシャワーあり。 あとから来たじいさんが、 「今日はえらい湯が少ないな、昨日はあふれとったのに。自動で出るようにしたらええのにな」と言っている。 たしかに湯は少な目。みんなかい出して使うから、見る見る減っていく。俺も座り段に陣取って湯をかいだして身体を洗ったけど。 電気湯などは電極が水面上に一部出ている状態だ。どうやら今日はお客が多いらしい。 あがりは番台上部に小さな冷蔵庫がある。 「牛乳あります?」とカワイコちゃんに聞いたが、ないとのこと。 彼女によると、この銭湯は「おじいちゃんとおばあちゃんが結婚したときに始めた」そうだ。「それは戦前?」と聞くと、かわいく首をひねっている。 そのとき、奥から朗らかなおかみさんが出てきて番台をバトンタッチ。言っておくが、俺のせいじゃないからね。でもこのおかみさんも感じいい。 おかみさんいわく、ここは築50年。かつては2階の広間を地域の集会所に提供していたこともあるそうだ。女湯のタイル絵は富士山ではないとのこと。 ちゅーわけで、とにかく貴重な銭湯であることは間違いない。大切にしよう!(2005.9.3) ※2011年12月、ふろいこか〜ラジオに登場! ※2012年、姫路白浜の銭湯存続を願う会発足! ※2012年2/26、オリジナルポストカード発売! ※2012年4/28〜29、2014年5/17、10/11、関西てくてく銭湯開催! ※「レトロ銭湯へようこそ関西版」に掲載されました。 ![]() |
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都湯
相生、相生、相生、相生、お風呂屋さーんだね〜♪ と駅からエンドレスに唄いつつ海へ向かって徒歩20分、古い港町の密集集落内にポツンと残ってるんよ嬉しいアイ。小さな破風の小屋根も乗ってるオイ。 ![]() ![]() (左)ええがな〜 (右)よろしがな〜 エエ感じにレトロな玄関から入ったらこれまたエエ感じにレトロな脱衣場やアイオイ。 上品なおかみさんもメッチャ感じエエ。好きですアイしてますオイ! ![]() ![]() (左)番台つるりんこ (右)天井扇まわってブンブン ![]() 風呂場はシンプルに湯船ポンやけど、わりかしきれいに改装されてるオイ。まあこんなとこまで来て設備がどうの言うやつは話にならんアイ。 飾り気ないけどじっくり温もってポッカポカの大満足アイオイ。地元の人らも静かにお湯を楽しんでるオイ。 相生は石川島播磨の企業城下町、でも元々は相生湾の奥の波静かな漁村やったんアイ。そこでずーっとお湯を沸かし続けてるお風呂屋さん・・・なんやしらん泣けるオイ。 とにかく、駅から遠い海辺のまちにこうやって小さな風呂屋が愛されて残ってるっちゅーこと自体がもうアイオイすぎてアイウエオ〜。 ![]() |
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ラヂオ湯
赤穂駅から南東へてくてく歩いて赤穂大橋を渡る。赤穂に1軒だけ残ったこの銭湯へは15分くらいかかるかな〜。 八幡神社の向かいの路地に聳える煙突、そして古い板張り民家の壁に取り付けられた鮮やかな色の看板に目がクギ付けになる。ラジオカルク温泉って何? ![]() ![]() (左)あれだな! (右)この路地が泣ける ![]() その聞きなれない温泉物質から取られたのであろうラヂオ湯は、その板張り古民家の1軒奥にある。 玄関で靴を脱ぎ、戸を開けると、ツヤのある木の番台があって、男湯側に感じのよいおかみさんがおられる。 イニシエ色の前栽をともなった懐古的な脱衣場だが、それよりも前栽の手前に置かれた動物用の中で犬3匹猫1匹がごちゃまぜにくつろいでいるのに気をとられて、風情を味わっているヒマがない。最近はやりのミニチュアダックスとかそういった類のやつだ。 ともかく服を脱いで浴室へ。 こぢんまりとした空間には、真ん中に小判型の深浅浴槽が一つポン。 入り口近くに3つ4つカラン(シャワーなし)があるが、3人の客はみな湯船まわりの段に腰掛けて体を洗っている。俺もそうした。 豆タイル張りのフチをまたいで湯に浸かる。 と、おおぅ! こいつは新鮮かつ、なんともまろやかなお湯やおまへんか。水質のよさをモロに感じさせよるで。 そのお湯がどんどん沸いて、人が出て水量が減るたびすぐさまフチまでなみなみと満ちてくる。そこへ浸かるとザバーっと惜しげもなく大洪水やでうっほっほ。なんと豊潤な光景であろう。 首まで浸かって、「あーきもちえ、うあーきもちえ」とうめいているオヤジがいる。 極楽気分で壁上部を見上げると、今はなき加古川の松乃湯の壁画と同じ作者とおぼしき絵がじか描きされていて、広告看板がいくつも貼り付けられている。 松の湯では海底の図だったが、ここでは山の絵だ。このさすらいの絵師はたしか九州の人だったはず。瀬戸内海に沿って東へ進んだのだな。 年月とともに、絵は松乃湯同様かなりはがれてきている。決して美しくはないが、銭湯文化華やかなりし頃の貴重な遺産としてありがたく拝むべき種類のものだろうこれは。 十分にぬくもって上がり、服を着て表に出たら、暖簾の横でおかみさんが空を見上げておられた。 「いまそこでツバメが2羽ランデブーしてましたよ」 もうそんな季節なんだな。 風情にひたってたら、ラジオカルクの謎について尋ねるのを忘れてしまった。まあええか。(2011.4.2) |
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