ちょっとした旅ホーム
八重山諸島

西の果ての島々へ

2006.12.7〜13日(沖縄県)
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7日目(最終日)◆石垣島:名蔵アンパル

 姉とともにKさんの実家に泊めてもらい、とうとう八重山最終日の朝を迎えた。

 Kさんの実家の近くに、「名蔵(なぐら)アンパル」というラムサール条約登録湿地がある。姉は昨日、Kさん宅の自転車を借りてじっくり見に行ったらしい。
 そこで今度は僕が自転車を借り、前カゴに朝食のパンと缶コーヒーを放り込んでアンパル見学に出かけた。

 赤線が自転車で走ったルート

 海沿いの道をしばらく南へ走ると、名蔵大橋にさしかかる。橋に踏み入れたとたん、左手に大きな空間が広がった。さっきまで左手に迫っていた山々がいきなりはるか遠くへと後退し、その手前がずっと先まで広大な干潟とマングローブ林になっている。
 これだな、アンパル。

 
(左)名蔵大橋から見たアンパル   (右)海への開口部

 アンパルとは「網を張る」の意味らしい。ここに網を張っておれば魚が自動的にわんさか入ってくるのだろう。
 それにしても、こういう場所が手付かずで残っているのはさすが八重山だ。本土ならとっくの昔に干拓されて水田になっているに違いない。でも漁労民にとってはコメより魚が大事だったのだな。

 橋を渡って少し進むと、湿地に下りられそうな場所があったので、自転車を停めて下りてみた。
 干潟は思ったより締まっていて、足が沈むこともなく歩きやすい。
 細い流れに貝がいっぱいいる。それをまたぎ、干潟中央のヒルギが生えているところまで歩いた。

 
(左)アンパルに下りてみた   (右)干潟は歩きやすい

 
(左)アンパル風景   (右)ヒルギの根元にトビハゼがいる

 なんかしらんが穴だらけ

 歩いていくと、小さな生き物たちがいっせいに砂の穴に隠れてしまう。動かずにじっと待っていたら、トビハゼが出てきた。さらに注意深くじっと我慢していたら、片手の大きなカニたちが顔を出す。
 カニは甲羅やハサミを持っているくせに、トビハゼよりもかなり慎重だ。

 
(左)トビハゼが顔を出した   (右)シオマネキ、こいつを撮るのは根気との戦い

 30分ほど観察して自転車に戻り、片手でパンと缶コーヒーの朝食をとりつつさらにペダルを踏む。しばらく進んだところでもう一度アンパルへ下りた。
 ここはさっきの広大な干潟とはススキ類の森を隔てたようになっており、湿地の幅がやや狭いが、水鳥の姿が多い。そして砂にあいた穴は大き目だ。
 アンパルはのっぺりした一枚の干潟ではなく、水流はいくつもの部分に分かれたりまたくっついたりしながら海へ流れ出ていくようだ。その複雑な流れの合間合間に多様なマングローブが生え、さまざまな生物にとっての隠れ場所や餌場があるのだろう。

 ここでも下りてみた

 自転車に戻って再び南へ走ると、車道の隅にカラスが数羽集まって何かをつついている。追い払って見てみると、1匹のヘビが裏返っていた。こわごわしっぽをつまんで表に返してみると、ハブだった。
 目立った外傷も硬直もなく、死んでるようには見えないがピクリとも動かない。カラスに振り回され、頭を道路に叩きつけられて失神しているか、あるいは絶命しているのか。

 
(左)ハブよね・・・   (右)間違いないよね・・・いきなり目を覚まして噛まないよね・・・

 さらに進むと、北東方向に分岐する道があった。この道はアンパルの東にある名蔵集落に続いている。名蔵集落に出たところで左折したら、アンパルをぐるっと大回りで1周するかたちでもと来た海沿いの道に戻ることができそうだ。
 だが行って見るとアンパルの東側は道路の両側がサトウキビ畑になっており、湿地に近づくことはできなかった。

 途中、アンパルに流れ込む水路の一つに、水鳥たちが集まっていた。よし、鳥の写真を撮って、あとで姉に自慢しよう。
 だが水鳥たちは非常に警戒心が強く、いくら注意深く動いても一定以上近づくことはできなかった。そうとう粘ったけど下の写真で精一杯。

 
(左)シギとチドリ   (右)中央で後ろを向いているのはたぶんシロハラクイナ

 
(左)アンパルへ流れ込む名蔵川   (右)その上流方向を見る

 名蔵川を渡り、もう少しで海沿いの道に戻るというあたりに八重山民俗園がある。その周辺は湿地の際まで丘陵が迫っているため、自転車は少し丘を登らされることになる。
 そのかわり、アンパルの東半分を一望できる。

 高台から見たアンパル

 以上アンパル1周、2時間半の朝のサイクリングだった。

 この日は1時発の飛行機に乗ることになっていた。Kさん宅をおいとまするとき、Kさんの母上が「石垣に来て川平湾を見ないとダメさ〜」とおっしゃるので、空港へ行く前にKさんのクルマで寄ってもらった。
 さすが有名な観光地だけあって、小さな湾がコバルトブルーに染まっている。美しい海だが、潮流が早いため遊泳禁止らしい。

 
(左)グラスボートが浮かぶ川平湾   (右)たしかにきれーです

 川平湾から空港へ向かう途中、再びKさん宅に寄り、庭の大鍋でふかしたてのターイモをおやつがわりにたくさんもらった。これまたモチモチのなんともうまい芋だった。

 ターイモふかしまくり

 帰りの飛行機は那覇経由。そこからは姉とは別の飛行機だ。まあ与那国の後はほとんど別行動だったけど。ほなさいなら〜。


 帰路:那覇の3時間

 飛行機の待ち合わせが3時間以上あったので、ゆいレールに乗って那覇の街へ出た。牧志で下りて、国際通りを西へ。修学旅行生みたいなのがいっぱいいるぞ。
 とりあえず腹減った。路地をウロウロしたが、中途半端な時刻のせいか空いてない店も多い。しかし那覇も安宿が多いな、1泊2000円とか。今日帰るというのに宿を物色してしまうじゃないの。

 国際通りで目に付いた「ぐるくん食堂」で料理&オリオンにありついた。沖縄はちょっとしたものがどこでもうまいし安いから嬉しいねえ。

 国際通りのぐるくん食堂

 
(左)ナーベーラーンブシー   (右)ウムクジアンダギー、うまい!

 そのあと、有名な牧志公設市場を覗きに行った。で2階の食堂でまた飲み食いした。

 にぎやかな市場本通り

 
(左)牧志公設市場   (右)テレビ撮影をやっていた

 
(左)市場の2階の食堂、飾り気ゼロのすがすがしさ   (右)ソーミン汁。ソーミン大量

 けっこう酔っ払って時計を見たら、もう飛行機の時間だ。あわててゆいレールで空港へ戻り、ぎりぎり間に合った。那覇は空港が近いから便利だなあ。
 それにしても、たった3時間だったけど豊かな散歩だった。

 というわけで八重山の旅は幕を閉じた。
 この地を訪れた他のたいていの人たちと同様、近いうちにまた来てしまうだろうとの予感に激しく襲われながら飛行機に乗り込む俺だった。
 こんな島々が日本の一部であるというのは、つくづくありがたいことだねぇ。

 おしまい。 (最後までニーファイユー! 07.4.10)
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