チープに極楽。生きててよかった!
| 長野県の名銭湯【北東部】 |
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| 柳乃湯 (上田市) 大湯 (上田市) 鶴巻の湯 ★(小諸市) 君が湯 △(千曲市) |
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柳乃湯
新幹線も停まる上田駅から北へ真っすぐ大きな目抜き通りが伸びている。この駅前通りは1kmちょっとで国道18号にぶつかる。 その少し手前で道は小さな川を渡る。渡ってすぐ、左の狭い路地を覗いたら・・・これまた渋い銭湯のお出ましだ。大阪的な四角い凸型玄関が珍しい。 ![]() (左)駅前通りから。左に川がある (右)反対側から。車が並んでいるのが駅前通り すばらしい屋号の意匠ザーザーと水音を立てて流れる川端の路地に、さりげなくたたずむ様子がなんともいえん。これが正しい銭湯の立地ですと言わんばかりだ。その通り、まったくもって全面的に正しい。 向かいの川に飛び出すようなかたちで、駐車場が3台分用意されている。 ![]() (左)夜にはこの風情 (右)暖簾をくぐったところのすりガラス 暖簾をくぐって戸を開けると、古〜い木の下駄箱があり、背の高い番台にばーさまが座っている。 脱衣所は新建材でチープに改装済み。合板ロッカーの横に丸籠が積んである。 浴室内は外観の渋さに似合わず、壁や天井は新品に張り替えられており、床の不定形タイルもさほど古くない。先客が2人ほどいる。 男女隔壁が全面ガラスブロックでできている。ここは昭和テイストな見どころだ。 奥に深浅の浴槽があり、緑の色つきの湯が満ちている。ジェットも元気に噴出中。どれ、さっそく入るか・・・おっとぉー、アチチチ! 45度くらいあるな。こっれはキクぞぉ。 浴室両側にカランが並び、すべてシャワーがついている。島カランもある。水圧はバッチリで使い勝手よし。 桶や椅子はきっちりと棚上に並べられていて、管理とマナーのよさを感じさせられる。 途中で20代〜40代の仕事仲間っぽい4人グループが入ってきた。地方の古銭湯には珍しく、常連ばかりではなさそうだ。 アッチッチのお湯をじっくり気持ちよく味わえる。よろすい。定休日は聞き忘れたけど、俺が行ったのは水曜日です。 (07.11.07) |
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大湯
「信州の鎌倉」こと別所温泉には共同湯が「石湯」「大湯」「大師湯」と3ヵ所ある。 駅にあった案内パンフには「観光客に人気」として石湯だけが紹介され、あとは「その他」扱いされていたので、とりあえず石湯はパスして「その他」の2つに入った。わかるかなあ、この選択。 上田交通・別所温泉駅から左手の坂を数分登ると、3層の瓦屋根を持つ風情あふれる大湯の建物が現れる。 ![]() 大湯。堂々たる風格 木の戸を開けると正面フロントにオヤジが鎮座。脱衣所は狭いが、新しい感じ。ロッカーにはフタがなくタナを仕切っただけだ。ちゃっちゃと服を脱いで浴室へ。 浴室に入ると、ぽあ〜んと硫黄の香りが漂っている。こじんまりした空間は改装されてピカピカだが、床は石材、天井は板張りで、なかなか雰囲気はいい。土曜の夕方のせいかけっこう賑わっている。 湯船は6〜7人サイズが1つ。湯は無色透明だが、微妙に薄緑色をしているような。入ってみると42度弱、じつになめらかな肌触り。うひょ、気持ちエエ。 お湯はいわゆる掛け流し。吐き出し口にコップがあるので飲んでみると、まったりとした硫黄味。まったくもって温泉ですなあ。 真新しいカランが6つあるが、シャワーはなし。浴室の隅に上がり湯のマスあり、これは38度くらいのぬるい湯だ。 共同湯にしては珍しく露天風呂がある。でもここはなぜか硫黄臭がしない。循環か? せっかくの露天なのに湯の質が落ちるせいか、誰も入っていなかった。 しかしまあ、こういうところはどこも脱衣所が狭くてくつろげないのが難点だなあ。ちゃっちゃと服を着て外に出るしかないんだが、出たら寒いっちゅーの。でも150円で文句は言えまへん。 この日、お客の比率は地元民と観光客が2:1くらいの感じだった。 大湯から徒歩5分ほどの大師湯にも入った。寄せ棟に千鳥破風、その下に唐破風の渋い建物だが、こっちは脱衣所・浴室ともに大湯の半分以下の狭さ。浴室はそっけないタイル張りに改装されていて風情ゼロだが、お湯の鮮度はかなりいい感じ。硫黄臭も大湯より強いかも。お客は僕以外は全員地元のじいさんだった。 (04.12.11) ![]() (左)大師湯。間口は広いが中は狭い (右)石湯。大湯に似た建物だが真新しい(未入浴) |
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鶴巻の湯 ★
小諸駅から南東へ、約700mほどの旧市街。狭い通りの角に、さりげなくこいつが現れる。 破風の玄関小屋根の下で、暖簾が揺れている。クギヅケ棒立ち金縛り。止まらない涙止まらない。 ![]() (左)問答無用のたたずまい (右)何の印か知らねども 澄み切った空にいさぎよく ![]() (左)この形たぶんサザエさん (右)金色に屋号輝きて 深呼吸そして戸を開ける。狭いタタキに古番台。 若手の女将がほがらかに迎えてくれる。外観通りの郷愁空間だ。 ![]() (左)天井重厚こげ茶色 (右)鏡に映る脱衣箱 服を脱いで丸籠へ放り込む。いにしえより年月を刻んだ重厚なる歴史的建造物に初めて足を踏み入れて、あっという間にスッポンポンのフルチン体操。この目まいを覚えるような異次元感がたまらない。 と、浴室に入った瞬間、のけぞった体のけぞった。 夕陽輝く聖空間、その男女壁に視線が金縛り状態となる。タタタタタタタタタタ、タイル絵がそこに一面に・・・止まりかけ心臓止まりかけ。 ![]() (左)光よ・・・銭湯よ・・・ (右)小諸なる古城のほとり・・・ 緻密、見事、美品静寂の浴室に俺一人の貸切だ。落ち着けて心落ち着けて。 とりあえず湯に浸かろう。湯舟は深浅が一つだけで、フチに渋い丸タイルが使われている。だが内側は白セメント塗りで、タイルは貼られていない。これは珍しや。 例によって登山のあとなだけに、熱めのお湯が実にナイス。湯の感触が染みわたり、疲れが溶けてゆくさまが感動的だ。 トタン張りの天井と四角い湯気抜きを見上げながら、深い深い溜息ひとつ。 洗い場にシャワーはなくカランのみ。ここにシャワーなんか設置しようとしたら、絵に穴をあけることになる。だから当然なくてよし。 上がっておかみさんに聞くと、男湯の絵はどこの城かわからないと言う。 「長良川に似てると言った人がいますけど。女湯は奈良公園なんですよ」 な、奈良公園? 信州小諸で何を思って奈良公園!? 誰も入っておられないとのことで、見せていただいた。 禁断の女湯 かわいい、美しい奈良公園そのままではないが、モチーフとしてはまさしく奈良公園だろう。こっちのほうがカラフルで明るいイメージだ。 数年前に若いカメラマンがこのタイル絵を撮影に来たそうだ。 おかみさんによると、この建物は大正3年ごろのものらしい。玄関部分は雨漏りがするという。 「毎年明けるたびに『今年はもうやめよう』と思いながらまだ続けている、という状態です」 古い城下町・小諸に残った、たった1軒の古銭湯。そこにこんなタイル絵が息づいている。この素晴らしい事実にめぐり会えた喜びを、幻のコモロオオトカゲに捧げたい。 (07.11.07) いつまでも嗚呼いつまでも |
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君が湯 △
き〜み〜が〜あ〜ゆ〜う〜は〜・・・ しなの鉄道屋代駅で下車して北へ10分弱歩いたところにある。けっこう交通量が多い道路に面しているが、銭湯バカでもなければこれが銭湯だとは気づかないだろう。暖簾も出てないし。 でも門の上に張り出した松の枝がかっこいい。 ![]() (左)煙突があるから気づく (右)よく見たら入口が二つあるし ![]() (左)古い看板もかかっているし (右)やっぱり銭湯だ き〜み〜が〜あ〜ゆ〜う〜は〜・・・ ひっそりとしている。激渋のすりガラス戸を開けると、狭いタタキに棚だけの木の靴棚があり、番台には苔むしたバーサマがお座りになっている。 湯銭を払おうとしたら・・・200円だと!? き〜み〜が〜あ〜ゆ〜う〜は〜・・・ 脱衣所も狭く、新建材でチープに改装されている。それにしてもこの脱衣所、ロッカーのほかはなんもない。椅子もない。さっさと脱いで着るだけ。 き〜み〜が〜あ〜ゆ〜う〜は〜・・・ 浴室もこじんまりしている。他客は誰もいない。 床は不揃いの小石型タイルだが、あちこちハゲていて、白パテやセメントで補修されている。 湯舟は男女壁に接して深浅一つ。だが深いほうもあまり深くない。湯はやたらと熱く、さすがの俺もうめて入った。 湯舟の内側もタイルが剥げ、さらに補修のセメントまでハゲている状態。その粉で、底は少しざらついている。 き〜み〜が〜あ〜ゆ〜う〜は〜・・・ 男女壁にモザイクタイル壁画がある。定番のアルプス湖水風景、白樺&白鳥。周囲のボロさの中、この壁画だけがくすみも剥げもなく、燦然と輝いている。 その下にカランが並んでいる。シャワーはない。水はよく出るが、湯はぬるいのがチョロチョロ出るだけで、あまり役に立たない。 桶に湯をくんで床に置いたら、前の溝をなにかが流れてゆく。よく見たら薄いセメントのカケラだ。桶を置いた拍子に剥がれたらしい・・・。 き〜み〜が〜あ〜ゆ〜う〜は〜・・・ 千代に八千代に・・・とはいかないだろう、たぶん。 それでも女湯からはバアサマたちがにぎやかに語らう声が聞こえてくる。商売度外視の200円といい、この熱い湯を楽しみにしているお年寄りのためだけに湯を沸かし続けておられるのだと思われる。 これもまた日本の古い銭湯の姿だ。泣ける。 なんとか体を洗い、熱い湯に浸かりながら天井を見上げた。菱形の、ちょっと変わった湯気抜きが開いている。 壁上部から天井にかけてコンクリ打ちっぱなしのモダンな造り。だがそれが、くすんだ緑色に変色している。 コケが生えているのだ全体的に。これぞまさしく。 こぉ〜けぇ〜のぉ〜〜〜む〜う〜す〜う〜ま〜あ〜あ〜で〜〜 (07.11.8) さて帰ろう(入口の戸を内側から) |
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