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京都市東部の激渋銭湯 (京都駅以北、今出川通り以南、堀川通り以東) |
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桜湯 (上京区)★ 明治湯 (中京区)(廃業) 錦湯 (中京区)★ 弁天湯 (下京区) (廃業) 銀閣寺湯 (左京区)(廃業) 柳湯 (左京区)★ 御陵湯 (山科区)(廃業) 千鳥湯 (山科区)★(廃業) 東野湯 (山科区) |
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京都市北部/京都市東部/京都市西部/京都市南部/京都府下の銭湯 | ||||||||||||
桜湯★
開店前に通りかかったのだが、あまりの風情に素通りできず、近くのびっくりドンキーでハンバーグランチ&ビールで時間つぶしてまで入ってもーたがな。 河原町丸太町の1筋東を上がってすぐのところ。京阪丸太町駅からなら鴨川を渡って徒歩2分。 それにしてもよいではないか、この外観。 京都らしいこじんまりした間口、2本の石柱に挟まれた狭い入口。青く塗られたスチール製アーチがまたよろし。 暖簾の下には石の敷かれた玄関スペースが見えるが、その半円カーブのしつらえが心の琴線にキュキュッとくるねぇ。なんかもう、この暖簾をくぐるシアワセ〜っちゅー感じやね。 (左)門柱上の三角帽子に手書きです (右)このカーヴ! 白タイルがまたなんとも んで、くぐったらコレ見なはれ。このカラフルな豆タイル! イチョウの葉の形をしたものもある。この上に足を置くシアワセ〜を貪るがよい。 (左)この手の不揃いなタイルを見ることが減った (右)下駄箱これもん (左)デュランタに引き戸、よろしおす (右)玄関の石畳をしげしげ眺むる 戸を開けると小さくて古い番台、ややっ、これははじめて見るタイプかも。中に人がすっぽり入るのではなく、前の机部分がなくて椅子状になっている。 小ぶりな脱衣場には90cmの熱帯魚水槽があり、グラミー種などが気持ちよさそうに泳いでいる。その背後の男女仕切り壁も変わった形で、その上には招き猫とデコッパチみたいな古い人形が置かれている。 天井は床同様の古い板張りで、金属4枚羽のプロペラがぶら下がる。 脱衣箱も木製で、真ん中にガラスはめ込み型。京都式の柳行李ごと入れる奥深いタイプ。しかも鍵はゴールドの真鍮だ。どっしり重い。 浴室の手前には流しスペース。ここの床にも不揃いの豆タイルが張られており、やはりイチョウ型のもある。 浴室もこじんまりしているが、意外にも男女隔壁沿いに各種浴槽がズラ〜リ並んでいる。手前から水風呂、浅、深、ジェット、入浴剤入りの気泡風呂。さらにその奥にミストサウナ室がある。脱衣場のような古い雰囲気はない。 深い主浴槽には階段状に湯が落ちてくる仕掛け。たんなる飾りにしては狭い浴室で場所をとっている。 ゆったりと湯舟に浸かる。カマボコ天井に広い湯気抜き、明るい時間帯の極楽銭湯を堪能ぢゃわい。 そして京都らしい、大阪や神戸とは異なるタイルをなでなで。 カランの水は、夏なのにかなり冷たい。井戸水だな。うむむー、ええぞぉ。 サウナと水風呂のせいか、他の客もけっこう長湯していた。 風呂上り、脱衣場で飲むヨーグルトぐいっといっとこ。 いやー、ええ感じの脱衣場やわ。 (2004.7.23) 京都をたっぷり味わえる銭湯 ※2011年12月、関西てくてく銭湯開催! ※その後、浴室が改装され、鯉の泳ぐ水槽が設置されました! |
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明治湯 ≪廃業≫
またもや感動物語ぶちかまされて泣きそうな俺だ…。 麩屋町通蛸薬師上ル、と言われたって京都の人以外はわからへん。まあ四条河原町から徒歩7〜8分ちゅーとこやな。 (左)ええ感じで揺れてます (右)渋っ!「閉店11:00」になってるけど… 入口はウィーンと自動ドア、でも開いた瞬間タタキに番台で、人の好さげなおやじさんが座っている。すげーギャップ。 全体的にさほど古そうではないが、籐のむしろや籠のある京都の伝統的な脱衣場だ。男女仕切りの木製壁が感じよし。 脱衣箱の上には、錦市場の屋号が入ったマイ柳行李が並んでいるぞ。錦湯だけじゃなかったんか。 浴室に入ると、奥壁の壁画が目に飛び込んでくる。なんと富士山と桜のペンキ絵やおまへんか! 富士は5合目より上かな。 でも東京のやつとは肌目が違う。アクリル絵の具か何かを使っているのか、コーティングを施しているのか。とにかく美品だ。 浴室はきれいなタイル張りで、円形の深、ジェット2つの浅、気泡の薬湯が男女壁沿いに並び、手前に水風呂がある。 深にはリス、浅には鯉にまたがる裸女像の水吐きあり。 美しい富士山を眺めながらダラダラ浸かり、上がってきたら、脱衣場の隅に「女湯の絵」の写真が展示されているのに気がついた。女湯は比叡山と大文字らしい。うーん、そっちも見たいなあ。 おやじさんに聞くと、今年4月に京都の陶芸家に描いてもらったものだそうだ。下塗り、絵、上塗りにそれぞれ1日くらいずつかかったという。 ふーん。これはいわゆるペンキ絵ではないな。職人芸というより、もっと芸術寄りだ。 「なんでまた今この絵を描いてもらおうと思わはったんですか?」と聞くと、じつはおやじさんは怪我で長く入院し、しばらくこの銭湯を閉めていたらしい。それが無事に回復し、春に営業を再開するにあたって、その快気祝いを兼ねて家族親戚がこの絵をプレゼントしてくれたのだという。 なんという素敵なプレゼントだろう。 おやじさんが体を壊すまで大事に守ってきた銭湯に、美しい壁画の贈り物。おやじさんは番台からそれをいつも眺められるし、長年ここへ通ってきたお客みんなもそれを楽しむことができる。 見事だな。感嘆するぜまったく。 このおやじさんの家族親戚からの愛されっぷりに泣ける。 風呂屋の数だけドラマあり。こっちまで幸せな気分になった。 (2013.7.19) |
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錦湯★
烏丸から東へ、大丸越えて野村証券越えた角をちょっと上がる。阪急・地下鉄の駅出口から徒歩3分、錦市場の手前右側に古式ゆかしく登場だ。 出張なんかのついでに、スー銭好きの同僚でも連れてわざとらしく通りかかってみんしゃい。同僚は思わず足を止め、一呼吸のちにおそらく「おおぉーー」と声を上げるだろう。そこでキミはなにげなくこう言う。 「俺、ひと風呂あびて帰るわ。それじゃ」 キミの渋い趣味は社内で噂となり、女子社員にモテまくることは間違いない(ただしその女子社員が若いとは限らない)。 3層2階建ての伝統建築 暖簾をくぐって木の戸を開けると、いきなりタタキに番台のイニシエーション(注:イニシエとシチュエーションを合体させてみた)。 下駄箱はあるが、もちろんこのさいタタキに脱ぎ捨てる。 昭和2年の骨董品的木造建築。脱衣所の高い格天井はたゆんでる。 思わず番台のおやじさんに「これはわざとこのように造られたんですか?」と聞いてしまったが、んなわけない。 かなりキテマ〜ス 側面には木の脱衣箱。その上段には個人所有の柳行李がズラリと並ぶ。錦市場の屋号が大きく書かれていて楽しい。 柳行李は今じゃ職人がいなくなって高級工芸品だ。新しく作られたものほど目が粗く、綻びも早いという。 「今の人はそんなん知らんから、ポーンと荒っぽく扱いよんねや。たのむで〜て思うで」 おやじさんは番台でひそかにハラハラしている。 考えてみれば、このような貴重品を脱衣籠として当たり前に使えるというのはすごいことかも。大切に扱いましょう。 (左)個人所有の柳行李、その上に常連桶 (右)1個4万円くらいするらしい ロッカーの手前には2階へ上がっていく木の階段がある。武家屋敷の階段かというくらいに黒光り。階上には大奥が現存する(かもしれない)。 便所は遠い。タタキの脇から出て、はるばる釜場の横を通っていく。 いにしえ風情に満ち溢れた脱衣所ながら、実はテレビやソファも置かれていて、銭湯ならではの脱力系空気に包まれている。 早い話が、全裸のジイサマがキンタマ放り出して「世界ウルルン」なんかをボケーっと見ている。 浴室は京都的な趣味のいいタイル浴室。よく磨かれている。 湯舟は、深、浅(ジェットつき)、電気、気泡がL字型に並ぶ。 湯は熱めで42〜43度くらい。なみなみと満たされていて、入るとザブ〜っと溢れ出る。ゼータクですなあウッシッシ。 すみっこの気泡風呂はアロエか何かの香りでゴキゲンね。 そして出入り口横に京都名物、サウナもないのに水風呂だ。チベタイ地下水、サイコーじゃないっすか! ちなみにこの銭湯では、定休日には脱衣所を利用して寄席とかコンサートなどがいろいろ行なわれている。 DJ大会のときは200人も集まったらしいが、番台でそのチラシなどを見られるのも楽しい。(2004.9.5) ※2009年7月20日、銭湯トークイベント「ふろいこか〜」開催! |
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弁天湯≪廃業≫
つい最近まで、歴史ある遊郭だった「五条楽園」。五条河原町からそのディープエリアに入ってすぐあたり。 一掃されたとはいえ、かつてのオーラが色濃く残っている。 (左)かつての「お茶屋さん」が残るまちなみ (右)側面トタン張り (左)よき風情 (右)むっ、このトンネルは… コンパクトな建物に、狭い玄関。かわいいミニ銭湯だ。 靴を脱いで中へ入るなり、おかみさんが「トイレの御用があればおっしゃってください」と声をかけてくださる。 「行きたいです」 「では案内しますので、まず荷物をロッカーに入れてくださいね」 昔ながらに家の奥まったところにあるパターンやな。裸になるより先に声をかけてくれる心遣いが嬉しいわぁ。 トイレへは表へいったん出て、右側にあった狭い通路を奥の奥の奥へと進む。釜場より奥だ。でも和式と洋式ふたつあってどちらもキレイなのに感激した。 迷わず突き進め! さてスッキリしたところで脱衣場へと戻る。狭いながらもそこそこ改装された快適空間だ。「恋の季節」など懐メロBGMがかかっている。 脱いだ服を籠そして脱衣箱へと2段階式にブチ込んで、浴室へ。 風呂場もこぢんまり〜。ダーク色の床タイルが印象的。センスよいではないか。 男女壁に沿って浅ジェット、深、デンキが並ぶ、京都によくあるパターン。浅はぬるめ深は熱めと、温度差があるのが嬉しいねぇ。デンキが深いのもありがたい。 奥に乾式サウナ、4人サイズだが文句なしに良いサウナ。これで別料金なしっちゅーのんが京都銭湯の偉大なところ。ここも懐メロが流れている。 その横のいちばん奥まったところに水風呂がある。やっぱ京都の銭湯はこれですわ。無料乾式サウナと、かけ流しの地下水風呂、その無限ループ。これをやるとフラフラなるっちゅーのんわかってんのに、必ずせずにはおれない。 浴室いちばん手前の隅、一般的に水風呂がある場所には白濁薬湯ブクブクつき。これも嬉しい! カランもシャワーも水圧よし。ただし桶はケロリンではなくフツーの洗面器が使われている。 上がりは牛乳飲んでしばし放心だ。 キンキンに冷えた寒い日だったが、すべての設備が俺の体を骨の髄までほっこほこに温めてくれた。外に出ても全然寒さを感じなくなった。 見た目古びてて中も狭いが、風呂屋の良さがギュッと濃縮されたような小気味のいいナイス銭湯だ。 (2014年12月) |
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銀閣寺湯 ≪廃業≫
ようするに銀閣寺の近く。銀閣寺から白川通りへ降りる途中、白川沿いの道をちょっと下がってすぐ。銀閣寺道バス停から徒歩2分ほど。 まちなみの風情にぴったりの渋い面持ち。道の向かいを白川がザァザァと音を立てて流れている。 暖簾をくぐると、カーブのついたタイル張り土間の玄関。格天井と木の下駄箱がエエ味を出している。 (左)玄関土間 (右)下駄箱の鍵は上向きに錠が上がる仕組み 戸を開けると、番台には人のよさげな50歳代のおかみさんが座る。 脱衣所も格天井だが、かなりたわんでますなあ。男女隔壁上には神棚ポジションにテレビが鎮座している。 ロッカーはもちろん籠ごと入れる京都式。 浴室から飛び出すようなかたちで、増設されたらしきサウナが脱衣所に張り出している。そのかわり前栽を大部分つぶして脱衣所を広げたもよう。そこに飲み物の自販機が置かれている。 浴室はこじんまりだが、じつにうまく機能的にまとまっている。 全体的に京都的なタイルで改装されていて古さは皆無、清潔感は極めて高い。京都的なタイル、の説明は難しいが、たとえば湯船へりの緑タイルなんかは大阪や神戸では見られない。 湯船は男女隔壁にそって奥から座浴ジェット2連、浅、深、薬湯、水、と小さめながらも5槽が並ぶ。中でも薬湯はゴキゲンな気泡つきで、漢方薬の入った布袋が浮いている。極楽度高し。 湯温は42度くらい、薬湯だけややぬるめ。水風呂はびしっと冷たい。 そしてサウナは乾式、しかも無料! 5〜6人は入れる広さがあって嬉しいねえ。 洗い場は島カランも2連あって十分。水圧もバッチリ。 四角錘の天井の真ん中に、京都らしく大きな湯気抜きが開いている。 時間がなくて長湯できなかったのがつくづく残念、古い外見に似合わぬ充実の銭湯だ。また来よう。 (04.10.31) 見た目はモロ昔ながらだが |
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柳湯★
住所は長ったらしいが、ようするに京阪電車三条駅から東へ徒歩3分、三条花見小路上ル。なんかこのあたり微妙に通り名が変化しててややこしいけど、わかりにくい場所ではない。 見てのとおりの京都伝統建築。風情満点だが、側面のトタン張りが老築化を物語っとります。 暖簾の後ろに木の引き戸、それを開けるとすぐタタキに番台がある。番台には物腰柔らかなおばあさん。 タタキの隅には木の下駄箱があるが、鍵のない箱が目立つ。まあたいていの人は脱ぎ捨てている。 (左)低い番台は大正生まれ。側面に引き出し (右)籠ごと脱衣箱に入れる京都式 脱衣場は全体的に「京都でおます〜」の空気に満ちた、骨董品的木製空間。天井がトタン張りになっているのがちょっと残念だが、大正期の建物らしいからねぇ。 番台のばあさんはやさしい声で、「これ使いなはれ」と桶を貸してくれたり、柳行李を「ふたつ使いなはれ」と気に掛けてくれたり、とても優しい。 浴室入口上部の壁に、男女ぶち抜きでモザイクタイルの平安神宮が描かれていて、これが非常に見応えがある。 流し周辺にも、屋号にちなんで柳の飛びつくカエルなど、2種類のモザイクタイル絵があって華やかだ。 職人芸どすえ 浴室はカマボコ天井に大きな湯気抜き、床は細かいタイルがびっしり。 男女境壁に接する半円形の深浅主浴槽は、薄っぺらいフチにこれまた細かいタイルびっしり。京都ならではの湯船じゃのぉ。 深いほうはやや熱めの42〜43度、浅いほうはややぬるめ。 奥に岩風呂ふうの副浴槽があり、岩からチョロチョロと湯が落ちてくる仕掛けになっている。こっちもややぬるめ。 そして入口隅には、ひゃあ〜うれしい水風呂だ、しかもチベタイ! まったくこの季節にこれほど嬉しいものはおまへんえ。 温冷交互入浴を10回くらい繰り返すうちに、なんかハァハァしてきたよ。 舞妓さんがウロウロする祇園のお茶屋街のすぐ近くだが、この銭湯はもちろん「いちげんさん」OK。「昔ながらの銭湯で番台のばあさんとの心温まる語らい」を観光コースに組み込むべし。 (04.7.8) ばあさん、帰りにわざわざ外まで見送りに出てくれた |
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御陵湯 ≪廃業≫
ちょっとした思い出がある。 あれは1年半ほど前。神戸の某看護イベントで講演したとき、俺の接待係としてついてくれた2年目ナースがいたくカワイコちゃんだった。 で僕が調子に乗って「僕は銭湯めぐりが趣味なんですよ〜ウヘヘヘ」と話したところ、彼女はさわやかに笑ってこうおっしゃった。 「私、京都の山科に妹がいるんですが、駅から行く途中にある銭湯へ何度かブラっと入りました。風情があっていい感じですよ」 「ほう、それは何という銭湯?」 「何だったかしら。ミササギにあるんですけど」 それ以来ずっと気になっていたが、ついにやってきました御陵湯。「御陵」と書いて「みささぎ」と読む。地下鉄御陵駅から南の路地へ5分たらず歩いたところ。 カワイコちゃんナースがブラっと寄る銭湯って、どんなんかな〜と思ったら・・・。 う、うそー! 激渋の唐破風じゃないですか! 普通は前栽がある部分に千鳥破風が並ぶ 伝統バリバリの入母屋造りに黒瓦、唐破風は銅葺き。うーむ、人は見かけによらんのう。 暖簾をくぐると、正面が出っ張った下足室。古い木の下駄箱が健在の郷愁空間だが、妙に明るい。上を見ると、破風と母屋の間が少し離れていて透明の波板がはめられており、そこから日光が差し込んでいる。 (左)男湯入口 (右)中央の出っ張りと女湯側下駄箱、茶色と白のクラシカルな世界 男湯暖簾をくぐると番台におばちゃん。 おっ、けっこう広々な脱衣所はしっくい壁に格天井、関西にしちゃかなり高いぞ。 ロッカーはアルミ製だが、21個しかないため、よけい広々している感じ。 破風上の窓から日光が入って、明るいなあ。籠は残念ながらプラ籠。 浴室は改装されて古さはない。が・・・あんりゃ、出ました、椅子なし銭湯だ! 他客はタイル床にベタ座りで体を洗っている。 俺も腰をゆわす前はどっちかっつーとベタ座り派だったんだが、今はかなりキツイのぉ。なにしろ、あぐら組めんからカラン前のタイル床に正座やし。 四角錘の天井は、脱衣所の天井よりだいぶ低めのトタン波板。湯舟は男女隔壁に沿って、奥から気泡&ジェット浴槽、深、浅、と3つがほぼ同じ大きさで並び、一番手前に小さめの水風呂がある。お湯はたっぷり満々、入るとザバーっとあふれるのが嬉しいねぇ。 上がりはトマトジュース飲みつつ、ふと頭をよぎった思い。 「あの娘もベタ座りすんのかな・・・」 (05.4.15) |
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千鳥湯★ ≪廃業≫
山科駅から西へ5分ほど歩くと、小さな川のほとりに銭湯が。 赤い千鳥破風とは珍しい。しかも専用橋を渡ってゆくアプローチが泣かせるねぇ。恋する2人はこの橋の上で待ち合わせ、濡れた髪で「ごめん、待った?」「ううん」なんてやってるのかコノヤロー。 (左)瀬音ゆかしき古都の風呂 (右)懸魚もしっかり、でも鬼瓦の色が謎 暖簾をくぐると、ぷんと木の香が漂うようなイニシエ色濃厚なる下足室、でも天井がずいぶん低い。男女が下駄箱で仕切られているのも珍しい。 (左)低い格天井 (右)男女を分かつ哀愁の下駄箱 戸を開けると、分厚い木の番台にばあさんが座る。 ほほーう、脱衣所もなかなかの味わいだ。昔ながらの柱としっくい壁の空間が酔っ払った俺をあたたかく包む。天井は格子ではないが古そうな板張り。 おおっと! 男女隔壁の上部欄間、これは見るからに高級な細工だな。しかも浴室前の欄間には透かし彫りがあるぞ。 でもロッカーは新しいものに替えられている。 便所は勝手口から出て、釜場のほうへだいぶ歩いたところ。 (左)この装飾はどう見ても値打ち物 (右)見えにくいが千鳥の透かし彫り (左)しっくい壁、3枚羽プロペラ (右)男女壁の鏡の下棚にはめられた激渋ガラス板 さーて浴室へ。こじんまりしているが、全面改装済み。しかし改装に際しても、黄土色や濃緑色などの渋い色の小さめのタイルが使われるあたりが京都らしい。 各浴槽は大きくはないが、左からL字型に、深い主湯、ジェット、電気、気泡(入浴剤入り)と並ぶ。出入り口横には水風呂あり。 そしてそして嬉しいなあ乾式サウナ無料、5人くらい入れる満足サイズで、けっこう強力。中ではラジオが流れている。 よく磨かれて清潔、レトロ改装系としてはかなりグレード高いのではないか。 上がりは牛乳ほか飲み物いろいろあり。 番台のおばちゃんに聞くと、正確にはわからないが建物は90年かそれ以上経ってるかも、とのことだった。 古い建物のよさを残しながら浴室設備は十分、じーさんばーさんからラブラブカップルまで満足できる気持ちのいい銭湯だ。(2005.4.15) 夜のトバリにこの看板 |
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東野湯
地下鉄東西線・東野駅から南へ5〜6分。 外環状線の1本西の古い通りをゆくと、茶色い板張りの渋い家屋に挟まれて、大きな「ゆ」の電照箱看板あり。 (左)遠くからでも目立ちます (右)泣かせる看板 近づいて度肝を抜かれる。ナニあれ! 2階部分にビッグな緑のカタマリがあるんやけど・・・。 よく見たら暖簾の内側、玄関前に腰くらいまでの岩が置かれ、その後ろの小さな植え込みから生えた大木が玄関の屋根を突き抜けてるぞ。アラカシかな。こいつは豪快だ。 (左)それにしてもすごい (右)突き抜け状況このとおり 夕方6時前に見つけたが、けっこう客の出入りが多い。いったんメシを食ってから7時ごろに暖簾をくぐる。この時間にもそこそこお客が回転している。 植え込みを挟んでナナメに入口があり、それを入ると狭い下足室にアルミ製下駄箱が置かれている。 下足室から脱衣所入口を見る 白カーテンをくぐると半円番台、新建材張り。ばあさんが座っている。 脱衣所はこじんまりしている。板張り床にヨシ敷き、しっくい壁に茶渋の柱や欄間が渋い古空間だ。 見上げれば升目の大きな格天井。隅に2階への階段があるが物置状態。 脱衣箱はガラスはめ込みの木製で、中にそれぞれ柳行李がきちんと収まっている。 浴室は改装されて古さなし。先客3〜4人。低いカマボコ天井に巨大な湯気抜きが空いている。 中央に浴槽、両脇にカランというレイアウトは京都ではあまり見ない。 湯船は手前から深、浅と並び、奥の電気風呂はズキュズキュ系。広めの浅風呂はジェットつき。 湯は43度強、よく歩いてヘトヘトだからこれくらいが嬉しいぞ。浸かるとドバーっとあふれるのも感激だ。 脱衣所側に増設された立ちシャワーあり。水風呂がないので水シャワーを期待したが、お湯だった。 お客がよく回転しているから見かけによらぬ設備充実系なのかなと思ったが、意外にも最小設備のコンパクト浴室だ。もちろん俺はそれで文句ない。 ただし洗い場は椅子なしのベタ座りオンリーで、腰痛持ちの俺にはチトつらい。 上がりはアイスクリームもあり。 (2006.5.9) 皐月の夕空 |
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