チープに極楽。生きててよかった!
| 関西の名銭湯 【京都市西部】 |
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| (今出川通り以南、堀川通り以西) 源湯 (上京区) 長者湯 (上京区)★ 芋松温泉 (中京区)★ 鹿王湯 (右京区) |
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源湯
このあたり、学生時代は日常的な行動半径だった。懐かしい。 JR嵯峨野線の円町駅(20年前はこんな駅なかった)から北へ500〜600m、大将軍交差点の2筋南を東へ入ると、紙屋川のほとりに煙突がそそり立つ。 小さな橋のたもとに銭湯、いかにも京都の風情です。 ![]() 橋のたもとに小さな地蔵さん暖簾をくぐると、穴あき金属製フタのついた下駄箱。これは珍しい。 ![]() (左)下駄箱、中の靴が見える (右)玄関正面、全体的にすりガラスっちゅーのも珍しい 脱衣所は側面だけ折り上げになった格天井。小さな前栽の風情よし。 壁やロッカーなどはてきとうに改装されていてイニシエ度はさほど濃くない。が、壁に色紙や面、タヌキの剥製、船のかじ、木刀など、いろんな骨董品がきれいに陳列されていて、ちょっと不思議な雰囲気の空間だ。 浴室は中型、カマボコ天井に四角い湯気抜き。正面の壁に連山と湖のモザイクタイル画がある。 男女隔壁に接して、京都的な小さめの深浅主浴槽。ビーナスがまたがったイルカの口から湯がドバドバ出ている。温度は43度くらいかな、手足がかじかんでいたため、熱い湯好きな僕もさすがにすぐには入れない。 奥に漢方薬湯があり、こちらは41度くらい。まずはこっちで体の凍結を解きほぐしてから主浴槽へと。あ〜キモチえ。湯舟には竹炭の入った白い袋が沈められている。 奥壁のモザイク画を一部壊してスチームサウナが増設されている。そしてもちろん水風呂もあり。鯉の口から水が出る。井戸水かな、たいへんキモチよろし。 さらに、浴室出入り口の左にジェット2連と電気風呂。ジェット風呂は赤外線ランプの色が変化するタイプ、ここにも竹炭の入った袋が入っている。 カランまわりは渋い色合いの京都的タイル、段も広くて使い勝手よし。 いやー設備的には申し分ないわ。水風呂を経由しつつ各湯舟を往復するうち、外じゃ雪が降ってることなんて屁でもなくなるねぇ。 上がりは飲み物いろいろ、きんかんドリンク飲む。 おやっ、番台上に「明日あります」の木製箱看板が。内側で黄色いランプがほの光る。これ激渋! 地味目だが設備十分かつ味わい深い銭湯だ。近所にほしいよ〜。 (05.2.1) 松の枝ぶりも見事 |
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長者湯★
古い建物、狭い空間をいかにうまく改装して名銭湯にするか。その一つの完成形がここにあるのでございます。 智恵光院上長者町を東へ入ったところ・・・って言っても京都に住んだ人以外にはわからんな。二条城を北へ約1km少々、市バスは「智恵光院中立売」が近い。 お向かいは散髪屋さんという生活感あふれる街角に、唐破風の小屋根が美しい。 京都らしい町並みに溶け込む外観牛乳石鹸の暖簾をくぐると、板の間の上がりがまちに木製の下駄箱があるが、このサイズが小さい。僕の足は25.5だが、それでも斜めに押し込まないとフタができない。昔の人の足のサイズなんだろなあ。 ブーツや登山靴は絶対無理。どうすんだ?番台は、フロントのように出入り口のほうを向いている珍しいスタイル。ばあさんが愛想よく座っている。 こじんまりとしたプチ銭湯だが、窮屈に感じさせない工夫が随所に凝らされている。 男女の仕切り壁には床から全身が映る大きな鏡がはめ込まれ、その上の欄間にはみごとな透かし彫り。木のロッカーのフタにはガラスがはめられていて、中の籐籠が透けて見える。ロッカー横は壁が奥に入り込んでいて、そこにマッサージ器が置かれているので邪魔にならない。 和風の感じのいい前栽があり、古い木枠の窓が開け放たれている。庭があっても池に水が張られていない銭湯が多いが、この庭の池にはちゃんと鯉や金魚が泳いでいて、岩の上から水が落ちるようになっている。もみじの木もいい。 庭の手前にはソファーとテーブルが置かれ、その上部で扇風機が2台、元気よく回っている。 ガラスや鏡の多用、大きな開口部などによって、狭くても圧迫感はまったくない。 浴室への戸の上部に金閣寺のタイル絵(ビューチフル)があるのがひときわ目を引く。端に「平安建都1200年」と書かれてあるから、書かれてまだ数年しか経っていない新しいものだ。 浴室もこじんまりだが、こちらはピカピカに改装されていて古さはない。そしてここにも最少スペースで最大効果を上げるべく、きめ細かな工夫が凝らされている。 天井はさほど高くないが湯気抜きが大きく開口しており、空が見える。 湯船は、男女仕切り壁側に、深浅浴槽+ジェット+電気(弱い)の主浴槽。カラン2つを挟んで奥に、白濁した酵素入り薬湯の湯船がある。 出入り口左に水風呂。この規模の銭湯では珍しく、しっかりと冷たくキープされている。 タイルはすべて新しく、美しい。 さらに脱衣場との境目が全面ガラス張りになっている。関西では珍しい。 脱衣場の向こうにある庭の戸も開け放たれているから、湯船に浸かりながら庭の緑や、さらに外壁の小窓を通して向かいの家の瓦屋根までが眺められる。 狭さを逆に活かしきって視野を広くとるという見事な演出だ。 2人対面の島カランにも、ちゃんとシャワーと鏡までついている。こんなの初めて見た。この広さでカラン14個を配置しているのは素晴らしい。それでいて窮屈さが感じられない。 随所に見られるきめ細かな工夫とサービス精神、ガラス張りの透明感、和風建築の伝統美、そしてすみずみまで行き届いた手入れ。 狭い土地に生きてきた人間の英知を結集した、まさに小型銭湯のお手本となるべき美しい銭湯だ。パーフェクト。 |
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芋松温泉★
最寄り駅は阪急の西院かな。四条御前通りの一つ東の信号の、もひとつ東の辻を上がって400メートルくらい。市バスなら「四条中新道」が近い。 狭い路地が交差する一角に佇む、京都らしい風格の外観。銅拭きの唐破風の小屋根の下に、金文字で「泉温松芋」と右書きされた木の看板が渋い。 ![]() ガラガラっと木の引き戸を開けると、いきなり番台がある。土間で靴を脱ぐ前にお金を払う、京都の古いスタイルだ。 脱衣場は広め。しかも土間とひとつながりになっているから、かなりの空間が広がっている。男女の仕切り部分の3本の大黒柱などに古い木造建築の味わいがあるが、いたんだ部分部分を適宜補修していった感じで、ロッカーは新しい。 浴室へ・・・おっ、誰もいない。僕の貸切だ!(夕方5時半ごろ) 天井は湯気抜きの上部まで真新しい青ペンキで塗られていて、壁はきれいな白タイル。そのせいで、重厚な建物外観のわりに浴室全体が明るい感じだ。タイル絵などの装飾はない。 メイン浴槽は、女湯との壁際に2〜3人サイズが浅・深・ジェットの3浴槽。大阪と違って浴槽のフチ外側に腰を掛ける段がない。このフチ外側には不思議な形のえんじ色タイル。へりには角が丸くカーブした青いタイルが貼られていて、手触りが優しい。 このメイン浴槽は多量のお湯がなみなみと供給されていて、ジェットの勢いでへりからどんどん溢れ、床のタイルを流れて下水の溝へ消えていくという、まるで掛け流し温泉のようなことになっている。時間の早さや貸切状態ということもあってか、お湯がとにかくピッカピカ。どえりゃー気持ちエエど。 沸かし口のある中央の深い浴槽は、やや熱めの43度くらい。そこから浅い浴槽とジェット浴槽にオーバーフローしていくパターン。 ほかに、奥に小さな入浴剤風呂と電気風呂、入口横に水風呂がある。それぞれに多種多様な細かいタイルがセンスよく貼られている。しかも昔懐かしい1×2cmの小さな長方形タイルが多用されていて、じつに楽しい。 とくに水風呂は、ふちのへりにカマボコ状のカーブがつけられていて、そこにも小さなタイルが行儀よくびっしり。へりに手をかけるとちょうどスポッと手のひらに納まる感じ。気持ちよくて、しみじみと撫で回してしまう。 しかも、ここから溢れた冷たい水が洗い場へ流れて行かないように、水風呂の外側の床に高さ数センチの小さな壁(これもカマボコカーブに小さなタイル、土ふまずを乗せると気持ちいい)をつくってある。細かな配慮に心も温まる。 これまで出会った水風呂の中でも最高級の逸品だなあこりゃ。 洗い場はカランの位置が低く、腰痛持ちの僕にはチトきつい。が、鏡の下に一段あって便利。ここも多様なタイルがきれいに貼られていて、気持ちがいい。 そしてこれも懐かしい、丸椅子大の円柱にカランが設置されているのもあった。これにも豆タイルがびっちり。 よく見ると、この浴室は入口の足元とかちょっとしたところにもカーブ面がしつらえられてあり、その曲面が不思議な優しさを醸し出している。そしてそのすべてにきれいで小さなタイルがびっしり貼り付けられている。 曲面やタイルの細かな技、豊富なお湯、行き届いた清掃・・・すいてたこともあって(途中で2人ほど入ってきた)、なんか自分が大切にされているような嬉しさを感じる、きれいなお風呂だった。 あまり時間がなく、長湯できなかったのが残念だ。また行こうっと。 (03.8.19) |
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鹿王湯
嵐電の鹿王寺駅から南へ2分。ちょっと右へ曲がると、暖簾が風に揺れている。 おや? なんだこの田舎っぽいユトリの雰囲気は。 京都の古い銭湯というとたいてい狭い敷地にカチャッと収まった几帳面な町屋造りを思い浮かべるが、ここはなんか前の道路も余裕があるし、あんまり京都のイメージではないよーな。 のんびりしてるんだよ、妙に。緑のテントもさ。 ![]() (左)京都ぽくない脱力系の街並み (右)玄関の戸 とりあえず暖簾をくぐる。下足室もシンプルなプチ郷愁ふう。 戸を開けるとこじんまりした脱衣所。建物は古そうで、玄関側だけはしっくい壁が残っているが、ほかは番台・ロッカー・壁・床・天井など大部分が高度成長期的なベニヤや集成材、ビニールカーペットなどで味気なく改装されている。古いものは体重計くらいで、そっけないほどガラーン。 この手の無造作系銭湯に特有のチープな脱力フィーリングに満ちている。これはこれで、銭湯好きにはなかなかよろし。 浴室も、これと言ってとくになし。 カマボコ天井に大きな湯気抜き。フツーの京都的タイルが張られた浴槽が、壁寄りに手前から浅、深、ジェットと並んでいる。出入り口の横には、京都名物「サウナもないのに水風呂」だ。うれしいなあ。 ん? 奥の壁に直径4cmくらいの穴ぼこが空いているぞ。しかもその穴に向かって、1人だけいた先客オヤジが何やらゴチャゴチャしゃべっている。ギョッ。 もしかして、王様の耳はロバの耳、ですか? んなハズもない。穴の向こうは釜場だった。常連客が釜じいに話しかけていたのだ。するとすぐに釜じい(といっても50代くらい)が入口から入ってきて、その常連としばらく歓談し、また釜場へと戻っていった。 あとで僕が穴を覗くと、釜じいの横には燃料用の薪がいっぱい積んであった。ちなみに女湯に穴はないそうだ、当然ながら。 上がりはオロナミンCほかあり。牛乳がないのは残念。 んなわけでコレという見どころがあるわけではないが、京都らしからぬ田舎風脱力銭湯としてひたれるものがある。JR嵯峨駅からも徒歩10分たらず。 (05.4.6) |
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