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【京都市南部】の激渋銭湯(京都駅以南) | ||||||||||||
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京都市北部/京都市東部/京都市西部/京都市南部/京都府下の銭湯 | ||||||||||||
九重湯 《廃業》
京都駅八条口から歩いて5分くらいのところにあるプチ銭湯。 ホテル京阪の東側、竹田街道を南へ下がって交番の角を左に曲がると、郷愁系八百屋の向こうに「お風呂屋さん」の真新しい看板が見えているじゃありませんか。 ![]() ![]() (左)この八百屋もたいがい渋い (右)通りから右へ入ったところが入口 近くへ寄ると、道に面した側壁はパッとサイデリア化しているが、建物自体は典型的な京都の古い町屋スタイル。 暖簾をくぐるといきなりタタキに小さな木の番台がある。でも番台自体は物置化していて、フレンドリーなおかみさんが番台の前に立って接客している。 脱衣所はこれまた京都の古い銭湯スタンダード。壁や天井、下駄箱やロッカーは改装されているんだが、漂う雰囲気は古典的どす。 おかみさんによると、「この建物は150年くらい経ってる」んだと! まったく京都ってやつは・・・。 ![]() ![]() (左)番台は創業当時のままだと (右)脱衣所から表まで素通しの脱力風景 ![]() 男女壁の欄間が珍しい。その下の鏡は創業当時にドイツから船送したもので、今もピカピカ 裸になって浴室へ入ろうとすると、出てきた客が「にいちゃん、そこの桶、持って行きや」と教えてくれた。京都銭湯は桶が浴室の外に積まれていることがよくあるので要注意。 浴室はかなりこじんまりしたサイズだが、全体に改装されていて古びた感じはない。低めのゆるいカマボコ天井に大きな四角い湯気抜きが開いているのが京都らしい。 湯舟は男女隔壁沿いに、手前から、深・ジェット2連・浅の3槽。どれもコンパクトサイズだ。浅風呂は四角いマスから湯が落ちてくる仕掛けになっているが、このマスだけが細かい豆タイルにびっしり覆われたイニシエ物品。いずれも隅々まで磨かれた感触がグーどす。 かかり湯すると、やわらか〜い肌触りがじつによろすい。湯温は42度弱、ジェット浴槽が心持ち熱めかな。 カランは水が勢いよく出る。ザバザバかぶりましょう。 おっと、出入り口横にもう一つ円形湯舟、水風呂かなと思ったら、湯が気泡とともにグルグル渦を巻いている。こんなところで人間洗濯機に出会うとは! 上がりは飲み物販売あり。 フレンドリーなおかみさんは兵庫県の三田出身で、有馬や神戸に親戚も多いらしい。震災時には食料を持って駆けつけたとのことだ。 「しかし昔の建物っちゅーのは長持ちするんですね〜」と言うと、 「建物はまだもちそうやけど、お客さんが減ってるから商売がもつかどうか・・・」とおっしゃられた。 駅から近いし、みなさん電車に乗る前にはここで一風呂あびて、さっぱりしてから帰りましょう。(2005.10.1) |
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松湯
秘密すぎる立地が激渋。もうアジトやね。 九条河原町から3筋下がった道を歩いてタラバ! ![]() ![]() ![]() (左)ここを入れと! (右)あれかいな・・・ もひとつの入口は、もーちょい広い。 ![]() ![]() (左)九条通から、正面の家の左の路地へ (右)すると左手に看板とアーチ登場 ![]() ![]() (左)アーチの奥に煙突発見! (右)玄関口 広いほうのアプローチでも、アーチをくぐって正面まで行かんと暖簾は見えない。冒頭写真がそれ。 夜になると最初の路地は暗黒隧道となり、風呂道具を持って震えながらそこを突っ切る興奮が最高潮に達する。 しかし激渋銭湯が好きな人なら、こういった埋没立地系の風呂にひたる喜びはご理解いただけることでしょう。むほほ。 中はさほどディープでもなく、一般的な京都の清潔な番台式銭湯だ。脱衣場は改装されているが、風情ある仕立ての内装。 浴室は小ぶりだが、カマボコ天井の男女壁上部分に大きく湯気抜きが開いていて狭苦しさはない。 男女壁に沿って深・浅・デンキの主湯は熱めに沸かされている。手前左にジェットの副浴槽と、右に水風呂。奥左にバスクリン副浴槽、ここの六角形タイルが味わい深い。 そして奥右にはスチームサウナと乾式サウナが並列しているが、残念ながらスチームはやめているようだ。乾式は2人サイズの小規模なものだが、なつメロがかかっていて居心地よい。 と過不足ない設備がコンパクトに詰まっている。 日本国がイザというときには、この秘密路地区画だけでサンマリノのように独立したとしても、少なくとも風呂は満足できるだろう。 (2015年1月) |
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鶴湯 《廃業》
京都駅から電車に乗る前にちょっと一風呂あびていこかいな〜。 と思ったときは八条口から線路の高架沿いに西へ数分、国道越えて2筋目を左に覗けばこの看板が見えてくる。 ![]() ![]() 暖簾をくぐると、いきなりタタキに番台、目の前脱衣場のイニシエスタイルだ。 脱衣場は格天井がベージュっぽい色に塗られ、壁などはだいたい昭和中期的に改装されている。 目にとまるのは浴室入口の上部壁にモザイクタイル絵。川が描かれているけど、これはどこの風景かな? 浴室に入ってすぐ、かかり湯がある。この規模の銭湯ではややレアね。湯鉢の隅にタイルで「男」という文字が描かれているのがおもしろい。ここで「あら、わたし女だわ」と気づいた人は女湯へ移動しましょう。 あとは昭和の改装&設備で、やや古くなってはいるが京都一式が揃っている。脱衣所側に飛び出した部分がデンキ風呂なのも微妙にレアね。たいてい水風呂やし。乾式サウナと水風呂は奥にある。 湯船への給湯は、ビーナスの抱えた皿から湯があふれ出す仕組み。そして浅風呂のブクブクの下に鯉のタイルが泳いでいたりと、ところどころで和ませてくれる。 カマボコ天井はペンキがかなりハゲハゲなのもいとおかし。 まあ特別ナニがどうってことないが設備・雰囲気に過不足なく、考え事をしながら入ってたら1時間以上が経過して、すっかりふやけてしまった。 上がって気づいたけど、脱衣所の男女仕切りのいちばん番台寄り部分に神棚があって、外を向いている。この場所にあるのは初めて見た。たぶん。 というような、京都駅から近くて使いやすい銭湯だ。(2009.4.28) |
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日の出湯★
京都駅からブラ〜ッと歩いて10分くらい。八条と九条の間の東寺通りを西へ歩き、近鉄の高架を越えてちょっと行くと、細〜い路地の入り口に「日の出湯」の小さな看板が出ている。 そこを入ると、すぐに路地がポコッと広がり、こいつがデーンと現れる。 京都伝統系だが、かなりのデカさだぞ。 ![]() 暖簾をくぐって木の戸を明けると広めのタタキだが、目の前の脱衣所も含めて広大な空間がいきなりバーンと広がっている。 一瞬にしてうむを言わさず昭和初期の世界に叩き込まれてまうやんかぁ。 んお? ば、番台があれへん! 番台のあるべき場所には大きな冷房器とドリンク冷蔵庫が鎮座している。これまた初めての光景だ。 んで、男湯のタタキから上がった位置にパイプ椅子を置いて、骨董品みたいなじいさんが外向いて座っている。つり銭やせっけんなんかは冷蔵庫の上に置かれている。女湯とはカーテンを少し開けてやりとり。 特筆すべきはこのじいさん。ぼーっとしているというか、じーっとしているというか、ともかくケハイがゼロ。人間を超越しかかっておられるぞ。 広々とした脱衣所は、スポーンとシンプルで何もない空間。ゆるーく演歌が流れている。 天井は見事な格天井、広いのにほとんどたわみがなくて、しっかり造ってある。壁は化粧合板で改装されているが、いにしえの雰囲気は壊れてない。 ロッカーは京都式の古い木製、中央にデコボコガラスがはめ込まれ、紙に番号を書いて貼ってある。 男女の仕切り壁も古く、巨大な鏡がはめられている。壁の上には招き猫と、今はもう動かないおじいさんの振り子時計が鎮座する。 浴室との間の流しスペースも広く、しかも流しが中央にある。これがほんとの島流し。 その右には中庭。池があり、岩と石灯籠が配置されているが、岩はモンステラのような観葉植物の根とマメヅタのようなつる植物で覆いつくされている。 中庭の手前にテーブルセットが置かれ、その背後にも古い大鏡。 ちょっと〜、なによここ・・・この古くて静かな広い空間、なんかもう、あぁ・・・。 浴室は一転して、淡白めのタイルできれいに改装済み。 天井は湯気抜きまでの傾斜が緩いせいか、ときどき湯気がポタリと落ちてくる。しかもペンキはげはげ。でも天井以外はピカピカだ。 主浴槽は深、浅(ジェット2連つき)、掛け流しで常にオーバーフローしているのが嬉しい。電気風呂はかなり強力。 奥にこれまた強力な3〜4人用のスチームサウナがあり、広めの水風呂もある。ここだけ豆タイル残存、へりのアールが小さくて泣かせるぜ。 設備は俺的には申し分ない。カラン系も文句なし。 そして上がりは広〜い脱衣所で牛乳など飲みながら、置物と化したじいさんとともに、ヌケサク顔で放心しまくり。 銭湯の本姿がここにある。さあ、ひたれ。 (2004.10.31) ※「関西のレトロ銭湯」(2009年)に掲載されました。 ※2010年秋、ふろいこか〜2010開催。盛況御礼! ※2010年12/26、ふろいこか〜ラジオに登場! ※2011年6/23より、オリジナルポストカードを番台にて発売中! |
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寿湯
南区には寿湯が2軒あるようだ。これは西九条のほう。 近鉄東寺駅から西へ歩き、東寺の五重塔が聳える交差点(九条大宮)の1本手前を一筋下がって西入る。と、どおーんと立派な京都バリバリの木造二階建て銭湯がご登場だ。けっこうカンロクです。東寺駅から徒歩5分ほど。 玄関は唐破風だがトタンで覆われ、その手前にさらにトタンのややチープな小屋根が張り出している。 ![]() ![]() しばし眺めてしまいます ガラガラと戸を開けると下足室だが・・・おや? ここは真ん中の傘立てで男女が分けられているぞ。そして俺が入ったほうは女湯直結、男湯は左側か・・・いったん外へ出て再度左側から入りなおす。 ![]() さらに戸を開けると、年季の入った木の番台におかみさんが座っている。複雑な装飾の入った渋い番台だが、一部壊れている。 脱衣所は中くらいの広さ、しっくい壁に高い格天井の伝統建築。天井には3枚羽根の扇風機がぶら下がる。ややそっけないが前栽もあり。ただし脱いだものはアルミロッカー&プラ籠だ。 浴室手前にはカウンターのように脱衣所側を向いた流し、こりゃ珍しいな。 浴室はけっこう広めで、7〜8人のお客がいる(夕方4時)。 おっ、いきなりど真ん中にデーンと深浅の主浴槽、これも京都では珍しいんでないかい。それに深と浅の仕切り上には、お湯が薄っぺらくキノコのように広がる噴水だ。 湯舟の底には青っぽい不揃いの小石型タイルが張られ、浅いほうにはタイルの鯉も数匹泳いでいる。 他にも、湯舟のへりに使われている変形亀甲型のえんじ色タイルなど、京都でしか見られない柄の味わい深いタイルが浴室全体を覆っていて、タイル教信者としてはもうニコニコだ。 さて、かかり湯しようと思ったが、空いた桶がない。外の流しにあるのかなと思っていったん出て見たが、ないぞ。全部使用中か? 仕方がないので他客がキープしている桶を一瞬だけ掠め取って使い、湯船に浸かる。 お湯は42度強、なみなみとあふれている。ああ、これですよ京都の銭湯。 湯舟は奥にも電気とジェット2連の浴槽があり、手前には乾式サウナと水風呂がある。サウナ無料、これですよ京都の銭湯! 俺はふだん別料金サウナには入らないが、無料となると一転して徹底的に入りまくる。当然でしょう。 サウナは6人ほど入れる広さで快適、有線のJポップがかかっている。 カランは浴室の両サイドにあるが、相変わらず桶がないのでシャワーで全部済ませた。 長湯を楽しんで上がり、服を着ていたら、ロッカーの下の隅に桶が重ねて置いてあるのを発見した。あとから来たお客はそれを持って浴室へ入っていく。 チクショー。玄関の男女別といい、一見客にチト冷たいのお。 飲み物販売はいろいろあり。 (2006.1.6) |
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柳井湯★《廃業》
近鉄十条駅から北西に徒歩5分くらい。地味な住宅地の中、ふいに広めの角地があり、でーんと目立つ伝統的銭湯が目に飛び込んでくる。 なかなかの存在感。あとで絶対に入りに来よう〜っと誓わせるものがある。 ![]() ![]() しかも年中無休だと! で、夜になってメシ食ってビール飲んで舞い戻る。さっそく暖簾をくぐると・・・ おぉ! こ、これは初体験! ぬぁんと下足室と前栽が合体している。これはイイ! そうか〜この手があったのか。素晴らしい風情。 屋根は下足スペースにだけかぶさっていて、なんとなく料亭のような雰囲気がまことによろすい。脱衣所との境の木枠ガラス戸やタイル類もナイス。瞬時に非日常空間に引っ張り込まれてまうではないかい。 ![]() ![]() (左)暖簾をくぐって戸を開けたらこの光景 (右)男女境に木の下駄箱 ![]() 戸を開けるとこれまた年季の番台におかみさんが座る。そして広々した脱衣所からの庭の眺め、木のベンチ、これまたよろし。 見上げれば格天井にぶら下がる扇風機。入って5秒でもうくつろいじゃった。 しかも! 浴室入口の上に富士山のタイル絵、しかも男女ブチ抜きで端から端までの豪華版だ。雄大な湖には帆掛け舟が浮かんでるぞ。女湯のほうは筏流しか? まったくもって素晴らしい。 興奮冷めやらぬまま浴室へ。ゆるいカマボコ天井の中型サイズ。 湯舟は男女仕切り壁に沿って1列にズラリ。手前から入浴剤入りの気泡風呂、深風呂、ジェットつき浅風呂、電気と並ぶ。 入浴剤入り気泡は41度くらいのぬるめだが、その横の深風呂は・・・おっ熱い、44度かそれ以上あるぞ。ジェット浅は42度強というところ。でも電気風呂は残念ながら通電しておらず残念。 さらに出入り口の左右には、スチームサウナと水風呂あり。 いろんな温度の交互入浴が大好物な俺には、たまらんラインナップ。とくに熱風呂は嬉しいねえ。そして京都らしくお湯はオーバーフロー。 カランも壁と島とでたっぷり、せっけんなどを置く棚も広くて使い勝手もいい。 寒い冬の夜、アッチッチに茹だっては何度も水風呂に入るこの贅沢。いやー豊かだなあ、たった400円かそこらでなあ・・・と唸りながら1時間以上堪能した。 上がりはもちろん庭に面した木のベンチで、富士山を眺めながらくつろぎの時間。飲み物は自販機、これだけちょい無粋かな。 しかし、これまでに入った京都の銭湯でベスト3に入るかもしれん。感動と満足をありがとう。 (2006.1.6) ![]() ※「関西のレトロ銭湯」(2009年)に掲載されました。 ※2012年2月、ふろいこか〜ラジオに登場! |
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別府湯 《廃業》
地下鉄烏丸線の十条駅から北東へ歩いて5分ほど。住宅地の中にすっきり美しい町屋銭湯がおますえ。 玄関部分は新しい三角小屋根になっておますけど、その上に見えたぁんのはマギレもなく唐破風やあらしませんか。トタンで覆われたはりますけど、たぶんあんまり古おまっさかいに傷んでしまわはったのとちゃいますやろか。 ![]() ![]() (左)暮れゆく春の空、そびゆる煙突 (右)正面どす ![]() ![]() (左)トタンに覆われた唐破風どす (右)暖簾めくったらこんなんどすえ 入ったら番台がおますけど、おかみさんはたいてい女湯の脱衣場で常連のお客さんとしゃべったはりますえ。 建物は昭和初期のもんらしいどすけど、脱衣場は小奇麗に改装したはります。 お風呂場も改装済みで、男女壁沿いに深+電気、奥に浅+ジェット、出入り口横に水風呂という京都スタンダードでおます。 せやけどこのお風呂の最大の特徴、それは奥壁の壁画でおます。いろんな色のタイルを砕いて貼り付けたクラッシュタイルのモザイク絵で、海の底に裸で潜ってサザエを獲ってる海女さんが描かれてあるんどす。 この絵がなんとも素晴らしいんどす。構図といい色合いといいタイルの使い方といい、これまでに出会った銭湯モザイク絵の中でも間違いなくトップクラスの、芸術性の高いもんでおます。海女さんもかいらしかいらし、ええ顔したはります。 お湯に浸かりながらこの海女さんの絵を眺めてたら、時間の経つのを忘れますえ。いやほんま、ええもん見せてもろうて、おおきに。 (2008.4.20) ![]() ![]() (左)海女さん見てたら日ぃ暮れてしもた (右)逆さクラゲが光ったはります ※「レトロ銭湯へようこそ関西版」に掲載されました。 ![]() |
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宝湯★
京阪電車の藤森駅から東南東に徒歩約10分。国立京都病院の前を越えて次の信号を右へ入ると、左手にサカサクラゲの看板あり。 狭い路地をずーっと入っていったら、突き当たりに古い銀行のような洋館が見えてくる。 それがこの銭湯だ。窓周辺の装飾から最上部のドームまで、手抜きなくきっちりとデザインされ、洗い出し工法で造りこまれている。 京都のスミッコ的なへんぴな場所で、こういう美しいレトロ銭湯に出会うと下半身に軽い痺れが走るのです。あくまで俺は、だけど。 増設されたとおぼしき横長の下足スペースから中に入り、昔ながらの番台で湯銭を支払って脱衣所を見た瞬間、俺は歌ってしまった。さあみなさんご一緒に。 翔んでイスタンブール 白いレトロなウォール エキゾチックでシュール 蜃気楼ふろ屋の夢 翔んでコンスタンチノープル 柱の付け根がロール 4時からっのぉ〜パラダイッス〜♪ ここまで見事に洋風レトロモダンな意匠が凝らされたイニシエ系は、今はなき海南の新町湯くらいのもんではなかろうか。すなわちギリシャがローマしたあげくビザンチン化したところで俺はフルチン化するのである。 窓の内側から照明器具の付け根まで、丁寧な作業が施されている。ほれぼれしちゃう。天井の高さも感動的だ。 浴室は一転して設備が揃っている。薬湯・電気湯・スチーム・水風呂とあるが、注目はなんといっても「人間洗濯機」だ。丸い湯舟で湯がぐるぐると渦を巻いているのである。ここに入った者は最低20回転をこなすのが義務だろう。 使われているタイル類も暖色系で楽しい。 おやじさんによると、当初この銭湯は普通の和風銭湯として設計されていたが、何を思ってか当時の創業者がちゃぶ台返しのごとくに図面を根底から覆し、このような洋風銭湯に計画を変更させたらしい。 そこには悲喜こもごものドラマがあったと想像するに難くない。しかし社会の進歩とはそういうところから始まる。 いろんな意味で貴重な銭湯である。 (2008.8.18) ※「関西のレトロ銭湯」(2009年)に掲載されました。 ※2010年5/1より、オリジナルポストカードを番台にて販売中! ※2010年5/26、ふろいこか〜ラジオに登場! |
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呉竹湯
雄大な「筏流し」タイル絵をバックに堪能する伏見の名水風呂。湯船の底にタイル鯉ウヨウヨ。今年90歳になるおやじさん最高。 (本文作成中スビバセン! 下記書籍に掲載しておりますので詳細はそちらをぜひ) ※「レトロ銭湯へようこそ関西版」に掲載されました。 ![]() ※2016年4月「関西てくてく銭湯ツアー」開催。 |
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新地湯
おけいはんの中書島駅から北へ。坂本竜馬で有名な寺田屋方面へ続く道は、新地という地名からして昔の花街に相違ない。今も飲み屋やスナックが並んではいるが、どこかそこはかとない寂しさも漂っている。 そこを2分ほど歩いたら出ました、レトロモダン系のちょっとあやしげな外観の銭湯だ。 ![]() ![]() (左)右書きで「泉温」 (右)横はトタン張り 深草の宝湯に似た系統で、同じように玄関部分が増設されている。でもこちらのほうが間口も狭くてこぢんまり。そのかわり洋館部分のアヤシサでは勝っている。 増設部分はもちろん下駄箱スペースになっている。 戸を開けて脱衣所へ進むと、番台におかみさんが座っている。番台前の円柱および高い天井が真っ白なパルテノン風だが、あとは改装されて、宝湯ほどの濃厚なギリシャローマっぷりではない。 ロッカーはアルミ製、籐籠ごと放り込む京都式。 浴室もこぢんまりしているが、京都銭湯らしく深浅のほかスチーム、水、ブクブクと湯船は充実している。タイルもモロ京都系だが、湯船のへりにえんじ色の石が乗っているのは珍しい。 目を引くのは奥壁の大きなタイル絵だ。海岸と灯台の風景だが、これがごちゃごちゃしてないで、妙にスッキリ広々とした構図だ。海が広い。スッキリ度においてはこれまで見たタイル絵の中でナンバーワンかもしれん。見飽きない、よき絵だ。 浅風呂の底にタイル鯉が泳いでいるのもナイス。 お湯はけっこう熱め。そして水風呂はびしっと冷たい。 伏見は酒どころで、あちこちに名水が湧いている土地柄だ。ここの水もサスガなもんではありませんか。 アツアツの湯とサウナと気持ちのいい水風呂が揃うと、どうしても長風呂になる。他客は6〜7人いたが、誰よりも俺がダラダラと長くいた。(2009.2.15) ![]() ![]() 夜になるとさらにあやしさ満点。でも中は至極健全 ※2010年6/26より、オリジナルポストカードを番台にて販売中! ※2011年7/26、ふろいこか〜ラジオに登場! ※「レトロ銭湯へようこそ関西版」に掲載されました。 ![]() |
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